憧れの君と密室に閉じ込められたけど性愛じゃないから逃げないで!

真冬のラズビ

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憧れという君はこっちを見ない

賭け4

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「アレン、おはよう
何でため息ついてるの?」

アンナだ。
2年生の頃1年間だけ同じクラスになった女子。他よりも多少話だが、ただそれだけの子。

そしてリリアナと仲良くて、よくリリアナが後ろに引っ付いた状態で俺に挨拶してた、気がする。あの密室でリリアナと俺にあった出来事含め、リリアナと俺の間の出来事について何か知っているのかと思ったが、何も知らないようだった。

少し安心すると同時に、2人とも誰にも言わなければ無かったことにできる出来事なんだと悲しくなる。

こんなのは変だけれども。

リリアナ的には助かるのかも知れないが残念に思う。やっぱり変だ。


「まあね。」
「最近リリアナとどう?」

どう?って何。

「リリアナさん忙しいみたいだね。」
「あの子、『暇』『暇』って毎日の様に連絡して来るのに?」
「そうなんだね。」

微笑んでその場を去ろうとした。

「待って待って、最近勉強会は?もう開催するのやめたの?」
「リリアナさんも一人で勉強できるから俺の助けはいらないと思うよ」
事実、彼女は教えると1度で理解し頭が良かった。
勉強会の時は、どうしてもわからない問題を解説するとき以外、互いに黙々と解いていた。

「あの子1人でやるかな…」
アンナが信用できないとでもいう顔で不安そうにしている。

そこまでも心配するのなら、アンナが一緒に勉強すればいい。
そう思ったが口には出さなかった。

「きっと平気だよ」
「そうね、ところでその様子だと最近あの子と話していないよね?私、2人で話せるようにするから、リリアナと2人で話してみる?」
「大丈夫、ありがとう」

断るしかない。仕方ない。

何もなかったら一切の接触はしないと決めたし、第一全力で避けてくる女の子のことをどう捕まえればいいんだ。

アンナにだって多分これは難しい。
あの猫みたいに不可解な動きをするリリアナのことだから。

今度こそ教室に向かって歩き出した。
アンナは何か言いたそうだったけど、知ったことじゃない。


本当何でこんなにも体が重いんだろう。
何で何だろうな。

多分この理由はきっと…否、知っちゃいけない。考えない。

知らないうちに、知らない感情が芽生えたなんて考えちゃいけないんだ。


もう終わったんだ。

全て終わったんだから。
でも、もう1度偶然リリアナに会えたならば。
期待してしまう自分もいる。

考えれば考えるほど深みに嵌っていく。
こんなこと考えるの止めないと。

終わったことなのだから。
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