僕の恋人

ken

文字の大きさ
上 下
2 / 22

2

しおりを挟む
シャワーから出ると、彼はソファでうたた寝をしていた。僕はソファの前に座り込んで、彼の顔を眺めた。どれだけ見ても見飽きない、僕の恋人。冷たい印象の切れ長の目も、眠っている時は優しげだ。薄い唇をそっと指で撫でる。白髪が混ざった硬い髪。ごわっとしたその触り心地が好きだ。白髪を隠さないのも好き。彼は自分に自信がある。いつも堂々としていて、威圧感を感じる程だ。少し肉付きが良くなった腹回りを気にして自転車をやり始めたけれど、僕はそんなお腹の柔らかさも好きだった。ソファの前の床に座り込んで、頬をお腹につける。いくら手加減されていても、何度も平手打ちされた僕の頬は少し赤く腫れて熱を持っていた。その頬を押し付けると、僕は少し誇らしい気持ちになった。ちゃんと僕の身体でも気持ち良くなってもらえた。彼のお腹に頬をつけながら顔を下から見上げた。唇にキスをしたい。でも、勝手にキスをしたらいけないような気もして、彼の手をそっと握るだけにした。僕は彼のものだけど、彼は僕のものではないように思う。それが悲しいと思う時もあったけれど、でもそれは仕方ない事だと今は諦めている。諦めたら、幸せだと感じる事が多くなった。彼の寝顔が見られるだけで幸せ。こうして、身体を近付けて寝られるだけで幸せ。リビングで一緒に寛げるだけで幸せ。

昔は、子供の頃は、僕はリビングで家族と寛ぐことが許されなかった。
「お前がいると母さんがイライラするみたいで、家族の空気が悪くなるんだよ。悪いけど、ご飯が済んだらなるべく早く部屋に戻ってくれないかな?」
お父さん、僕は?僕は家族ではないの?
そう問いたい気持ちをグッと飲み込んだ。頷かれるのが怖かったから。
「はい。」
その日から、僕はリビングに入るのが怖くなった。リビングのソファに座って3人でテレビを見て楽しそうに会話する両親と兄の後ろ姿を見ながら、僕はせめてと思って廊下の階段に腰掛けた。そこにいたら、誰か、お父さんかお兄さんが、声をかけてくれないかなと、淡い期待をしながらリビングと廊下を隔てるドアの嵌め込みガラスからテレビを眺めた。嵌め込みガラス越しに見るテレビは、チカチカと色彩が変わるだけで何をやっているのか全然分からなかったけれど、僕はテレビを凝視し続けた。
お母さんはどうして僕の事がそんなに嫌いなんだろう。考えても考えても、答えは出なかった。僕がもっと良い子になったら、僕も家族の一員になれるのだろうか?お兄さんのように、愛してもらえるのだろうか。でも、どれほど努力しても愛が与えられる事はなかった。

ここでは違う。
僕はリビングに入れてもらえる。ぼくが作った料理は汚いと捨てられる事もなく、美味しいと食べてもらえる。頑張ったら褒めてもらえる。頭を撫でて、触ってもらえる。
奏さんのようなすごい人に、好きと言ってもらえるだけで、僕は嬉しくて頭がぼうっとなる。奏さんは僕のバイト先の建築事務所の社長で、僕の知らない事をたくさん知っていて、行ったことのない場所にたくさん連れて行ってもらった。僕が大学の勉強に専念できるようにって、ここに住まわせてくれる。家賃も、払うと言っても受け取らない。食費も毎月充分すぎる程出してくれて、僕は借り入れた奨学金をそのまま株式運用している。株も彼が教えてくれた。卒業したら一括返済もできるかも知れない。
全部彼のおかげだ。惨めな生活から救い出してくれた。
建築家で、凄腕の経営者でもあって。そんなすごい人が、僕なんかを好きになってくれた。僕は天にも昇るような気持ちだった。今も、彼の寝顔が見られただけで、痛みも苦しさも忘れた。それに、彼はセックスの時以外は絶対に叩いたりしない。
「これはプレイだよ。暴力じゃない。」
「SEXの時だけ、ご主人様と奴隷ごっこをするんだよ。ユウトは奴隷で俺がご主人様。」
それで充分だ。SEXの時は僕は彼の奴隷。それで良い。

彼の手がふと僕の髪を漉いた。
「あ、ごめんなさい。起こしちゃった?」
「いいよ。あ、服、着ちゃったの?」
「え?ダメだった?またしたい?」
僕が彼のモノを咥えようとズボンに手をやると、彼は首を振って言った。
「いや、もういい、しないよ。でもさ、今日、温かいから裸でも過ごせるんじゃない?全裸で過ごしてよ、寝るまで。」
「え?」
それもプレイなのかな。彼の言う通りにしようと思う気持ちと、躊躇う気持ちがせめぎ合って僕は口開いた。
「え~?でもさ、僕変態じゃないよ!そんなの、変じゃない?」
えへへと笑って誤魔化そうとして、彼の瞳がスッと冷たくなるのが目に映り、僕は固まってしまう。また間違えたのだ。僕はなんて間抜けなんだろう。
「あ、じゃあ別に良いよ。」
「ごめん!ごめんなさい。待って。脱ぐ、すぐに脱ぐから。ごめんなさい。」
僕は慌てて服を全部脱いで全裸になって、縋るように彼を見た。
「ごめんなさい。」
「謝る時は土下座して。」
「はい。ごめんなさい。」
僕が土下座すると、彼はソファの上で身体を起こし、足で僕の頭を撫でた。
「もう、間違えんなよ。」
「はい。ごめんなさい。」
土下座のまま足にキスをした。キスを、嫌がられなかった事だけが救いだった。

その日1日、僕は全裸で過ごした。
流石に裸でソファは座らないで、と言われて、ソファに座ってゲームをする彼の横の床に座って大学のレポートを書いた。
彼に頼まれてコーヒーを淹れる時やお昼ご飯のパスタを作る時、湯や油の細かい粒が身体にあたってチリチリと痛み、自分が全裸でいる事を意識させられた。食卓の椅子も裸で座るのは不衛生だと言われ、僕は立ってお昼ご飯を食べた。彼は僕の作ったパスタを食べながら、立って食べる全裸の僕を椅子に座ってニコニコと見つめて、僕は恥ずかしさを忘れて嬉しくなった。思わず微笑むと、彼はすっと笑顔を引っ込め、そしてそれ以降、僕の事を見てくれなくなった。僕は途端に恥ずかしくなって俯いた。パスタは味がしなくなり、僕はまた何か間違えたのだと気付いた。なぜ彼が僕を裸にしたがったのか分からず混乱したまま、僕は裸で洗濯や掃除をした。
彼はソファでずっとゲームをしたり仕事をしたりしていたが、日が沈むと、飲みに行くと言い出した。僕も連れて行ってもらえるのだろうか、ようやく服が着られる、と少し期待した。が、彼はおもむろに抽斗からディルドを出してそれを床に放った。
「これ、自分で入れて。早くしてな。」
僕は床の玩具を拾って、口に含んでたっぷりと涎をつけてから肛門にあてがった。急かされるような目で見られて焦りながら、痛みを堪えてなんとか最後まで入れ、お尻を彼の方に向けてちゃんと入れた所を見せた。彼は僕の手を引いて玄関まで連れて行き、そこで玄関の扉に顔を向けて四つ這いになるよう言った。
「帰って来るまで、そのままでいろよ。」そしてそのまま飲みに出かけてしまった。


床にポトポトと雫が垂れて、僕は自分が泣いている事に気付いた。寒かった。暖かくなってきたとはいえ4月の夜。リビングならまだしも玄関先の床は冷たく、身体から徐々に熱が奪われ細かく震えた。しかし下半身に埋め込まれた異物は腸の内壁を無理やり押し広げ、朝のSEXで少し切れてしまっていた肛門は無理に広げられてジンジンと熱を帯びて痛んだ。身体から異物を出したいという排泄感を堪えると、ますます身体が震えた。深く呼吸すると押し出してしまいそうになるので浅い呼吸を繰り返す。膝と手が痺れてきた。

SEXの時に彼のものを受け入れる時も痛みや苦しさを感じるが、それでも彼の身体の一部が体内に入るのだと思うと嬉しく、熱を帯びた彼の性器の温かさが心地よかった。肛門性交の快感は僕にはよく分からなかったが、彼が囁いてくれる言葉や触ってくれる手の温もりは痛みや苦しさを補って余りあるものがあった。でも、今僕の中に入れられている物は、冷たくて硬いプラスチックでできた物だった。僕は独りぼっちで冷たい床に這いつくばらされ、ただただプラスチックの物に犯されていた。惨めだった。心底惨めだった。自分が取るに足らないゴミのような存在になった気がした。こんな事はしたくなかった。今すぐお尻の穴に突っ込まれている物を取り除きたかったし、布団にくるまって泣きたかった。飲みに行ったのなら1時間以上は帰ってこないだろう。せめて姿勢を崩したって良かったけど、僕は動けなかった。もう間違えたくなかった。捨てられたくなかった。彼の言葉や視線が鎖のように僕を拘束した。

何時間が経ったのか。玄関のドアを見つめる僕はとうに時間の感覚を無くして、手足の感覚も無かった。床にぼとりとディルドが落ちる度に、肛門に指で涎を塗りつけて挿し直した。挿し直すと傷が擦れて激痛がし、それは回数毎にひどくなっていった。僕は必死で出会ったばかりの頃の彼との思い出を頭に浮かべた。優しかった。本当に優しかった。何度も何度も、その光景を詳細に頭に描いて、気が狂いそうになる痛みを堪えた。異物を出そうと腸汁が下りてきて傷口に沁みて激しく痛んだ。
どこで間違えてしまったのだろう。お昼ご飯の時、見てもらえて嬉しくなって微笑んだのがダメだった。彼は僕が調子に乗ってしまうのを許さない。
いや、その前に裸になるのを嫌がったのが間違いだった。何もかも間違いだった。飲みに行くと言われた時、僕も連れて行ってもらえるとほんの少しでも期待したのが、きっと顔に出た。僕はすぐに物欲しそうな浅ましい顔をしてしまう。飲みに行きたかった訳じゃない。ただ、彼と一緒にいたかっただけだった。裸のままで良いから、夜ご飯を作って一緒に食べたかった。裸の僕と一緒に食べるのが嫌だったら、僕は彼が食べ終わるまで待ってても良かった。ただ、そばにいたかった。話しかけられなくても、見てもらえなくても、全裸にされて、人間扱いされなくても、独りぼっちよりはマシだと思った。それだけだったのに。
僕みたいな人間が彼のような素晴らしい人と付き合うなんて、そもそも最初から間違いだった。

「あんな子、産まなきゃ良かった!」
母の言葉がふいに響き、頭がガンガン痛んだ。ああ、全部全部、間違いだった。産まれてきたところから、間違いだった。
帰ってきて欲しい。お願い。独りにしないで。

ゴトッ
大きな音を立ててまたディルドが肛門から滑り落ち、空気と一緒にぬるりと何かが体内からこぼれ落ちて太ももを伝った。便だろうか。気持ちが悪かった。今すぐ拭いたかった。シャワーを浴びたかった。でも僕はドアを見つめたまま手探りでディルドを拾い、もう涎はつけずにそのまま肛門に刺した。そこからはヌルヌルと何かが出ていて、ディルドはすぐに入った。ああ。もう痛みすらぼんやりとしか感じなくなった。僕は石ころだ。道端で蹴られ続ける石ころだ。

「ガチャッ」
と音がして玄関のドアが開いた時、僕はガタガタと震えてほとんど意識を失いかけていた。
「あ、そうだった。忘れてた。わりーわりー!ちょっと可愛い子と出会ってさ。意気投合しちゃって2軒目行ったら楽しくなっちゃって。ごめん。」
お酒の匂いがふわりとして、彼の陽気な口調が嬉しかった。怒っていなかった。許してくれたのだろうか。
「うわ~マジでずっとそのままの姿勢でいたの?嘘でしょ?もう夜中の2時だよ。え?5時間?やばくない?取りなよ、もう。」
僕は許しを得てのろのろと手を伸ばし、お尻の中の僕を犯し続けていた物を取った。ドロリと何かがまた腿を伝った。
「うわっ!何?これクソ汁と血が混ざってんの?きたねー!でもすごいね。オマエのケツマンコ、口が開きっぱなしだよ。中がヒクヒクしてるのが見える!わー!超エロい。」
彼は僕のお尻の肉を引っ張りさらに穴を広げて覗き込み、ディルドを出し入れしたり先端で僕の開ききった肛門の中を突いたりした。僕は再びクリアになった感覚で襲ってくる痛みに耐える為全身に力を入れた。あと少し、彼が寝るまであと少しの間、もう何も間違えたくなかった。
「すげー!マジ笑える!!5時間突っ込みっぱなしにするとこうなるんだ~。真っ赤に腫れてるじゃん、ハハハハ!!お、ちょっと、お前自分の手でケツ広げとけ!写真撮ろ~。」
僕は四つ這いのまま手でお尻を広げ、彼が僕の肛門の写真を撮るのを待った。
「ねえ、こっち向いて。顔も一緒に撮らせて。ほら、首だけこっち向けてさ、そうそう。笑って。」
わー!エロ!彼がそう言いながら写真を撮り、僕はにっこりと微笑んだ。上手く微笑めていて欲しい。
「お利口だね。さすが。僕の奴隷は優秀だ。」
彼は頭を撫でてくれて、僕はジワリと目に涙が浮かんだが唇を血が出るほど噛み締めて泣くのを堪えた。彼は僕がこういう時に泣くのが嫌いだから。
「シャワー浴びといで。ここ片付けるのは後で良いよ。」
ひとしきり写真を撮ると、僕の頭を撫でてくれて、彼はそう言ってくれた。
「はい。ありがとうございます。」
僕はなんとか立ち上がった。太ももを伝う血と腸汁が気持ち悪くて、一刻も早くシャワーで洗い流したかった。僕はよろよろと風呂場まで行き、シャワーを使った。シャワーを浴びながら、堪え切れずに風呂場の床に蹲って、泣いた。早く泣き止まなきゃ。焦れば焦るほど涙と嗚咽が止まらなかった。

シャワーから出ると、彼はもう寝室のベッドで鼾をかいて寝ていた。良かった。泣き顔を見られたらまた怒られる。僕はパジャマを着て、そのまま玄関に向かって床を丁寧に拭いた。床は僕の汗や涙や血や、腸の中から出た何かの液体で汚れていた。何度も何度も拭いて、ハイターを振りかけてまた拭いた。お腹がシクシクと痛み、頭も痛かった。手も足も痛く、肛門はジンジンと熱く、爛れた痛みがもはや下半身全体を覆っていた。
犯された痕跡をきれいに拭き取ると、ほんの少しだけ屈辱感が少なくなった気がした。お風呂で汚れた雑巾を洗って、それからディルドもきれいに洗った。こんな物は捨ててしまいたかったけれど、これは彼の物で僕のものではない。この家にある物は全部、彼の物なんだとふと思った。僕の物はきっと段ボール1つ分もない。自分の身体すら、自分のものではないような気がした。
動く度にお尻が痛み、足を引きずるようにして寝室に向かった。彼はベッドの真ん中で寝ていた。ベッドに入るつもりはなかった。彼は寝ているのを邪魔されるとひどく不機嫌になる。最初から2人で寝るのは良いけれど、彼が先にベッドに入って寝てからは、どれだけそっと潜り込んでも起こしてしまい、怒られてしまう。僕は予備の毛布をクローゼットから出して、ソファに向かった。
朝、SEXの後にここでうたた寝をしていた彼のそばで、自分がどれだけ幸せだったかを思い出して、また涙が溢れた。ソファで寝ようとして、ふと、ここで寝る事は許されていたのだろうか、と気になった。僕はソファに座る事を許されていたっけ。リビングに入る事は?この家にいる事は?
考え出すとどんどん分からなくなった。
涙が止まらなくなって、しゃくり上げる声が漏れないよう毛布に強く顔を押し付けた。
僕は玄関に向かった。玄関の前の廊下に行き、そこで横になって毛布を被り丸まった。そこはさっきまで僕が独りぼっちで犯されていた場所だった。僕は我慢できず声を殺して咽び泣いた。
死にたかった。死にたいと思ったのは初めてではなかった。18歳までいたあの家で、僕はいつも死にたいと思っていた。

ああ、またあそこに戻ったんだ。
そう思った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

十七歳の心模様

須藤慎弥
BL
好きだからこそ、恋人の邪魔はしたくない… ほんわか読者モデル×影の薄い平凡くん 柊一とは不釣り合いだと自覚しながらも、 葵は初めての恋に溺れていた。 付き合って一年が経ったある日、柊一が告白されている現場を目撃してしまう。 告白を断られてしまった女の子は泣き崩れ、 その瞬間…葵の胸に卑屈な思いが広がった。 ※fujossy様にて行われた「梅雨のBLコンテスト」出品作です。

釣った魚、逃した魚

円玉
BL
瘴気や魔獣の発生に対応するため定期的に行われる召喚の儀で、浄化と治癒の力を持つ神子として召喚された三倉貴史。 王の寵愛を受け後宮に迎え入れられたかに見えたが、後宮入りした後は「釣った魚」状態。 王には放置され、妃達には嫌がらせを受け、使用人達にも蔑ろにされる中、何とか穏便に後宮を去ろうとするが放置していながら縛り付けようとする王。 護衛騎士マクミランと共に逃亡計画を練る。 騎士×神子  攻目線 一見、神子が腹黒そうにみえるかもだけど、実際には全く悪くないです。 どうしても文字数が多くなってしまう癖が有るので『一話2500文字以下!』を目標にした練習作として書いてきたもの。 ムーンライト様でもアップしています。

俺の体に無数の噛み跡。何度も言うが俺はαだからな?!いくら噛んでも、番にはなれないんだぜ?!

BL
背も小さくて、オメガのようにフェロモンを振りまいてしまうアルファの睟。そんな特異体質のせいで、馬鹿なアルファに体を噛まれまくるある日、クラス委員の落合が………!!

すれ違い片想い

高嗣水清太
BL
「なぁ、獅郎。吹雪って好きなヤツいるか聞いてねェか?」  ずっと好きだった幼馴染は、無邪気に残酷な言葉を吐いた――。 ※六~七年前に二次創作で書いた小説をリメイク、改稿したお話です。 他の短編はノベプラに移行しました。

家事代行サービスにdomの溺愛は必要ありません!

灯璃
BL
家事代行サービスで働く鏑木(かぶらぎ) 慧(けい)はある日、高級マンションの一室に仕事に向かった。だが、住人の男性は入る事すら拒否し、何故かなかなか中に入れてくれない。 何度かの押し問答の後、なんとか慧は中に入れてもらえる事になった。だが、男性からは冷たくオレの部屋には入るなと言われてしまう。 仕方ないと気にせず仕事をし、気が重いまま次の日も訪れると、昨日とは打って変わって男性、秋水(しゅうすい) 龍士郎(りゅうしろう)は慧の料理を褒めた。 思ったより悪い人ではないのかもと慧が思った時、彼がdom、支配する側の人間だという事に気づいてしまう。subである慧は彼と一定の距離を置こうとするがーー。 みたいな、ゆるいdom/subユニバース。ふんわり過ぎてdom/subユニバースにする必要あったのかとか疑問に思ってはいけない。 ※完結しました!ありがとうございました!

オメガなパパとぼくの話

キサラギムツキ
BL
タイトルのままオメガなパパと息子の日常話。

キンモクセイは夏の記憶とともに

広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。 小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。 田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。 そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。 純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。 しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。 「俺になんてもったいない!」 素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。 性描写のある話は【※】をつけていきます。

秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~

めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆ ―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。― モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。 だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。 そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

処理中です...