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意地悪
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首のガーゼを外すと、まだ傷は完治してはいないが昨晩よりも良くなっていた。
これなら傷跡は残らなそうだ。
傷口付近を触っても痛みは無く、くすぐったいと言うので、無視して進める。
俺は新しいガーゼに張り替えて、そこをなぞる。俺らしくない。そう、感じてはいる。
ただ。
俺が最初からエリーとの関係を認めていれば、こんなことにはならなかった。
俺が拒絶したから、レイアは自分の身を張って証明しようとしたのだ。本気でこの関係を変えたいと、エリーと仲良くなりたいと。
俺がそこまで追い詰めてしまった。人を助ける立場だと言うのに。
エリーの言う通りだ。俺は何も変わろうとしなかった。全てを決めつけて、変わることを拒否した。エリーもレイアも、変わろうとしたのに。
「レイア。少し、聞いて欲しいことがある」
俺は両膝をついて謝罪した。これで許されるなんて思っていない。
ただ、言いたかっただけだ。俺のエゴだ。 自分勝手極まりないこの行動を、レイアは受け止めて許してくれた。
何回も謝られるのは性に合わないレイアだ。俺は見切りをつけて、元の体制に戻る。
顔に手を伸ばすと、またレイアの顔が赤くなる。それが面白くて、さっきの感情が湧き戻る。
少しイタズラしてやろうと顔を近づける。すると、レイアは目を瞑る。
そのまま手を頬に掠めて耳に伸ばす。熱い耳に触れたとき、レイアの肩が跳ねる。耳まで真っ赤になっていて、唇は小さく噛んでいる。
胸を小さな手で押されたが、俺の体はびくともしない。当たり前だ。俺は鍛えているし、ガタイも良い。一方、レイアの方は女の中でも小柄だ。
「…本当に、小さいな…」
俺は気になってレイアの身長を聞く。150ちょっとだと聞いて、俺と30センチも差があることに驚く。
そんな体で生きていけるのか。今まで死ななかったのは奇跡なのではないか。そう思えてしまう。
手は小さいし首も細い。肩幅は全然ないし、体は薄い。肌は全然日に焼けていない陶器のような白さと滑らかさで、女性特有の柔らかさが余計に拍車を掛ける。
もう少し揶揄おうとしたが、チャイムがなってしまう。
「ここまでか」
「こ、ここまで…?」
「時間だぞ、早く戻った方がいい」
そう急かすと、レイアは律儀にお辞儀をしてからグラウンドに向かった。
何だか貴族っぽくない奴だ。と思う。誰に対しても物腰低い態度で、使用人に対しても敬語を外さない。
それにしても、あんな反応をされるとは思わなかった。男に慣れてない、初々しい反応が楽しくてついちょっかいをかけてしまった。小さい子がやるようなことを、18のやつがやっているなんて馬鹿馬鹿しい。
何だか、俺の方が掌の上で遊ばれてないか?
そう思ったが、レイアはそんな気はさらさら無いのだろう。俺がただ勝手に振り回されているだけだ。
俺はこの時、レイアにかなり心を許していることを自覚した。
これなら傷跡は残らなそうだ。
傷口付近を触っても痛みは無く、くすぐったいと言うので、無視して進める。
俺は新しいガーゼに張り替えて、そこをなぞる。俺らしくない。そう、感じてはいる。
ただ。
俺が最初からエリーとの関係を認めていれば、こんなことにはならなかった。
俺が拒絶したから、レイアは自分の身を張って証明しようとしたのだ。本気でこの関係を変えたいと、エリーと仲良くなりたいと。
俺がそこまで追い詰めてしまった。人を助ける立場だと言うのに。
エリーの言う通りだ。俺は何も変わろうとしなかった。全てを決めつけて、変わることを拒否した。エリーもレイアも、変わろうとしたのに。
「レイア。少し、聞いて欲しいことがある」
俺は両膝をついて謝罪した。これで許されるなんて思っていない。
ただ、言いたかっただけだ。俺のエゴだ。 自分勝手極まりないこの行動を、レイアは受け止めて許してくれた。
何回も謝られるのは性に合わないレイアだ。俺は見切りをつけて、元の体制に戻る。
顔に手を伸ばすと、またレイアの顔が赤くなる。それが面白くて、さっきの感情が湧き戻る。
少しイタズラしてやろうと顔を近づける。すると、レイアは目を瞑る。
そのまま手を頬に掠めて耳に伸ばす。熱い耳に触れたとき、レイアの肩が跳ねる。耳まで真っ赤になっていて、唇は小さく噛んでいる。
胸を小さな手で押されたが、俺の体はびくともしない。当たり前だ。俺は鍛えているし、ガタイも良い。一方、レイアの方は女の中でも小柄だ。
「…本当に、小さいな…」
俺は気になってレイアの身長を聞く。150ちょっとだと聞いて、俺と30センチも差があることに驚く。
そんな体で生きていけるのか。今まで死ななかったのは奇跡なのではないか。そう思えてしまう。
手は小さいし首も細い。肩幅は全然ないし、体は薄い。肌は全然日に焼けていない陶器のような白さと滑らかさで、女性特有の柔らかさが余計に拍車を掛ける。
もう少し揶揄おうとしたが、チャイムがなってしまう。
「ここまでか」
「こ、ここまで…?」
「時間だぞ、早く戻った方がいい」
そう急かすと、レイアは律儀にお辞儀をしてからグラウンドに向かった。
何だか貴族っぽくない奴だ。と思う。誰に対しても物腰低い態度で、使用人に対しても敬語を外さない。
それにしても、あんな反応をされるとは思わなかった。男に慣れてない、初々しい反応が楽しくてついちょっかいをかけてしまった。小さい子がやるようなことを、18のやつがやっているなんて馬鹿馬鹿しい。
何だか、俺の方が掌の上で遊ばれてないか?
そう思ったが、レイアはそんな気はさらさら無いのだろう。俺がただ勝手に振り回されているだけだ。
俺はこの時、レイアにかなり心を許していることを自覚した。
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