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第五話 小林美玲
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ーー杉山香織が自宅の前で殺された。
それを聞いたときは、はじめはざまあみろと思った。
今まで香織のことは、穏やかで、友達思いの子だと思っていた。
でも本性は、あたしたちの私物を盗んでは楽しむ泥棒女だったのだ。
だから、殺されていい気味と思った。
でも、聖はこう言った。
「風花に続いて、香織が殺されるなんておかしくない?」
「…言われてみればたしかに。」
「いくら顔面詐欺師と泥棒女とはいえ、たて続けにうちらの周りの人間が殺されるって、不自然すぎるわ。」
確かに、あたしの周りの人間が続けて死ぬなんておかしい。
「ねぇ…、次に死ぬのはあんたなんじゃないの…?」
「…え?」
「もし、殺人犯があたしたちを狙っているのなら、次はきっと美玲。そして、美玲を殺して、あたしを殺そうとするんじゃないかしら。」
「やめてよ!そんな事言われたら不安でたまんないわよ!それに、誰に殺されるっていうのよ!」
「…私達を恨んでいる誰か」
「私達を恨むって…」
私が人に恨まれるようなことをした?
そんなわけ無い。私は過去を振り返る。
私と聖と香織とは小学校からの付き合い。
3人でよく誰かをいじめて…高校からは風花も加わって野中をいじめて…
あと、私はブスによく見下した態度をとって…あれ?
私、もしかして、人に恨まれるようなことを、たくさんしてきている?
それなら、私に殺意を向けるのもおかしくない。
謝れば済むとは思ってない。
私達は良く、「謝って済めば警察はいらないのよ。」ってよく言ってた。
その言葉がまさかこんなかたちで戻ってくるとは…。
「美玲、ついてきて」
私は聖に呼ばれた。
そこには怯えた顔をした野中もいた。
またか………。
最近、何だか聖が気に入らない。
「野中、あたしの周りの人間が殺されてんだけど。あんたが犯人でしょ?」
…それは違う。
香織が殺された時間は、授業中。
だから野中に殺せるわけがない。
「聖。無理でしょ。香織は授業中に殺されたのよ。野中にできるわけ無いでしょ?」
「ハア!?今いいところなのに何邪魔すんのよ!こいつを犯人に仕立て上げ、恥ずかしい動画を取らせていたぶろうとしてたのに!」
「つか、今友達が二人も死んでるのに、いじめなんてしてる場合じゃないでしょ!」
「何それ…あたしが間違ってるって言うの!?あんた何様?」
「うるせーな!!」
あたしは聖を突き飛ばした。
「何すんのよ!」
あたしと聖は、先生に止められるまで、殴り合った。
あたしは、3日間謹慎となった。
聖も謹慎なので、平等ではある。
あのバカ女。
周りの人間が死んでるのに、いじめとかやってる場合じゃねーだろ。
あたしの友達って、どいつもこいつもバカばかり。
顔面詐欺師と泥棒女と勘違い女王。
つか、あたしはコイツらのせいで、いじめっ子になっただろう。
今思うと、あたしの人に対する態度は、傲慢で嫌われやすいだろう。
こうなったのも、聖と出会ってからだ。
あんな女と、縁を切るべきだったんだ。
「そこの可愛い学生さーん」
学校の帰り道、歩いていると、とある男に声をかけられた。
「こういうものなんだけど、モデルとか、興味ない?」
男は私に名刺を差し出した。そこには男の名前と「Beethoven」と書いてある。
私はそれを見て、瞳を輝かせた。
なぜならBeethovenとは、数多くのスーパーモデルが所属している最高の芸能事務所だから。
まぁ、私の美貌なら、当然でしょうね。
「え~、わたしなんかでいいんですか~?」
「もちろん。君のような美人が入ってきたら、事務所はもっとグレードアップできるよ。」
その言葉に思わず体が熱くなる。
こんないい話、絶対無駄にできない。
私はその話を受け入れ、明日、早速スナップ写真を取ることになった。
「あ~、楽しみ~!」
スキップ混じりで鼻歌を歌いながら、自宅のアパートに向かう。
すると、家の前にとある男が立っていた。
「あの…うちになんかようですか?親はいませんよ?」
すると男はニヤリと笑い、私になにかの液体をぶっかける。
「きゃあ!」
男は全身ずぶ濡れになった私に、火のついたライターを放り込む。
「あつい!あつい!」
私は運良く気づいた通行人に水をかけてもらい、病院で緊急搬送された。
「きゃああああ!!!!」
病院のベッドで、私は手鏡で自分の顔を確認する。
やけどのせいで美しい顔はとんでもない顔になっていた。
「この顔…遠藤風花のすっぴんよりひどいねぇ。」
病室に、男がいた。
私にやけどを追わせた男が…
「アンタ…よくも私の顔に…待って。なんで風花のこと知ってんの!?もしかして、風花と香織を殺したのもあんた!?」
「正解~!君は、自分より外見が劣ってることを見下したバツとして、死ぬのではなく、美しい顔を失ってもらいま~す!」
「は?あんた…何者?」
「俺は…………だ」
その言葉を聞いて理解した。これはいじめをした私への天罰。
そして次のターゲットは…聖。あんたよ
それを聞いたときは、はじめはざまあみろと思った。
今まで香織のことは、穏やかで、友達思いの子だと思っていた。
でも本性は、あたしたちの私物を盗んでは楽しむ泥棒女だったのだ。
だから、殺されていい気味と思った。
でも、聖はこう言った。
「風花に続いて、香織が殺されるなんておかしくない?」
「…言われてみればたしかに。」
「いくら顔面詐欺師と泥棒女とはいえ、たて続けにうちらの周りの人間が殺されるって、不自然すぎるわ。」
確かに、あたしの周りの人間が続けて死ぬなんておかしい。
「ねぇ…、次に死ぬのはあんたなんじゃないの…?」
「…え?」
「もし、殺人犯があたしたちを狙っているのなら、次はきっと美玲。そして、美玲を殺して、あたしを殺そうとするんじゃないかしら。」
「やめてよ!そんな事言われたら不安でたまんないわよ!それに、誰に殺されるっていうのよ!」
「…私達を恨んでいる誰か」
「私達を恨むって…」
私が人に恨まれるようなことをした?
そんなわけ無い。私は過去を振り返る。
私と聖と香織とは小学校からの付き合い。
3人でよく誰かをいじめて…高校からは風花も加わって野中をいじめて…
あと、私はブスによく見下した態度をとって…あれ?
私、もしかして、人に恨まれるようなことを、たくさんしてきている?
それなら、私に殺意を向けるのもおかしくない。
謝れば済むとは思ってない。
私達は良く、「謝って済めば警察はいらないのよ。」ってよく言ってた。
その言葉がまさかこんなかたちで戻ってくるとは…。
「美玲、ついてきて」
私は聖に呼ばれた。
そこには怯えた顔をした野中もいた。
またか………。
最近、何だか聖が気に入らない。
「野中、あたしの周りの人間が殺されてんだけど。あんたが犯人でしょ?」
…それは違う。
香織が殺された時間は、授業中。
だから野中に殺せるわけがない。
「聖。無理でしょ。香織は授業中に殺されたのよ。野中にできるわけ無いでしょ?」
「ハア!?今いいところなのに何邪魔すんのよ!こいつを犯人に仕立て上げ、恥ずかしい動画を取らせていたぶろうとしてたのに!」
「つか、今友達が二人も死んでるのに、いじめなんてしてる場合じゃないでしょ!」
「何それ…あたしが間違ってるって言うの!?あんた何様?」
「うるせーな!!」
あたしは聖を突き飛ばした。
「何すんのよ!」
あたしと聖は、先生に止められるまで、殴り合った。
あたしは、3日間謹慎となった。
聖も謹慎なので、平等ではある。
あのバカ女。
周りの人間が死んでるのに、いじめとかやってる場合じゃねーだろ。
あたしの友達って、どいつもこいつもバカばかり。
顔面詐欺師と泥棒女と勘違い女王。
つか、あたしはコイツらのせいで、いじめっ子になっただろう。
今思うと、あたしの人に対する態度は、傲慢で嫌われやすいだろう。
こうなったのも、聖と出会ってからだ。
あんな女と、縁を切るべきだったんだ。
「そこの可愛い学生さーん」
学校の帰り道、歩いていると、とある男に声をかけられた。
「こういうものなんだけど、モデルとか、興味ない?」
男は私に名刺を差し出した。そこには男の名前と「Beethoven」と書いてある。
私はそれを見て、瞳を輝かせた。
なぜならBeethovenとは、数多くのスーパーモデルが所属している最高の芸能事務所だから。
まぁ、私の美貌なら、当然でしょうね。
「え~、わたしなんかでいいんですか~?」
「もちろん。君のような美人が入ってきたら、事務所はもっとグレードアップできるよ。」
その言葉に思わず体が熱くなる。
こんないい話、絶対無駄にできない。
私はその話を受け入れ、明日、早速スナップ写真を取ることになった。
「あ~、楽しみ~!」
スキップ混じりで鼻歌を歌いながら、自宅のアパートに向かう。
すると、家の前にとある男が立っていた。
「あの…うちになんかようですか?親はいませんよ?」
すると男はニヤリと笑い、私になにかの液体をぶっかける。
「きゃあ!」
男は全身ずぶ濡れになった私に、火のついたライターを放り込む。
「あつい!あつい!」
私は運良く気づいた通行人に水をかけてもらい、病院で緊急搬送された。
「きゃああああ!!!!」
病院のベッドで、私は手鏡で自分の顔を確認する。
やけどのせいで美しい顔はとんでもない顔になっていた。
「この顔…遠藤風花のすっぴんよりひどいねぇ。」
病室に、男がいた。
私にやけどを追わせた男が…
「アンタ…よくも私の顔に…待って。なんで風花のこと知ってんの!?もしかして、風花と香織を殺したのもあんた!?」
「正解~!君は、自分より外見が劣ってることを見下したバツとして、死ぬのではなく、美しい顔を失ってもらいま~す!」
「は?あんた…何者?」
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