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アンリの七番目の物語
しおりを挟む闇よ、くだれ!
俺は野心家か?
ちがう!
這い上がり もぐりこむのではなく
ひきずりおろし
盗みとるのだ
Cool.............
Crazy Boy
Cool.............
森深くの花と葉叢に隠れ
右手に安物の短銃を手に
音を消して忍び込む影となって
泣くなベイビイ
城壁に梯子を立てて
月はクレッセントにまだらな雲間
豪奢な館に手がかりは多いが
この館は大きすぎる!
「あなたなの 来てくれたの
ああトカゲのようにすてきだわ」
薄い陽炎のような衣をまとった彼女は目も眩むばかり
白桃のような肢体をのびやかにあやつり
まるで舞台のヒロインのごとく
ベランダから覗く彼女の部屋は宝石箱そのもの
「そうとも! はやく!
ぼくと逃げるんだ
さあ早く!」
雲間からクレッセントが顔を出して
彼女の顔を薔薇色に変え
そして彼女はこう言った。
「あ………ちょっちょっと待って
……ねえわたし考えたの…………」
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