憧れの君と密室に閉じ込められたけど性愛じゃないから逃げないで!

真冬のラズビ

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憧れという君はこっちを見ない

賭け2

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1ヶ月半前のことについて、
言動からして何かあったのはバレバレなのに。一応リリアナとしては無かったことにしたいのか、知らないとでも言うような態度で過ごしている。その為、実はなかったのではと錯覚したくなる時もある。

錯覚しそうになるのではない、したくなるのだ。自分があまりにも滑稽に思えるから。

正直、無かったことにしたい気持ちもわかる。

けれども、この1ヶ月半の悪化した挙動不審な態度と今も学校の鞄に入れてあるコンドームが事実であることを証明してしまっている。

挙動不審な態度についてだが。
実は1ヶ月半前の密室での出来事以前から意味不明な態度や不快な程の世辞や褒めの言葉を受けていた。そのため、悪化したのかどうかは少し自信ないが、でも今ほど目に付くようにはなった。

俺がただただ気にし過ぎているだけ、なのかも知れない。


ただリリアナは、勉強会している時によくミルクティーを持ってきているのだが、1度『リリアナさん、ミルクティー好きなの?』と聞いたら『そう、大好き!』と言った後に真っ赤になって『嘘!』と言われた。

正直に可愛いと思った。
俺は嘘はつかない。あの時のリリアナは確かに可愛かった。

問題は可愛い事ではなくて、ミルクティーは密室に閉じ込められた時に媚薬が混ぜられてた曰く付きの思い出の飲み物だ。確かそうだった。俺はなんだったかな。炭酸飲料だった気がする。

1ヶ月半前のことを無かったことにしたいのなら、普通は冷静装い『大好き!』と答えたのを否定すべきではなかった。
それを態々『大好き』と答えた後に否定するのは、『何かありますよ!』と言ってるようなものだ。

リリアナがいくら密室に閉じ込められて、俺と性行為をした過去を消そうと思っても、もう起こってしまった過去は消せない。
何度も思った、抗うのを諦めればいいのに。

考えれば考えるほど、
自分がリリアナに執着してきているのを認識してしまって悔しくなる。

そして避けられているのに、
色んなきっかけを作って話しかけているのが、強く追い求めているようで非常に滑稽だ。恥ずかしく感じる。


ただ俺はリリアナの態度を責めてばかりいるが、こっちにも反省すべき点はある。

今のリリアナが壁のある姿勢だとしたら、俺自身だって少し前までリリアナに対して適当な態度を取っていた。恐らく俺自身も壁を築いていた。

反省はするが、それにしてもリリアナの態度は酷いと思ってしまう。自己中心的だが、やっぱり思ってしまう。

どうにかならないのだろうか。と。
焦燥感や苛立ちすら覚える。
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