28 / 150
1章 名もなき村
28 くるみパン
しおりを挟む
とりあえず、調合師は適当にいなして食堂に帰ってきたわけだが、これからどうするかな。
いや、今日の予定としては龍グルミでクルミパンを作ることになっているのでその面での予定は決まっているのだが。
村長にはかまどの作成、鍋の到着予定は伝えて、明日から動かせる人員を何人か紹介してもらったから、明日からはレイジと一緒に森に入って食料になる植物の説明と注意事項をすることになるのだが。
……昼飯をどうしよう。
そう、結局はそこに行きつく。
村人たちは基本的に朝飯と夜飯の二食しかとらないからそれに合わせれば問題ないといえば問題ないのだが、森歩きをした後に俺の腹が持つのかというのが問題だ。
かと言って、村人たちの前で気軽にホイホイ食堂を展開するのも嫌な感じがする。
「そんなに悩まなくても、マサト兄ちゃんが食べたいなら食堂を作って何か食べればいいと思うけど」
「ミーナも、現地で食料の味を教えてあげるのも大切だと思うよ」
確かに、これが食べられるって言っても味がわからないようじゃ真剣には話も聞かないだろう。
「でもなあ、俺たちはこれからこの村から旅立つわけだろ? その時にこんな便利なものがあるならこれからもこの村にいてくれって言われたときに断りづらいだろ?」
レイジとミーナがこの村の出身じゃなければ、あるいは俺一人での旅ならば、そんなこと知るかっ、で済んだかもしれないが、この村は二人の生まれ故郷だ。
いい思い出が少ないとはいえ少しはあるだろう。
両親と過ごしたこの村を簡単に見捨てて旅に出られるとは思えないし、表面上はなんてことない風に装っていても心の内は分からない。
「んー、じゃあ今日作ったかまどみたいに外で火を使えるような道具はないの?」
「そうですよ。それを一日のうちに少しの間しか使えない、とか言っておけばみんなもそれほど興味はひかれないんじゃないですか」
なるほど、食堂なら探せば鍋物用のカセットコンロの一つもありそうだし探してみるかな。
「いいな、それ。何かないか探してみるよ」
ちなみに二人は龍グルミを割ってくれている。
龍グルミも畑に植えるつもりではいるが、異界のレシピで調べてみれば一冬程度、湿気を与えてからじゃないと発芽しないとか、土中で他の作物に対して有毒な物質を生成するとか出てきていたので畑に植えるのはいったん保留して一部以外はパンに使ってしまうことにする。
「マサト兄ちゃん、本当にここにあるのは全部割っちゃっていいのか?」
「そうですよ、マサトさんも一つくらい割りませんか?」
「いいんだよ。二人が帰った後にやってみたけど割れる気がしなかったから」
流石は龍グルミ、俺ごときの力では割るどころかひびの一つも入らなかった。
さて、二人が気の毒そうな目で俺のことを見ているけれど気にしないでカセットコンロを探すかな。
あとは、持ちやすい大きさの鍋と水を入れた水筒、適当な木匙と緑菜でも持っていけばいいかな。
お、よしよし、おあつらえ向きに一人鍋用のカセットコンロとアルミ鍋が置いてあるな。
あとは、持ち帰り用の竹筒水筒に竹の皮で作ってあるおにぎり用の包み紙か。
包み紙は使い道はないが、そのほかのものは使えそうだな。
いや、手伝いに来てくれる村人は四人だったから一人用のアルミ鍋じゃあ、味見程度にしても小さいか。
やっぱり、食堂から小鍋を持っていくのが一番かな。
「マサト兄ちゃん、龍グルミは全部割ったよ」
「マサトさん、これからどうするんですか?」
「じゃあ、これをパンに混ぜるか。半分くらいは炒めて塩を振って村人に食べてもらおう」
水と塩は手に入るから塩味のローストしたくるみは作成可能だろう。
「パンに龍グルミを混ぜるのか、甘くなるのかな?」
「熱が通るから生の時よりは甘みは減るだろうな、でも、硬くなるからパンの柔らかさとクルミの硬さで食感は面白くなるぞ」
まあ、その食感の違いで好き嫌いも結構わかれるパンだとは思うが。
牛乳が手に入ればその分甘味は増すんだろうけど、ないものねだりをしても仕方がないしな。
「生のくるみを混ぜるのは具合が悪いみたいだから、あらかじめ龍グルミはオーブンでローストすることにしよう。天板にクッキングシートを敷くから重ならないように並べてくれるか?」
オーブン自体はパン焼きでいつも使っているので二人にとっては慣れた作業だ。
二人に出すだけなら、パンもいろいろな種類が作れるのだが、村人に見られる可能性がある以上この村で手に入らない素材はなるべく使わないほうが無難なんだろうな。
「十分くらいで焼きあがるから、先に生地を作っておくか。生地ができたら醗酵する前にクルミを混ぜてよく捏ねたら醗酵だ。何かを混ぜると捏ね方が不十分になることがあるからよく捏ねてくれよ」
最近は、レイジとミーナに任せっぱなしにして申し訳ない気持ちもあるのだが、二人に任せた方が美味しいものができるのと二人がやりたいと言ってくるので甘えてしまう。
まあ、俺は俺で龍グルミをローストして塩味でもつけておこうかな。
「マサトさん、龍グルミでパンを作る場合の注意点って他にはないんですか?」
「そうだな、あんまり入れすぎるとパンが膨らまなくなるっていうのと、クルミやドライフルーツなんかは熱いうちに生地に入れるのはダメってくらいかな。あとは、パンを焼く前に切れ込みを入れておくのも重要みたいだ」
「切れ込み……ですか?」
「外見をクルミの形に似せるためとも、中まできちんと火が通るためとも言われているな。何も入っていないパンと比べればクルミの分、パン生地への熱の入り方が不均一になるから見た目にこだわらなくても切れ込みは入れたほうがいいんだろう」
まあ、見た目からしても普通のパンと見分けるために形を変えておくのは大事なことだとも思うが。
「マサト兄ちゃん、切れ込みはナイフで入れるのか?」
「ナイフでもいいし、キッチン専用のハサミで切ってもいいぞ。パン生地を分けるときに使ってるスケッパーで切っても全然かまわないし」
小鍋、カセットコンロ、水筒、木匙、あとは緑菜を持っていくつもりだが入れ物がないと持ち歩くのはつらいだろうな。
村長あたりに籠を借りるか、それとも二階の押し入れの中にリュックかなんか入っていないかな?
まあ、その辺は夜にでも考えるとして今はクルミのローストを作るかな、明日の荷物に入れたいし。
生のくるみに味をつける方法は割と簡単だ。
塩だけなら水と塩をフライパンに入れてよく混ぜた後に水分を蒸発させて細かい粉状の塩を作る。
あとはローストしたクルミにまぶせば完成だ。
塩以外、胡椒や香辛料を混ぜる場合にはローストしたクルミにオリーブオイルを混ぜて胡椒や香辛料をまぶす。
あとはフライパンで焦がさないように熱を通して、冷ませば完成だ。
今回は塩味だけなのと、村ではオリーブオイルが手に入らないので粉末状の塩を作ってフライパンで乾煎りしたクルミにまぶす形をとろう。
「マサトさん、もしかしてミーナたちがパンを作ってる間に何か新しい料理を作るつもりですか?」
おっと、ミーナの圧のある言葉が聞こえてきてしまった。
「いやいや、龍グルミをフライパンで言って塩を振るだけだから料理とも呼ばないよ」
種類としては卵かけごはんやインスタント食品にお湯を入れるようなものだろう。
焦がさないようにする火加減やフライパンをゆすり続けるなど、コツみたいなものはあるだろうがやるべきことは単純だ。
特に料理の天職持ちであるミーナなら言葉で説明するだけでも簡単にこなせてしまうだろう。
「本当にそうなんですか?」
「……まあ、そこまで言うなら二人がパンを作り終わったら作り始めるよ」
「いや、そうするならマサト兄ちゃんも一緒にパンを作ろうよ。切れ込みもどう入れれば龍グルミみたいな形になるのかもよくわからないし」
「そうですよ、一緒に作りましょう」
二人に諭される形でパン作りを一緒にすることになった。
まあ、パン作り自体が嫌いなわけではないからいいんだが、ミーナが作ったのと比べると明らかに質が落ちるから一人になった時に見ると落ち込むんだよな。
いや、今日の予定としては龍グルミでクルミパンを作ることになっているのでその面での予定は決まっているのだが。
村長にはかまどの作成、鍋の到着予定は伝えて、明日から動かせる人員を何人か紹介してもらったから、明日からはレイジと一緒に森に入って食料になる植物の説明と注意事項をすることになるのだが。
……昼飯をどうしよう。
そう、結局はそこに行きつく。
村人たちは基本的に朝飯と夜飯の二食しかとらないからそれに合わせれば問題ないといえば問題ないのだが、森歩きをした後に俺の腹が持つのかというのが問題だ。
かと言って、村人たちの前で気軽にホイホイ食堂を展開するのも嫌な感じがする。
「そんなに悩まなくても、マサト兄ちゃんが食べたいなら食堂を作って何か食べればいいと思うけど」
「ミーナも、現地で食料の味を教えてあげるのも大切だと思うよ」
確かに、これが食べられるって言っても味がわからないようじゃ真剣には話も聞かないだろう。
「でもなあ、俺たちはこれからこの村から旅立つわけだろ? その時にこんな便利なものがあるならこれからもこの村にいてくれって言われたときに断りづらいだろ?」
レイジとミーナがこの村の出身じゃなければ、あるいは俺一人での旅ならば、そんなこと知るかっ、で済んだかもしれないが、この村は二人の生まれ故郷だ。
いい思い出が少ないとはいえ少しはあるだろう。
両親と過ごしたこの村を簡単に見捨てて旅に出られるとは思えないし、表面上はなんてことない風に装っていても心の内は分からない。
「んー、じゃあ今日作ったかまどみたいに外で火を使えるような道具はないの?」
「そうですよ。それを一日のうちに少しの間しか使えない、とか言っておけばみんなもそれほど興味はひかれないんじゃないですか」
なるほど、食堂なら探せば鍋物用のカセットコンロの一つもありそうだし探してみるかな。
「いいな、それ。何かないか探してみるよ」
ちなみに二人は龍グルミを割ってくれている。
龍グルミも畑に植えるつもりではいるが、異界のレシピで調べてみれば一冬程度、湿気を与えてからじゃないと発芽しないとか、土中で他の作物に対して有毒な物質を生成するとか出てきていたので畑に植えるのはいったん保留して一部以外はパンに使ってしまうことにする。
「マサト兄ちゃん、本当にここにあるのは全部割っちゃっていいのか?」
「そうですよ、マサトさんも一つくらい割りませんか?」
「いいんだよ。二人が帰った後にやってみたけど割れる気がしなかったから」
流石は龍グルミ、俺ごときの力では割るどころかひびの一つも入らなかった。
さて、二人が気の毒そうな目で俺のことを見ているけれど気にしないでカセットコンロを探すかな。
あとは、持ちやすい大きさの鍋と水を入れた水筒、適当な木匙と緑菜でも持っていけばいいかな。
お、よしよし、おあつらえ向きに一人鍋用のカセットコンロとアルミ鍋が置いてあるな。
あとは、持ち帰り用の竹筒水筒に竹の皮で作ってあるおにぎり用の包み紙か。
包み紙は使い道はないが、そのほかのものは使えそうだな。
いや、手伝いに来てくれる村人は四人だったから一人用のアルミ鍋じゃあ、味見程度にしても小さいか。
やっぱり、食堂から小鍋を持っていくのが一番かな。
「マサト兄ちゃん、龍グルミは全部割ったよ」
「マサトさん、これからどうするんですか?」
「じゃあ、これをパンに混ぜるか。半分くらいは炒めて塩を振って村人に食べてもらおう」
水と塩は手に入るから塩味のローストしたくるみは作成可能だろう。
「パンに龍グルミを混ぜるのか、甘くなるのかな?」
「熱が通るから生の時よりは甘みは減るだろうな、でも、硬くなるからパンの柔らかさとクルミの硬さで食感は面白くなるぞ」
まあ、その食感の違いで好き嫌いも結構わかれるパンだとは思うが。
牛乳が手に入ればその分甘味は増すんだろうけど、ないものねだりをしても仕方がないしな。
「生のくるみを混ぜるのは具合が悪いみたいだから、あらかじめ龍グルミはオーブンでローストすることにしよう。天板にクッキングシートを敷くから重ならないように並べてくれるか?」
オーブン自体はパン焼きでいつも使っているので二人にとっては慣れた作業だ。
二人に出すだけなら、パンもいろいろな種類が作れるのだが、村人に見られる可能性がある以上この村で手に入らない素材はなるべく使わないほうが無難なんだろうな。
「十分くらいで焼きあがるから、先に生地を作っておくか。生地ができたら醗酵する前にクルミを混ぜてよく捏ねたら醗酵だ。何かを混ぜると捏ね方が不十分になることがあるからよく捏ねてくれよ」
最近は、レイジとミーナに任せっぱなしにして申し訳ない気持ちもあるのだが、二人に任せた方が美味しいものができるのと二人がやりたいと言ってくるので甘えてしまう。
まあ、俺は俺で龍グルミをローストして塩味でもつけておこうかな。
「マサトさん、龍グルミでパンを作る場合の注意点って他にはないんですか?」
「そうだな、あんまり入れすぎるとパンが膨らまなくなるっていうのと、クルミやドライフルーツなんかは熱いうちに生地に入れるのはダメってくらいかな。あとは、パンを焼く前に切れ込みを入れておくのも重要みたいだ」
「切れ込み……ですか?」
「外見をクルミの形に似せるためとも、中まできちんと火が通るためとも言われているな。何も入っていないパンと比べればクルミの分、パン生地への熱の入り方が不均一になるから見た目にこだわらなくても切れ込みは入れたほうがいいんだろう」
まあ、見た目からしても普通のパンと見分けるために形を変えておくのは大事なことだとも思うが。
「マサト兄ちゃん、切れ込みはナイフで入れるのか?」
「ナイフでもいいし、キッチン専用のハサミで切ってもいいぞ。パン生地を分けるときに使ってるスケッパーで切っても全然かまわないし」
小鍋、カセットコンロ、水筒、木匙、あとは緑菜を持っていくつもりだが入れ物がないと持ち歩くのはつらいだろうな。
村長あたりに籠を借りるか、それとも二階の押し入れの中にリュックかなんか入っていないかな?
まあ、その辺は夜にでも考えるとして今はクルミのローストを作るかな、明日の荷物に入れたいし。
生のくるみに味をつける方法は割と簡単だ。
塩だけなら水と塩をフライパンに入れてよく混ぜた後に水分を蒸発させて細かい粉状の塩を作る。
あとはローストしたクルミにまぶせば完成だ。
塩以外、胡椒や香辛料を混ぜる場合にはローストしたクルミにオリーブオイルを混ぜて胡椒や香辛料をまぶす。
あとはフライパンで焦がさないように熱を通して、冷ませば完成だ。
今回は塩味だけなのと、村ではオリーブオイルが手に入らないので粉末状の塩を作ってフライパンで乾煎りしたクルミにまぶす形をとろう。
「マサトさん、もしかしてミーナたちがパンを作ってる間に何か新しい料理を作るつもりですか?」
おっと、ミーナの圧のある言葉が聞こえてきてしまった。
「いやいや、龍グルミをフライパンで言って塩を振るだけだから料理とも呼ばないよ」
種類としては卵かけごはんやインスタント食品にお湯を入れるようなものだろう。
焦がさないようにする火加減やフライパンをゆすり続けるなど、コツみたいなものはあるだろうがやるべきことは単純だ。
特に料理の天職持ちであるミーナなら言葉で説明するだけでも簡単にこなせてしまうだろう。
「本当にそうなんですか?」
「……まあ、そこまで言うなら二人がパンを作り終わったら作り始めるよ」
「いや、そうするならマサト兄ちゃんも一緒にパンを作ろうよ。切れ込みもどう入れれば龍グルミみたいな形になるのかもよくわからないし」
「そうですよ、一緒に作りましょう」
二人に諭される形でパン作りを一緒にすることになった。
まあ、パン作り自体が嫌いなわけではないからいいんだが、ミーナが作ったのと比べると明らかに質が落ちるから一人になった時に見ると落ち込むんだよな。
5
お気に入りに追加
610
あなたにおすすめの小説

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる