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兄妹喧嘩
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「助けるのに、理由が必要なのですか」
そう言った私を2人が見る。
その人はグッと口を歪ませた。
私は視線を外したら負けだと思い、瞬きもせずずっと相手の目を見据える。
「理由になっていなー」
「素晴らしいですわ!」
その人が言い切る前に、エリザベスが感嘆の声を上げる。
エリザベスは振り返ってキラキラと光る瞳で私の両手を握る。
「そう思えること、そして行動に移せること、とても素晴らしいと思います!」
エリザベスは手を握りながら笑顔で語る。
そしてフッと目を細めて、その人に視線を移す。角度のせいか、いつもキラキラと輝く瞳には光が無い。
「理由になっていないと仰いましたね、お兄様」
「理由は無いと言っているようなものだろ」
「ではお兄様。将来騎士団長になろうとも人が、人を見て助ける助けないを決めるのですか?理由がないと、人を助けないのですか?」
「そんなことー」
「何が違うのです?彼女は誰彼構わず助けると仰いました。お兄様、貴方はどうなのです?エヴェレット・ヴィクトリア・ノア」
力強い口調でその人のフルネームを呼ぶ。
その人は顔を顰めた後、ギリっと歯を食い縛る。
「分かった。今回はそう言う事にしてやる」
「往生際が悪いですね」
「…エリザベス、家に帰ったら話が必要だな」
「あら、同感です。エヴェレット」
ちょうどチャイムが鳴り響く。
その人は踵を返して医務室を出て行った。
出て行ったのを見送ると、エリザベスは「はあ」と大きなため息をつく。
「申し訳ございません。私の兄が大きなご迷惑をお掛けしました。恩人の目の前で兄妹喧嘩なんてはしたないことを…」
「いえ、信じてもらえて?良かったです」
こんなエリザベスを見るのは初めてじゃない。そもそもエリザベスはいつもは優しいが、間違っていることは間違っていると、自分の意思を貫き通す強さがある。
そこに私は心打たれたのだ。
しかし、目の前で行動されるとやはり迫力があるものだ。息も瞬きも忘れて魅入ってしまった。
「あの、貴女が良ければのお話なのですが、レイアと、お名前を呼ばせて貰ってもよろしいでしょうか?」
「も、勿論です!エリザベス様」
「嬉しいです!では、私のこともエリザベスと、名前で呼んでください!」
「え、エリ、エリザベス」
「そうでございます!」
ニコニコと笑うエリザベスとは裏腹に、私はとても緊張していた。
大好きなキャラに名前を呼ばれ、大好きなキャラを本人の前で呼び捨てで!こんなの心臓が持たないぞ!
「これからよろしくお願いします、レイア!」
「こちらこそよろしくお願いします。エリザベス」
そう言った私を2人が見る。
その人はグッと口を歪ませた。
私は視線を外したら負けだと思い、瞬きもせずずっと相手の目を見据える。
「理由になっていなー」
「素晴らしいですわ!」
その人が言い切る前に、エリザベスが感嘆の声を上げる。
エリザベスは振り返ってキラキラと光る瞳で私の両手を握る。
「そう思えること、そして行動に移せること、とても素晴らしいと思います!」
エリザベスは手を握りながら笑顔で語る。
そしてフッと目を細めて、その人に視線を移す。角度のせいか、いつもキラキラと輝く瞳には光が無い。
「理由になっていないと仰いましたね、お兄様」
「理由は無いと言っているようなものだろ」
「ではお兄様。将来騎士団長になろうとも人が、人を見て助ける助けないを決めるのですか?理由がないと、人を助けないのですか?」
「そんなことー」
「何が違うのです?彼女は誰彼構わず助けると仰いました。お兄様、貴方はどうなのです?エヴェレット・ヴィクトリア・ノア」
力強い口調でその人のフルネームを呼ぶ。
その人は顔を顰めた後、ギリっと歯を食い縛る。
「分かった。今回はそう言う事にしてやる」
「往生際が悪いですね」
「…エリザベス、家に帰ったら話が必要だな」
「あら、同感です。エヴェレット」
ちょうどチャイムが鳴り響く。
その人は踵を返して医務室を出て行った。
出て行ったのを見送ると、エリザベスは「はあ」と大きなため息をつく。
「申し訳ございません。私の兄が大きなご迷惑をお掛けしました。恩人の目の前で兄妹喧嘩なんてはしたないことを…」
「いえ、信じてもらえて?良かったです」
こんなエリザベスを見るのは初めてじゃない。そもそもエリザベスはいつもは優しいが、間違っていることは間違っていると、自分の意思を貫き通す強さがある。
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しかし、目の前で行動されるとやはり迫力があるものだ。息も瞬きも忘れて魅入ってしまった。
「あの、貴女が良ければのお話なのですが、レイアと、お名前を呼ばせて貰ってもよろしいでしょうか?」
「も、勿論です!エリザベス様」
「嬉しいです!では、私のこともエリザベスと、名前で呼んでください!」
「え、エリ、エリザベス」
「そうでございます!」
ニコニコと笑うエリザベスとは裏腹に、私はとても緊張していた。
大好きなキャラに名前を呼ばれ、大好きなキャラを本人の前で呼び捨てで!こんなの心臓が持たないぞ!
「これからよろしくお願いします、レイア!」
「こちらこそよろしくお願いします。エリザベス」
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