悪役令嬢ですが、ヒロインが大好きなので助けてあげてたら、その兄に溺愛されてます!?

柊 来飛

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エヴェレット

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 エヴェレットはエリザベスとは違い、白髪を持つ。
 しかし髪質はエリザベスと同じで、少しふわふわとしており、目にかかるほどある長めの前髪を右側に流していてる。
 後ろは耳の辺りまで刈り上げていて、誰が見ても爽快感溢れる美青年だ。
 
 目はエリザベスよりも濃い碧眼で、サファイアのような瞳をしている。
 エリザベスはタレ目の二重だが、エヴェレットはつり目の二重。どちらも目が大きく目力が強い。

「嫌なものを見てしまいました…」

  エリザベスは額を抑えながら苦々しく口にする。

「……エリザベス、お兄様と仲良くないのですか?」

 ゲームでは相思相愛の仲良し兄妹だったのだが。

「仲が良いときもあります。が、それは大体外でのことで、喧嘩も一般家庭と同じような頻度でしますよ」

「そうなのですね…」

 エリザベスのことは自分とはかけ離れた高次元的存在だと思っていたが、喧嘩もするんだなと少し親近感が湧いた。自分一人っ子だけど。

「そういえば、昨日の家でのお話はどうなったのです?」

「あれは酷いものでした。わたくしが何回言っても聞く耳を持たず…レイアはそんな人では無いと何回言ったことか…。かなりの大喧嘩でした」

「そ、そんなに…」

 エリザベスの顔を見る限り、相当なものだったのだろう。一気に顔から生気が無くなる。私は何とか元気づけたくて、エリザベスの手を取る。

「大丈夫ですエリザベス。私、エリザベスが私のことを知っているだけで、とても嬉しいのです」

「レイア…!」

 ガバリとハグをされ、私は目を白黒させる。髪の匂いが、柔軟剤の匂いが香る。
 柔らかい体に抱きしめられ、私の手は行き場を失い宙を漂う。

「レイア、今日の放課後、お時間ありますか?」

「え、ええ。ありますけど…何かあるのですか?」

「わたくしの相談に乗って欲しいのです。今日の放課後、中庭に来て頂けたらとても嬉しいです」

「分かりました。必ず向かいます」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 予告通り中庭に行くと、そこには椅子に座ってクッキーを食べているエリザベスが居た。うん、とても絵になる。誰か描いてくれないかな。
 そう思いながら背後から声を掛ける。

「エリザベス」

「レイア!来てくれたのですね!」

 エリザベスは私を席に案内する。
 相席するような形で私も席に着く。
 エリザベスは少し目を伏せて、話を切り出す。



     「実は、わたくしー」
 
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