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憧れという君はこっちを見ない
心臓4
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馬鹿みたいに泣いたことで逆に落ち着いてきた。不安そうなアレンくんのことを安心させないと。
ニッと笑ってアレンくんのことを見た。
「アレンくん、感情的になってごめんなさい。もう平気。ハンカチもありがとう。」
使ってないのをそのまま返した。
まだ不安そうに瞳を揺らしているアレンくんは、不服そうにハンカチを受け取った。
使わなくてごめんね、アレンくん。
考えても考えてもわからない。
どうにでもなれ。でも、アレンくんのことを汚さない範囲で、どうにでもなれ。
そんな投げやりな気持ちになってくる。
今の私は、確実に喜怒哀楽が激しい。
さっきまで泣いていたのに、今度は笑ってる。アレンくんは私のことどう思うんだろう。
変人?変態?
どう思われたっていい。仕方ない事実なのだから。
それに私は、ファンで、影から褒める人で、崇拝者で、危なくないストーカーで、アレンくんに認知されるだけ烏滸がましい人間なんですから。
「あの資料で追い詰めてたらごめんね。」「謝らないでアレンくん。アレンくんは何も悪くない。」
すかさず否定する。
アレンくんは私が欲しかった情報をくれた。それで追い詰められてた時があったとしても助かったんだ。
それに今思えば、約2ヶ月前のあれなんて、周りに言いふらされても仕方がなかった。何人が信じるかわからないが。
それに下着を脱いでアレンくんに迫ったりしてあの時は軽蔑しただろうに、あれ以降より丁寧に接してくれてる。アレンくんは優しい。美しいだけでなくて誰よりも優しいのですね、アレンくん。素敵です。
頭の中ごちゃごちゃする。
どうしよう、うん、わからない。
わからないことはわかった。
まだまだ頭の中ごちゃ混ぜな状態だったが、とりあえずは自己完結した。その状態でアレンくんのことを見ると不満そうな顔になった。
何でアレンくんはそんな顔するの?
良くわからなくて、やっぱりここから逃げたくなった。
卑怯だけど話を切り上げよう。
「今日は、泣いて乱しちゃったからやっぱり後日また話そう。」
手を振っていつも通り強制的に終了させようとした。もうこれは癖なのかもしれない。アレンくんに対してかなりの頻度で発動する最低な癖。
私が手を振ると、アレンくんの不満そうな顔がさらに深まって、眉間にシワがより始めた。
それでも美しいよ。アレンくん。
でも、私にそんな様々な顔向けるのは勿体ないよ。
「あ、アレンくん笑顔の方がイケメンだよ!今も素敵だけど」
笑って?
訳わからなくなって、笑って欲しくて、せめてただの真顔になって欲しくてとりあえず褒めた。
私のせいで怒ってる…よね?
多分、怒ってるんだよね?
今度は私が不安になった。
とてもじゃないけど、荷物持ってその場を去れる雰囲気じゃなくなった。
「リリアナさんはいつもそうだよね。」
アレンくんの声はさっきの不安そうな声と打って変わって冷たかった。
ニッと笑ってアレンくんのことを見た。
「アレンくん、感情的になってごめんなさい。もう平気。ハンカチもありがとう。」
使ってないのをそのまま返した。
まだ不安そうに瞳を揺らしているアレンくんは、不服そうにハンカチを受け取った。
使わなくてごめんね、アレンくん。
考えても考えてもわからない。
どうにでもなれ。でも、アレンくんのことを汚さない範囲で、どうにでもなれ。
そんな投げやりな気持ちになってくる。
今の私は、確実に喜怒哀楽が激しい。
さっきまで泣いていたのに、今度は笑ってる。アレンくんは私のことどう思うんだろう。
変人?変態?
どう思われたっていい。仕方ない事実なのだから。
それに私は、ファンで、影から褒める人で、崇拝者で、危なくないストーカーで、アレンくんに認知されるだけ烏滸がましい人間なんですから。
「あの資料で追い詰めてたらごめんね。」「謝らないでアレンくん。アレンくんは何も悪くない。」
すかさず否定する。
アレンくんは私が欲しかった情報をくれた。それで追い詰められてた時があったとしても助かったんだ。
それに今思えば、約2ヶ月前のあれなんて、周りに言いふらされても仕方がなかった。何人が信じるかわからないが。
それに下着を脱いでアレンくんに迫ったりしてあの時は軽蔑しただろうに、あれ以降より丁寧に接してくれてる。アレンくんは優しい。美しいだけでなくて誰よりも優しいのですね、アレンくん。素敵です。
頭の中ごちゃごちゃする。
どうしよう、うん、わからない。
わからないことはわかった。
まだまだ頭の中ごちゃ混ぜな状態だったが、とりあえずは自己完結した。その状態でアレンくんのことを見ると不満そうな顔になった。
何でアレンくんはそんな顔するの?
良くわからなくて、やっぱりここから逃げたくなった。
卑怯だけど話を切り上げよう。
「今日は、泣いて乱しちゃったからやっぱり後日また話そう。」
手を振っていつも通り強制的に終了させようとした。もうこれは癖なのかもしれない。アレンくんに対してかなりの頻度で発動する最低な癖。
私が手を振ると、アレンくんの不満そうな顔がさらに深まって、眉間にシワがより始めた。
それでも美しいよ。アレンくん。
でも、私にそんな様々な顔向けるのは勿体ないよ。
「あ、アレンくん笑顔の方がイケメンだよ!今も素敵だけど」
笑って?
訳わからなくなって、笑って欲しくて、せめてただの真顔になって欲しくてとりあえず褒めた。
私のせいで怒ってる…よね?
多分、怒ってるんだよね?
今度は私が不安になった。
とてもじゃないけど、荷物持ってその場を去れる雰囲気じゃなくなった。
「リリアナさんはいつもそうだよね。」
アレンくんの声はさっきの不安そうな声と打って変わって冷たかった。
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