復讐を誓った亡国の王女は史上初の女帝になる

霜月纏

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陰謀篇

第56話 学園──新入生歓迎会

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 学園に向かうと門の前でユダーナとレイネーが待っていた。私は優雅であることに気をつけながら可能な限り速歩きで二人の元へ歩み寄る。本当なら駆け寄りたいところだが、学園には多くの貴族令息令嬢が居るので付け入る隙きを見せるわけにはいかないらしい。正直ここまでする必要はないと思うのだが、ルーシーとメフィアはこればかりは絶対に譲ってくれないので私が折れることにした。


「お待たせしました」

「いえ、僕たちも先程来たばかりですから。では……」


 そう言ってユダーナは私の前にスッと腕を差し出す。


「? えっと……ユダーナ様?」

「僕でよろしければ、エスコート致します。王女殿下」


 私が首を傾げているとユダーナがそう言う。そう言われて漸く、ユダーナに新入生歓迎会のエスコートをお願いしていたことを思い出した。私は差し出されたユダーナの腕に自分の腕を絡める。


「お願いします」


 突然の密着に顔に熱が集まっているのがわかる。私は恥ずかしくて、少しでも顔が赤いのを見られないように俯いた。そしてユダーナが歩き出すのを待つ。しかしいつまで待ってもユダーナが歩き出す気配はない。私は不思議に思って、こっそりユダーナの顔を見た。その瞬間、ユダーナと視線が合う。


あ、睫毛が長い……


 それがユダーナと至近距離で顔を突き合わせて最初に思ったことだった。そして次に考えたのが、いつ目を逸らせば良いのか……だ。前世を含め、男子と至近距離で顔を突き合わせた経験がない私には、目を逸らすタイミングと言うものがわからない。そのまま目を逸らすタイミングが掴めないまま、私はユダーナの目を見つめ続ける。ユダーナも私の目を見つめたまま瞬き一つしない。


「ゴホンッ!」


 メフィアの咳払いでユダーナがようやく瞬きをして目を逸した。それと同時に私も目を逸らす。その瞬間、ユダーナと至近距離で顔を突き合わせていた恥ずかしさが募ってきた。先ほどとは比べ物にならない程の熱が顔面に集中している。耳まで熱くなっているのが自分でもわかった。


「あのぉ……」


 背後から聞こえたレイネーの声でハッとした私はバッと振り返る。するとレイネーが苦笑いして私とユダーナを見ていた。


「そろそろ新入生歓迎会に参りませんか?」


 そう言われて学園の時計塔に視線をやると、ユダーナに腕を絡めてから既に一刻十五分が過ぎていた。


嘘っ! 十五分も見つめ合ってたの?!


 ユダーナもそれほどの見つめ合っていたとは思っていなかったようで、焦ったように速い足取りで会場へ向かう。





「ここが会場です」


 そこは既に何度も通ったことのある廊下だった。唯一記憶と違っているのは、壁だと思っていた部分に突如として大きな扉が出来上がっていることだ。


「こんな大きな扉、今日の昼にはなかったのに……」

「魔法ですよ。この部屋は資格のある者が願うと現れる部屋で、現れるときも求めた通りの広さで必要な道具が揃って現れます」

「へぇ……」


 まさに魔法の為せる技と言える技術を目の当たりにした私はただ感嘆の声を上げる他なかった。


「では、参りましょうか」


 そう言われ、私はユダーナにエスコートされて会場に足を踏み入れる。その瞬間、門の両端に立っていた警備が大きな声で私の入場を告げた。


「王女殿下のお成り!」


 まるで時代劇のような言い方に笑いそうになる。しかしそれも束の間だった。私の来訪を知った生徒たちが堰を切ったように私に押し寄せ、次々に挨拶をしていく。私は言質を取られないように細心の注意を払いながら、生徒たちの挨拶を受け流す。


「王女殿下、お疲れでしょう。お飲み物をお持ち致します」


 生徒たちの挨拶の波に終りが見えてきた頃、ずっと私の側に居たユダーナが言った。そう言われると突如、喉がが渇いたような気がする。実際、入場してからずっと生徒たちの挨拶に応じていたから何も口にしていない。私がユダーナの提案に頷くと、ユダーナは人混みの中に消えて行った。私は消えていくユダーナの背中を見送って、再び生徒たちの挨拶に応じる。

 暫くして生徒たちからの挨拶が終わると、第二陣が来る前にとルーシーとメフィアの元へ歩いていく。二人は壁の花になりながら私の周囲を警戒をしていた。壁の花になりながらも警戒を怠らないのは流石としか言いようがないが、社交に消極的なのは頂けない。


「どうして二人とも壁の花になっているの?」

「メフィアが壁の花になっているので私もそれに倣って行動しているだけです」

「私は余計な人脈を作りたくないので」


 そう冷静に言ったのは最も社交経験のあるメフィアだった。メフィア曰く、言質を取られなかったとしても、顔を合わせたことがあるだけで助けを求められたりすることがあるのだそうだ。そして、そんな無礼なことをする者の頼みは基本的に碌なことではないのだとか。そう言われてみると、確かにまだ人格もわからないのに挨拶などを受けるのは愚の骨頂とも思えた。


私もそうしようかな…………面倒だし


 そう考えていると、メフィアは私が何を考えているのかに気づいたようで、即座に私の考えを却下する。


「王女殿下、これは私のような一介の下位貴族の場合です。王女殿下のような尊い身分にいらっしゃる方には基本的にそのような事態は起こりませんし、例えそのような事態になっても無視して構いません。なので挨拶は必ず受けて下さい」

「……はい」


 そう言われてしまうと流石にメフィアやルーシーに倣って挨拶を受けないなどということは出来ない。私は少し残念に思いながらも、メフィアの言葉に頷いた。


「それにしてもユダーナ様は遅いですね」

「そうですね。先程、席を外してから戻って参りませんね。どこかの御令嬢と逢瀬をしているのでは?」


 ルーシーが心配そうな表情を演技臭く浮かべて、チラチラと私を見ながら言い出した。私は驚いて「飲み物を取りに行っただけです!」と言う。少し声が大きかったのか、一瞬だけ周囲の視線が私に集まった。


「あ……ほほほ、失礼致しました」


 私は周囲の人に軽く謝罪をして誤魔化すとルーシーを睨みつける。しかしルーシーは何事もなかったかのようにしれっとした表情を浮かべた。その隣でメフィアが顔を逸して肩を小刻みに震わせている。


「……フィー?」


 私が声をかけるとメフィアの肩がビクッ跳ねる。そして私の顔を見たあと、すぐにまた顔を逸して肩を震わせた。


こいつら……


 そう思いながらも、どうしても叱る気になれないあたり、私は結局二人には甘いのだろう。そう思い、仕方ないと叱るのを諦めた。


「それにしても本当に遅いですね。逢瀬は冗談だとして、何をなさっているのでしょうか?」


 ルーシーが真面目な顔で言う。私は少し心配になって会場を見渡す。会場内では馬車が通るわけでも、不審者がいる可能性があるわけでもないので、心配も何もないのだが、それでも戻りが遅いと心配だ。それに気のせいか胸がざわざわして、何かが起こりそうな予感がする。そんな考えが頭を過ぎった瞬間、ことは起こった。


「王女殿下の側近とは思えない言動ですわ!」


 ヒステリックな声が会場中に響く。


────王女殿下の側近


 今現在、それを肩書きにしているのはルーシー、メフィア、ユダーナの三人だけだ。そしてルーシーとメフィアは私と共に壁の花となって無駄話に興じていた。つまり騒動の中心地にいる『王女殿下の側近』は必然的にユダーナということになる。

 私は足早に騒動の中心地へ歩いていく。生徒たちは私たちが歩いていくのを見て、モーセの海割りのように騒動の中心地までの道を開ける。騒動の中心地に着くと、ユダーナが一人の令嬢からレイネーを庇うように立ち塞がっていた。


「何をしているの?」

「王女殿下!」


 令嬢は私を見るなりカーテシーもしないで私の側に駆け寄る。そして袖を掴んで涙で濡れた目で上目遣いをして、今にも泣き出しそうな金切り声で訴えた。


「私、フェルシス嬢が王女殿下に付き纏っているという噂を耳にして、王女殿下のご迷惑になるようなことは控えるようにと注意したのです。そうしましたら、ユダーナ様がフェルシス嬢は王女殿下が認めたご友人だと仰って私が礼を欠いていると非難したのです!」


 そう言って令嬢は目に溜まった涙を一滴、一滴と流す。その姿はまさに虐められた不憫な女子生徒そのものだった。


普通なら慰めるところよね……普通なら…………


 そう思ったものの、どうしても令嬢の話に集中出来ない。それは別に私が意図して令嬢の話を聞こうとしなかったからという訳ではない。只々、令嬢の化け物のような姿に圧倒されて、何も耳に入らなかったのだ。

 学園の女子生徒の制服は、白を基調とした清廉な意匠デザインのブレザーと真っ黒のプリーツスカートだ。胸ポケットには王立学園の校章が縫い付けられ、ボタンは一つ一つに略章が刻まれ、ラペルと袖には黒のラインが刺繍されている。

 しかし目の前に居る涙目の令嬢が着ている制服は、もはや本来の制服など見る影もないほどに改造されていた。ディープピンクを基調としたブレザーとフリルスカート。本来なら黒のラインが刺繍されている部分にはマゼンダ色のレースフリルを大量に使い、そのフリルのせいで隠れている王立学園の校章はロイヤルブルーの糸で縫い付けられている。ボタンは全てに略章が彫刻され、その凹凸部分に金を流し込んで金色の略章が刻まれたボタンになっていた。

 そして何よりもキツイのが本人だ。全身に付いた脂肪。何もしていなくても浮かんでいるセルライト。脂ぎってニキビだらけの顔面。ベトベトで全く洗っていないように見える髪。半径一メートルの距離で臭う酸味の強い体臭。ドブに捨てられた生ゴミが腐敗したような口臭。それが自分の袖を掴んでいると考えるだけで気持ち悪くなって吐き気がする。

 出来れば人のことを悪く言いたくないが、この令嬢だけは生理的に受け付けない。私の後ろに控えているルーシーとメフィアも顔色が悪くなっていた。


「す、少し離れて下さる?」


 私はそう言って令嬢から距離を取る。すると令嬢は悲しそうな目で私を見て、私が後ずさった分だけ前に歩み出る。つまり私と令嬢の距離は変わらなかった。私が一歩下がると令嬢が一歩前に進むのだ。私は三歩ほど下がった頃に仕方ないと諦め、少しでも匂いが来ないようにと懐に入れていた扇を取り出して口元を隠す。それだけでも匂いが改善された。私は悪臭から開放されたくて、さっさと問題を解決させようと話を進めた。


「この騒動の発端はフェルシス様が私に付き纏っているという噂によるものだと言うことですが、彼女は私の友人で行動を共にしていただけです。迷惑になど思っていません」

「そんなっ!」

「そしてユダーナ様の礼を欠いているという発言ですが、先程からの貴女を見ている限りでは、礼を欠いていると言うのは少々語弊があるかもしれません」

「そ、そうですわ! 私のどこが……」

「貴女の場合、礼を欠いているのではなく、礼儀を全く知らないと言います」

「んなっ!」

「王女である私を見て、真っ先にカーテシーをしないで縋り付くのは無礼にもほどがあります。更に私が話している時に割り込むのもマナー違反です」

「それは悲しみのあまりで……」

「令嬢たるもの、感情に振り回されてはなりません。それが淑女のマナーです」


 私はそれだけ言うと、会場の警備を呼んで令嬢を連れて行かせる。令嬢は必死に抵抗したが、警備に引きずられるように会場を後にした。令嬢が会場から出て行った瞬間、悪臭から開放された生徒たちが深呼吸をする。私はそんな生徒たちの様子に苦笑した。

 少しして事態を聞きつけた教師たちが来て、状況を把握しようと生徒たちに事情を聞く。生徒たちは右も左も分からないまま、聞かれたことに対して見たままの情報を忠実に答えていた。だからか、状況の食い違いが殆どなく、事情聴取はすぐに終わった。


「大丈夫ですか?」


 騒動が収まった私はレイネーの元へ駆け寄る。普段なら走ったりすれと叱るメフィアも、今だけは目を瞑ってくれるようで何も言わない。


「王女殿下、私の為に弁明して下さり感謝致します」


 レイネーは私に礼を言うと丁寧にカーテシーをした。ユダーナはそんなレイネーを心配そうな目で見つめている。


「それにしても、何故あのような噂が流れたのでしょう? まだ入学して二日ですよ」

「そうですね。意図的にフェルシス嬢を貶めようとしたとしか考えられません」


 ユダーナの言葉にギョッとする一部の上級生や教師たち。ユダーナの言葉が意味するのは、誰かがレイネーに────王女の友人に喧嘩を売ったということだ。


「誰が噂を流したのか、調べますか?」


 私が問うと周囲の上級生と教師たちがレイネーを凝視して、レイネーの返答に全神経を集中させた。レイネーは少し悩む素振りを見せた。その間も周囲から痛いほどの視線が注がれ続ける。


「今回に関しては調べないで下さいますか?」

「理由を伺っても?」

「可哀想だから……と言いたいところではありますが、本音は怖いから、ですね」


 その言葉に私は納得した。レイネーが望むのなら、私は必ず犯人を見つけ出す。犯人は王女の友人に敵対した者として広く周知されることになるだろう。貴族であるレイネーを批判するような噂を平民が流すはずがないので、犯人は必然的に貴族。つまり、犯人は見つかれば確実に社交界から追放される。社交界を追放された貴族は、王族の目に留まらない限りは悲惨な末路を辿ることになる。そんな状況に置かれた犯人がレイネーを逆恨みしないほうが可能性として低いだろう。

 それを理解している教師たちや上級生たちは納得の表情を浮かべていた。不思議そうな表情を浮かべていたのは平民の新入生くらいだ。貴族社会のあり方を知らないので当然といえば当然なのだが。


「では追求は止めましょう。ですが、今回の騒動でフェルシス様が私の友人だと大々的に公言しました。次に同じようなことがあれば、その時は容赦なく追い詰めるつもりです。それは理解しておいて下さい」


 私の友人だと公言したにも関わらず危害を加えると言うことは私に対する宣戦布告だ。黙ってやられているだけなどあり得ない。私はレイネーにそう伝えると会場を後にした。




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