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憧れた君と始まりを迎える

そして

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しばらくしてから、私たちの学校には密かに調査が入った。魔族の反応が短期間で2回も出たからだ。

どこからか情報漏洩したらしく、それを知った人が面白おかしく広めて話題になった。今まではなかったのにと驚いている人も多かった。

もちろん誰も何が起こったのかは知らない。私とアレン以外は。
アレン、この呼び方は少し照れる。


私たちの関係はお察しの通り、恋人と呼ばれるそれになった。
そして、あの淫らな悪夢はもう見ていない。本当は多少見たのだが、試験が終わってサクッとイチャイチャしたら見なくなった。

それはそれで少し残念に思ってしまう自分もいる……。


因みに私たちはあの密室事件の後、何とか卒業試験に合格し無事に卒業し進学した。私たちはそのまま同じ系列の大学へと進んだ。通った高校が附属だったからだ。

多分、卒業かかった試験があると繰り返していた為、試験結果が気になった人もいるだろうから伝える。


アレンとの仲を応援していたアンナは付き合ったのを知ると喜んでいた。ただどうもじれじれとした面倒なやり取りを見るのが楽しかったらしく、付き合ってしまったから今後は見れなくなるのを危惧し、少し残念がってもいた。だた私たちの付き合っても相変わらずしどろもどろな様を見ると、また見れるのかと一層喜び始めた。

なんだか失礼だなと思ったが、気にしないことにする。


実はアレンのご両親は、魔族関連の事件を取扱う仕事をしているらしい。前々から魔族反応があったのを気にしていたそうだ。中々地位のある人らしく今回の調査は率先して行ったそうだ。

それでも調査を始めるのに時間がかかったと悔しそうにしていたそうだ。

そして何とか原因となった魔族の尻尾を掴んだらしい。
どのようにして反応を検知するのかとかは政府秘密らしく、アレンも教えてはもらえなかったみたい。

やっの思いで魔族から話を聞き出し、その内容から私たちが被害者だとわかったらしいが、何が起こったのかは何もわからなかったそうだ。私もアレンくんも取調に対して、申し訳ないが出来事が出来事なために、仄かし程度でしか答えられなかった。

何とか政府機関が接触出来た原因の魔族も、アレンと私の外見の情報以外では、「オレ ヤサシイ」という言葉しか言わなかったそうだ。

優しいとはなんだ。と思うが、確かに私たちにとってキューピット的な存在であることに違いはない。

その後またその魔族の足跡を見失い、結局何も解決しないまま終わった。正直、深掘りされる前に終わってホッとした。


今日は、アレンと付き合ってから1年目だ。
最高に可愛い格好をして、待ち合わせ場所に向かう。

相変わらず美しいアレンくんがそこにはいた。

「アレンくん、今日も世界一素敵だね!」
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