10 / 35
憧れの君は遠くから見つめてたいの
図書館2
しおりを挟む
え!?!?!?
な、なんですと!?!?!?
遂に私は幻聴まで聞こえるようになったのか。
多分、きっと、これは気のせいですね、アレンくんに誘われたとか夢ですね。
だってあり得ない。あってはいけないこと。
「ははは、本日も美しいですね!
アレンくんさすが神に愛されてるよ!
ではでは、またね!」
と笑い声が出てきてしまった。
そして困惑して、お馴染みの定型文。
何がなんだかわからない。
リリアナ混乱しています。
回れ右。駆け足。
とは、いきませんよね。
だいたいここは図書館だし、学校だし走ったら注意される。走ったらバタバタと騒がしくなるし。他の生徒に申し訳ない。
うむ、回れ右早歩き。
これなら平気ですね。
って現実逃避辞めないと。
それとアレンくんから本を取り返してない。
もう1度くるっと向きを変えてアレンくんの手にある本を取ろうとしたが、ひょいと上に移動した。
え!?!?!?
なんですか!?!?!?
こんな日に限ってコミュニケーション取ろうとしますね。私は1人でエッチな夢や妄想についての調べものをしたいのに邪魔されてる。アレンくん、君はとてつもなく美しく傅きたくなる。けれども、最近の私は妙だから今は接触したくないのです。
それにアレンくんは私のことをシカトして、虫ケラを見るような目で蔑む。それがデフォルトではなかったのですか?
まあ、そこまで酷くは無かった。流石に普通盛りから大盛りにしてしまった。ファミリーレストランのライスで例えてる。
ただ私は、少なくともアレンくんの前では自分の存在感は薄く感じてたよ。
もう半透明人間。立ち位置お化け。
リリアナお化け、リリアナアレンくん褒め褒めお化け。
ここ1ヶ月ぐらい変だよ。アレンくん。
私も変なんですけどね。私は元から変か。
エッチ妄想って、もしかして妄想した相手と妄想された相手と仲良くなるお呪いか何かなのか。多分違う。だってアイドルのファンは別にアイドルと仲良くなってない。
枕営業とか何だとか妙に悲しいものを耳にすることはあるけど、でも大半は違う。
アイドルに対して何も知らないのに彼女や彼らのことを貶すようなことを考えてしまった。人として最低である。
色々煩雑なことを考えてしまった。
とりあえずまずは本を取り返します。
もう1度取ろうと手を伸ばす。
けど、届かない。
伸ばす。届かない。伸ばす。届かない。
ジャンプする。その場で跳ねる。跳ねながら手を伸ばす。ダメダメダメダメダメ。
1人振り回されて、なんだか悔しい。
そしに司書さんが多分そろそろ注意しに来てしまう。図書館で飛び跳ねる女とか見苦しすぎる。
ここは私が大人になろう。落ち着こう。
深呼吸をして、アレンくんの顔を見上げると満面の笑みを浮かべていた。
ムッと目を見つめる。
やっぱり悔しい。
本当に本当に悔しい。
でも、こんな素敵男子が私に意地悪をするなんてご褒美でしかない。爽やかな少女漫画にもなりそうな場面。ほんのりトキメイてしまうよ。
はっ!
こんな感情も持つなんて、ファン失格。私はアレンくんの崇拝者なんだ。距離を取らないと。
しかもアレンくんのこと睨んでしまった。
やることはただ1つ。アレンくんのことを褒めて距離を取る。彼の前から去る。お馴染みの行動をするだけ。
「そ、そんなに読みたいならアレンくんに譲るよ!アレンくんは世界で1番素敵だからその本はアレンくんに読まれた方が嬉しいと思う。
またね!」
今度こそ必ずそのまま図書館から出ようと、ひらひらと手を振った後しっかりとした足取りで歩き始めた。
「待って待って、
一緒に魔族について調べない?
って誘ったのにリリアナさん返事くれてないよ」
リリアナさん
ドキドキドキドキドキドキ
心臓が変な音を立てる。
やっぱり誘いは幻聴じゃなかった。
そして、初めて名前呼ばれた。
全身が熱くなっていく、なんだこの感覚は、まるで"性行為"の時のよう。
熱い熱い熱い。
フルフルと頭を左右に揺らした。
しっかりして、私。
それよりもどう断ればいい。
思い付いた。
「勉強もそうだけど、調べ物も、1人でした方が集中出来るから効率良くない?」
キリッとした表情をする。
勘弁してください、心の底から思う。
憧れの人であり、邪な思いを抱いてはいけないのに見かける度に濡れちゃいそうになる人と共同作業とか色んな意味で拷問だ。
そんな状態での調べ物とか、アレンくんのこと襲ってしまわないか不安でならない。無意識のうちにキスとかしてしまうかも知れない。
私、別にレイプしたい願望とかないです。
男性がレイプされることをメイル・レイプと言うらしいけど、とりあえずこんな美しい青年に消えない傷を残したいとは思わない。別に彼が美しい青年でなくても、他者に対して性的な嫌がらせはしたくない。
それに襲わなくても、指一本触れなくても、触れないからこそ酷く消耗しそうだ。
一緒に調べ物は良くない。
何が何でも断ろう。アレンくんの危なくないストーカーとしての地位を保つためにもこれ以上関わってはいけない。
調べ物なんてしたらアレンくんの知らなかった面も知ってしまう。
アレンくん情報は必要最低限、交流も必要最低限。コミュニケーションは挨拶程度に留める。全て必要最低限。
うんうん、とまた自己完結した。
な、なんですと!?!?!?
遂に私は幻聴まで聞こえるようになったのか。
多分、きっと、これは気のせいですね、アレンくんに誘われたとか夢ですね。
だってあり得ない。あってはいけないこと。
「ははは、本日も美しいですね!
アレンくんさすが神に愛されてるよ!
ではでは、またね!」
と笑い声が出てきてしまった。
そして困惑して、お馴染みの定型文。
何がなんだかわからない。
リリアナ混乱しています。
回れ右。駆け足。
とは、いきませんよね。
だいたいここは図書館だし、学校だし走ったら注意される。走ったらバタバタと騒がしくなるし。他の生徒に申し訳ない。
うむ、回れ右早歩き。
これなら平気ですね。
って現実逃避辞めないと。
それとアレンくんから本を取り返してない。
もう1度くるっと向きを変えてアレンくんの手にある本を取ろうとしたが、ひょいと上に移動した。
え!?!?!?
なんですか!?!?!?
こんな日に限ってコミュニケーション取ろうとしますね。私は1人でエッチな夢や妄想についての調べものをしたいのに邪魔されてる。アレンくん、君はとてつもなく美しく傅きたくなる。けれども、最近の私は妙だから今は接触したくないのです。
それにアレンくんは私のことをシカトして、虫ケラを見るような目で蔑む。それがデフォルトではなかったのですか?
まあ、そこまで酷くは無かった。流石に普通盛りから大盛りにしてしまった。ファミリーレストランのライスで例えてる。
ただ私は、少なくともアレンくんの前では自分の存在感は薄く感じてたよ。
もう半透明人間。立ち位置お化け。
リリアナお化け、リリアナアレンくん褒め褒めお化け。
ここ1ヶ月ぐらい変だよ。アレンくん。
私も変なんですけどね。私は元から変か。
エッチ妄想って、もしかして妄想した相手と妄想された相手と仲良くなるお呪いか何かなのか。多分違う。だってアイドルのファンは別にアイドルと仲良くなってない。
枕営業とか何だとか妙に悲しいものを耳にすることはあるけど、でも大半は違う。
アイドルに対して何も知らないのに彼女や彼らのことを貶すようなことを考えてしまった。人として最低である。
色々煩雑なことを考えてしまった。
とりあえずまずは本を取り返します。
もう1度取ろうと手を伸ばす。
けど、届かない。
伸ばす。届かない。伸ばす。届かない。
ジャンプする。その場で跳ねる。跳ねながら手を伸ばす。ダメダメダメダメダメ。
1人振り回されて、なんだか悔しい。
そしに司書さんが多分そろそろ注意しに来てしまう。図書館で飛び跳ねる女とか見苦しすぎる。
ここは私が大人になろう。落ち着こう。
深呼吸をして、アレンくんの顔を見上げると満面の笑みを浮かべていた。
ムッと目を見つめる。
やっぱり悔しい。
本当に本当に悔しい。
でも、こんな素敵男子が私に意地悪をするなんてご褒美でしかない。爽やかな少女漫画にもなりそうな場面。ほんのりトキメイてしまうよ。
はっ!
こんな感情も持つなんて、ファン失格。私はアレンくんの崇拝者なんだ。距離を取らないと。
しかもアレンくんのこと睨んでしまった。
やることはただ1つ。アレンくんのことを褒めて距離を取る。彼の前から去る。お馴染みの行動をするだけ。
「そ、そんなに読みたいならアレンくんに譲るよ!アレンくんは世界で1番素敵だからその本はアレンくんに読まれた方が嬉しいと思う。
またね!」
今度こそ必ずそのまま図書館から出ようと、ひらひらと手を振った後しっかりとした足取りで歩き始めた。
「待って待って、
一緒に魔族について調べない?
って誘ったのにリリアナさん返事くれてないよ」
リリアナさん
ドキドキドキドキドキドキ
心臓が変な音を立てる。
やっぱり誘いは幻聴じゃなかった。
そして、初めて名前呼ばれた。
全身が熱くなっていく、なんだこの感覚は、まるで"性行為"の時のよう。
熱い熱い熱い。
フルフルと頭を左右に揺らした。
しっかりして、私。
それよりもどう断ればいい。
思い付いた。
「勉強もそうだけど、調べ物も、1人でした方が集中出来るから効率良くない?」
キリッとした表情をする。
勘弁してください、心の底から思う。
憧れの人であり、邪な思いを抱いてはいけないのに見かける度に濡れちゃいそうになる人と共同作業とか色んな意味で拷問だ。
そんな状態での調べ物とか、アレンくんのこと襲ってしまわないか不安でならない。無意識のうちにキスとかしてしまうかも知れない。
私、別にレイプしたい願望とかないです。
男性がレイプされることをメイル・レイプと言うらしいけど、とりあえずこんな美しい青年に消えない傷を残したいとは思わない。別に彼が美しい青年でなくても、他者に対して性的な嫌がらせはしたくない。
それに襲わなくても、指一本触れなくても、触れないからこそ酷く消耗しそうだ。
一緒に調べ物は良くない。
何が何でも断ろう。アレンくんの危なくないストーカーとしての地位を保つためにもこれ以上関わってはいけない。
調べ物なんてしたらアレンくんの知らなかった面も知ってしまう。
アレンくん情報は必要最低限、交流も必要最低限。コミュニケーションは挨拶程度に留める。全て必要最低限。
うんうん、とまた自己完結した。
0
お気に入りに追加
47
あなたにおすすめの小説

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

私が素直になったとき……君の甘過ぎる溺愛が止まらない
朝陽七彩
恋愛
十五年ぶりに君に再開して。
止まっていた時が。
再び、動き出す―――。
*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*
衣川遥稀(いがわ はるき)
好きな人に素直になることができない
松尾聖志(まつお さとし)
イケメンで人気者
*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*◦*
人違いラブレターに慣れていたので今回の手紙もスルーしたら、片思いしていた男の子に告白されました。この手紙が、間違いじゃないって本当ですか?
石河 翠
恋愛
クラス内に「ワタナベ」がふたりいるため、「可愛いほうのワタナベさん」宛のラブレターをしょっちゅう受け取ってしまう「そうじゃないほうのワタナベさん」こと主人公の「わたし」。
ある日「わたし」は下駄箱で、万年筆で丁寧に宛名を書いたラブレターを見つける。またかとがっかりした「わたし」は、その手紙をもうひとりの「ワタナベ」の下駄箱へ入れる。
ところが、その話を聞いた隣のクラスのサイトウくんは、「わたし」が驚くほど動揺してしまう。 実はその手紙は本当に彼女宛だったことが判明する。そしてその手紙を書いた「地味なほうのサイトウくん」にも大きな秘密があって……。
「真面目」以外にとりえがないと思っている「わたし」と、そんな彼女を見守るサイトウくんの少女マンガのような恋のおはなし。
小説家になろう及びエブリスタにも投稿しています。
扉絵は汐の音さまに描いていただきました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる