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ランプの精霊
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嘘のような、本当の話。
二十一世紀になってこんな童話的な話が実在するとは思わなかった。
僕は今、どんな願いでも三つ叶えてくれる魔法のランプを手にしている。
昨晩まではなかったのに、目覚めると部屋に落ちていたランプ。
不思議なことに、手にしているランプの情報はネットや口コミで知ったのではなく、朝目覚めると、まるで前日に立てた予定のようにインプットされていた。
そんな不思議な出会い方だったため、眉唾物である魔法のランプを手にした今、僕は疑うことなく願いが叶うと信じられた。
誰もいない一人きりの部屋で、ランプをこすってみる。
………
反応がない。
おかしいな、なんとなくこれが正しいと思っていたのに。
なんとなくで、おかしいと思う方がおかしいか?。
今度は、恥ずかしいけれど声を出してこすってみる。
「ランプの魔神よ、出て来ておくれ」
………
「やだよ」
しばらくの間が空き返ってきた言葉は、考えもしなかった、意外な言葉だった。
「嫌って…」
「それに、ランプの魔神じゃなくて、ランプの精だし」
「そんなの、どうでも良いだろ」
二十一世紀になってこんな童話的な話が実在するとは思わなかった。
僕は今、どんな願いでも三つ叶えてくれる魔法のランプを手にしている。
昨晩まではなかったのに、目覚めると部屋に落ちていたランプ。
不思議なことに、手にしているランプの情報はネットや口コミで知ったのではなく、朝目覚めると、まるで前日に立てた予定のようにインプットされていた。
そんな不思議な出会い方だったため、眉唾物である魔法のランプを手にした今、僕は疑うことなく願いが叶うと信じられた。
誰もいない一人きりの部屋で、ランプをこすってみる。
………
反応がない。
おかしいな、なんとなくこれが正しいと思っていたのに。
なんとなくで、おかしいと思う方がおかしいか?。
今度は、恥ずかしいけれど声を出してこすってみる。
「ランプの魔神よ、出て来ておくれ」
………
「やだよ」
しばらくの間が空き返ってきた言葉は、考えもしなかった、意外な言葉だった。
「嫌って…」
「それに、ランプの魔神じゃなくて、ランプの精だし」
「そんなの、どうでも良いだろ」
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