34 / 41
33 雨音③*
しおりを挟む
「翔太の仇だ、翔太の仇だっ! はあっ、はあっ……翔太の仇……!」
「うわっ……やべえわ、こいつ。めっちゃイイ! あー、凄え気持ちいい」
「いいぞ、もっと苦しめ。死んだ方がマシだと思うぐらいにな」
「ああ~、たまんねえ。お前、マジで名器だな。腰が止まんねえわ」
「まだだ。まだ足りない。翔太の仇だ、もっと抉ってやる」
「なあ、さっきから呼んでる“コウスケさん”って誰?
そいつに遊んでもらってるから、こんなに具合良いの?」
「はあっ、はあっ……もっとだ。もっと抉り抜いてやる。
お前の父親がショックで卒倒するぐらいになあっ!」
「あーらら、ガチで泣いちゃってるじゃん。かーわいい。ひゃひゃひゃ」
「まだだ。まだ楽にはしてやらんぞ。お前の体に、もっと苦痛を刻みつけてやる」
「うひょお、あれだけ出したのに、まだ締め付けてくるじゃん。
マジで最高だわこれ。あー、後で殺しちまうのがもったいねえ」
「翔太の仇、翔太の仇……うおおおおおお!」
「おい、気絶してんじゃねえぞ! もっとしっかり鳴け!」
「ガキのくせに男を誘う穢れめ! 穢れた存在め!」
「────!」
ヘドロの中で溺れる感覚。
そこから必死で逃げるようにして楓は飛び起きた。
心臓が痛いぐらいに激しい鼓動を打ち鳴らす。
ままならない呼吸を懸命に宥める。
冷たい汗が、次から次に頬を伝う。
──苦しい。
酷い悪夢に打ちのめされて、何もかもを放棄したくなる。
──お前は穢れた存在だ──
──死ね。さっさと死ね。今すぐ死ね──
楓の頭の中に響く『悪魔の声』が追い討ちをかけてくる。
──穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い──
──死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね──
その声に導かれるようにして、楓はぼんやりとした目で窓の方を見る。
──楽になりたい。でも……
「あ……」
その時、楓は背後から強い力で抱きすくめられた。康介だった。
窓の方を見ないように、康介は片手で楓の視界を覆い隠す。
そして優しい声で囁いた。
「楓、大丈夫だから。ゆっくり息をしよう。な?」
康介に言われた通りに楓はゆっくりと息を吐き出す。
やがて呼吸が落ち着いてきた頃、完全に康介の腕の中にその身を預けた。
意識を失った楓の体を再びベッドの上に横たえる。
楓の視界を覆っていた康介の手が、涙で濡れていた。
(いつの間に大降りの雨になってたんだろう)
窓ガラスを打ち付ける雨音を聞きながら、康介はため息をついた。
今日は、朝は小雨が降っていたものの、昼頃には止んだ。
雲の隙間から太陽が姿を見せたり消えたりを繰り返すような空模様の下、
康介と楓はいつぶりかの穏やかな時間を過ごした。
ありふれた日常という幸福を、噛み締めるように味わった。
それは、ともに眠りに就くまで続いた。
しかし、眠りについてしばらくした時、康介は鋭い雨筋が窓ガラスを叩きつける音で起こされた。
慌てて隣にいる楓を確認すると、やはり悪夢に魘されていた。
苦しそうに呻き、譫言を繰り返し、悲鳴を上げて飛び起きる。
もう何度も見ているが、恐怖で引き攣った楓の顔は未だに見るのが辛い。
(この子は、これからの人生で心から安らげることはもう無いのかもしれない)
なんとなく、そんな気がしてしまう。
(俺はどこまで支えになれるかな)
自分の腕の中で眠る楓の髪を撫でながら、康介は未来のことを憂う。
その時、楓がまた呼吸を荒くして苦しみ始めた。
「ああ、まただ」と、康介は身構える。
そして、声にならない悲鳴をあげて楓が飛び起きた。
康介はすぐに抱き締めた。楓を安心させてやろうと思っての行為だった。
しかし、楓は今までにないぐらい康介の腕の中で暴れ出した。
「ひっ……!」
なんとかして康介の腕を振り解こうともがく。
が、力も体格も圧倒的に差があるので、それは何の意味も為さなかった。
「楓、大丈夫だから。落ち着いてくれ」
「やめて……やめて……」
「どうした? 俺が分からないのか?」
「お願いだから、もうやめて……」
「楓、頼む。落ち着いてくれ」
「いや……もう、いや……」
泣きじゃくって何もかもを拒絶する。康介のことも見えていないようだ。
その様子から、楓はまだ忌まわしい悪夢の中にいるのだと康介は察した。
おそらく、今の楓の目に映っているのは、事件当時の浦坂実と田城昌司なのだろう。
「許して。もう許して。お願いだから、もう……」
「────!」
絶望的な顔で涙を流す楓が次に口にする言葉を思って、康介は咄嗟に楓を強く抱き寄せた。
そして楓の顔を自身の肩口に埋めさせた。
強制的に次の言葉を言わせないようにする為だった。
……その言葉を聞きたくなかったし、言わせたくなかった。
強引に口を塞がれてひたすら涙を流し続ける楓の頭を優しく撫でて、康介は自分も泣きそうになっていたのを堪えた。
落ち着いて、呼吸を整えて、康介は楓の耳元で囁いた。
「大丈夫。何もしない」
「…………」
「何もしないから、安心してくれ」
康介の言葉を受けて、楓の全身から力が抜ける。
そうやって再び意識を失うかと思ったら、楓は両目をしっかりと開けて康介を見つめた。
「康介さん……?」
「楓……! やっと俺が分かったか」
「ごめん。僕はまたおかしくなってたんだね」
「怖い夢を見て怯えてただけだ。お前は何も悪くないよ」
楓の頬を濡らしていた涙を手で拭いながら、康介は何でもない風に笑って見せる。
それから不安そうに顔を歪める楓を改めて抱き寄せて、二人で一緒にベッドに横たわった。
「さあ、もう一度ちゃんと眠ろう」
「う、うん」
「大丈夫だから。安心しておやすみ」
「ありがとう。おやすみなさい」
康介に頭を撫でられながら楓はすぐに眠った。
恐怖と緊張ですっかり疲弊していた楓の意識は、あっという間に落ちてしまった。
寝入った楓の白い頬を手でなぞりながら、康介はさっきの出来事を思い出す。
錯乱状態だった楓に「何もしないから、安心してくれ」と言った時、彼は強張っていた全身から力を抜いた。本当に、心から安心してくれたのだと思った。
それと同時に、ある疑問が湧いた。
(楓の中では“何もしない”ことが安心であり愛情ってことなのか?)
浦坂たちによる惨い暴力を受けたので、何もされないことに安心するのは仕方ないことだ。
そのことは、頭では理解できる。
(でも、それじゃあこれから先、楓は誰とも愛し合うことができないんじゃないか)
ずっと、孤独のまま一生を過ごすことになるのではないだろうか。
(良いのか? それで……)
楓の頬を撫でていた手を止める。
(ならば、いっそのこと俺が……)
あどけない寝顔を見せている楓の頬に、改めて手を置く。
(俺が、“愛し合う”ことを楓に教えてやれないだろうか)
距離を詰めてそっと顔を近付ける。
(浦坂によって刻み付けられた傷を、俺の愛情で上書きしてやれば……)
今まさに楓と唇を重ねようとした──その時、楓の頬に当てていた康介の左手が、
その薬指にはめられていた指輪がキラリと光った。
それは、康介の意識に触れて彼を本来あるべき姿に導く。
「…………」
手を止めて目を閉じて、康介は堪えた。
(駄目だ。この一線を超えてしまったら、長い間蓋をしていた思いが暴走してしまう。
それは、今の楓には暴力にしか映らない。楓を本当に絶望させるだけだ)
目を閉じてて拳を握りしめて、康介は堪えた。
(そうだ。駄目だ。こんなことは。俺は親だ。この子の父親になると誓ったんだ)
左手に光る指輪の煌めきの中に自身の欲望を押さえ込み、康介は楓から手を離した。
そして、眠る楓の額に慈愛を込めて優しい口付けを施した。
親として出来ることはここまでだ。と、自分に言い聞かせた。
「愛してるよ」
優しい声で囁いて、康介は楓から体を離した。
そして、彼の隣に身を横たえて目を閉じた。
その際、楓の目尻から一粒の涙がこぼれ落ちたことに、康介は気付かなかった。
雨は明け方にかけて徐々に収まっていった。
その後は楓も悪夢に魘されて飛び起きることなく、朝まで静かに眠ったのだった。
「うわっ……やべえわ、こいつ。めっちゃイイ! あー、凄え気持ちいい」
「いいぞ、もっと苦しめ。死んだ方がマシだと思うぐらいにな」
「ああ~、たまんねえ。お前、マジで名器だな。腰が止まんねえわ」
「まだだ。まだ足りない。翔太の仇だ、もっと抉ってやる」
「なあ、さっきから呼んでる“コウスケさん”って誰?
そいつに遊んでもらってるから、こんなに具合良いの?」
「はあっ、はあっ……もっとだ。もっと抉り抜いてやる。
お前の父親がショックで卒倒するぐらいになあっ!」
「あーらら、ガチで泣いちゃってるじゃん。かーわいい。ひゃひゃひゃ」
「まだだ。まだ楽にはしてやらんぞ。お前の体に、もっと苦痛を刻みつけてやる」
「うひょお、あれだけ出したのに、まだ締め付けてくるじゃん。
マジで最高だわこれ。あー、後で殺しちまうのがもったいねえ」
「翔太の仇、翔太の仇……うおおおおおお!」
「おい、気絶してんじゃねえぞ! もっとしっかり鳴け!」
「ガキのくせに男を誘う穢れめ! 穢れた存在め!」
「────!」
ヘドロの中で溺れる感覚。
そこから必死で逃げるようにして楓は飛び起きた。
心臓が痛いぐらいに激しい鼓動を打ち鳴らす。
ままならない呼吸を懸命に宥める。
冷たい汗が、次から次に頬を伝う。
──苦しい。
酷い悪夢に打ちのめされて、何もかもを放棄したくなる。
──お前は穢れた存在だ──
──死ね。さっさと死ね。今すぐ死ね──
楓の頭の中に響く『悪魔の声』が追い討ちをかけてくる。
──穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い穢い──
──死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね──
その声に導かれるようにして、楓はぼんやりとした目で窓の方を見る。
──楽になりたい。でも……
「あ……」
その時、楓は背後から強い力で抱きすくめられた。康介だった。
窓の方を見ないように、康介は片手で楓の視界を覆い隠す。
そして優しい声で囁いた。
「楓、大丈夫だから。ゆっくり息をしよう。な?」
康介に言われた通りに楓はゆっくりと息を吐き出す。
やがて呼吸が落ち着いてきた頃、完全に康介の腕の中にその身を預けた。
意識を失った楓の体を再びベッドの上に横たえる。
楓の視界を覆っていた康介の手が、涙で濡れていた。
(いつの間に大降りの雨になってたんだろう)
窓ガラスを打ち付ける雨音を聞きながら、康介はため息をついた。
今日は、朝は小雨が降っていたものの、昼頃には止んだ。
雲の隙間から太陽が姿を見せたり消えたりを繰り返すような空模様の下、
康介と楓はいつぶりかの穏やかな時間を過ごした。
ありふれた日常という幸福を、噛み締めるように味わった。
それは、ともに眠りに就くまで続いた。
しかし、眠りについてしばらくした時、康介は鋭い雨筋が窓ガラスを叩きつける音で起こされた。
慌てて隣にいる楓を確認すると、やはり悪夢に魘されていた。
苦しそうに呻き、譫言を繰り返し、悲鳴を上げて飛び起きる。
もう何度も見ているが、恐怖で引き攣った楓の顔は未だに見るのが辛い。
(この子は、これからの人生で心から安らげることはもう無いのかもしれない)
なんとなく、そんな気がしてしまう。
(俺はどこまで支えになれるかな)
自分の腕の中で眠る楓の髪を撫でながら、康介は未来のことを憂う。
その時、楓がまた呼吸を荒くして苦しみ始めた。
「ああ、まただ」と、康介は身構える。
そして、声にならない悲鳴をあげて楓が飛び起きた。
康介はすぐに抱き締めた。楓を安心させてやろうと思っての行為だった。
しかし、楓は今までにないぐらい康介の腕の中で暴れ出した。
「ひっ……!」
なんとかして康介の腕を振り解こうともがく。
が、力も体格も圧倒的に差があるので、それは何の意味も為さなかった。
「楓、大丈夫だから。落ち着いてくれ」
「やめて……やめて……」
「どうした? 俺が分からないのか?」
「お願いだから、もうやめて……」
「楓、頼む。落ち着いてくれ」
「いや……もう、いや……」
泣きじゃくって何もかもを拒絶する。康介のことも見えていないようだ。
その様子から、楓はまだ忌まわしい悪夢の中にいるのだと康介は察した。
おそらく、今の楓の目に映っているのは、事件当時の浦坂実と田城昌司なのだろう。
「許して。もう許して。お願いだから、もう……」
「────!」
絶望的な顔で涙を流す楓が次に口にする言葉を思って、康介は咄嗟に楓を強く抱き寄せた。
そして楓の顔を自身の肩口に埋めさせた。
強制的に次の言葉を言わせないようにする為だった。
……その言葉を聞きたくなかったし、言わせたくなかった。
強引に口を塞がれてひたすら涙を流し続ける楓の頭を優しく撫でて、康介は自分も泣きそうになっていたのを堪えた。
落ち着いて、呼吸を整えて、康介は楓の耳元で囁いた。
「大丈夫。何もしない」
「…………」
「何もしないから、安心してくれ」
康介の言葉を受けて、楓の全身から力が抜ける。
そうやって再び意識を失うかと思ったら、楓は両目をしっかりと開けて康介を見つめた。
「康介さん……?」
「楓……! やっと俺が分かったか」
「ごめん。僕はまたおかしくなってたんだね」
「怖い夢を見て怯えてただけだ。お前は何も悪くないよ」
楓の頬を濡らしていた涙を手で拭いながら、康介は何でもない風に笑って見せる。
それから不安そうに顔を歪める楓を改めて抱き寄せて、二人で一緒にベッドに横たわった。
「さあ、もう一度ちゃんと眠ろう」
「う、うん」
「大丈夫だから。安心しておやすみ」
「ありがとう。おやすみなさい」
康介に頭を撫でられながら楓はすぐに眠った。
恐怖と緊張ですっかり疲弊していた楓の意識は、あっという間に落ちてしまった。
寝入った楓の白い頬を手でなぞりながら、康介はさっきの出来事を思い出す。
錯乱状態だった楓に「何もしないから、安心してくれ」と言った時、彼は強張っていた全身から力を抜いた。本当に、心から安心してくれたのだと思った。
それと同時に、ある疑問が湧いた。
(楓の中では“何もしない”ことが安心であり愛情ってことなのか?)
浦坂たちによる惨い暴力を受けたので、何もされないことに安心するのは仕方ないことだ。
そのことは、頭では理解できる。
(でも、それじゃあこれから先、楓は誰とも愛し合うことができないんじゃないか)
ずっと、孤独のまま一生を過ごすことになるのではないだろうか。
(良いのか? それで……)
楓の頬を撫でていた手を止める。
(ならば、いっそのこと俺が……)
あどけない寝顔を見せている楓の頬に、改めて手を置く。
(俺が、“愛し合う”ことを楓に教えてやれないだろうか)
距離を詰めてそっと顔を近付ける。
(浦坂によって刻み付けられた傷を、俺の愛情で上書きしてやれば……)
今まさに楓と唇を重ねようとした──その時、楓の頬に当てていた康介の左手が、
その薬指にはめられていた指輪がキラリと光った。
それは、康介の意識に触れて彼を本来あるべき姿に導く。
「…………」
手を止めて目を閉じて、康介は堪えた。
(駄目だ。この一線を超えてしまったら、長い間蓋をしていた思いが暴走してしまう。
それは、今の楓には暴力にしか映らない。楓を本当に絶望させるだけだ)
目を閉じてて拳を握りしめて、康介は堪えた。
(そうだ。駄目だ。こんなことは。俺は親だ。この子の父親になると誓ったんだ)
左手に光る指輪の煌めきの中に自身の欲望を押さえ込み、康介は楓から手を離した。
そして、眠る楓の額に慈愛を込めて優しい口付けを施した。
親として出来ることはここまでだ。と、自分に言い聞かせた。
「愛してるよ」
優しい声で囁いて、康介は楓から体を離した。
そして、彼の隣に身を横たえて目を閉じた。
その際、楓の目尻から一粒の涙がこぼれ落ちたことに、康介は気付かなかった。
雨は明け方にかけて徐々に収まっていった。
その後は楓も悪夢に魘されて飛び起きることなく、朝まで静かに眠ったのだった。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説

別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。

キンモクセイは夏の記憶とともに
広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。
小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。
田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。
そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。
純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。
しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。
「俺になんてもったいない!」
素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。
性描写のある話は【※】をつけていきます。

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

サンタからの贈り物
未瑠
BL
ずっと片思いをしていた冴木光流(さえきひかる)に想いを告げた橘唯人(たちばなゆいと)。でも、彼は出来るビジネスエリートで仕事第一。なかなか会うこともできない日々に、唯人は不安が募る。付き合って初めてのクリスマスも冴木は出張でいない。一人寂しくイブを過ごしていると、玄関チャイムが鳴る。
※別小説のセルフリメイクです。

【本編完結】小石の恋
キザキ ケイ
BL
やや無口な平凡な男子高校生の律紀は、ひょんなことから学校一の有名人、天道 至先輩と知り合う。
助けてもらったお礼を言って、それで終わりのはずだったのに。
なぜか先輩は律紀にしつこく絡んできて、連れ回されて、平凡な日常がどんどん侵食されていく。
果たして律紀は逃げ切ることができるのか。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)
夏目碧央
BL
兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。
ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

ふつつかものですが鬼上司に溺愛されてます
松本尚生
BL
「お早うございます!」
「何だ、その斬新な髪型は!」
翔太の席の向こうから鋭い声が飛んできた。係長の西川行人だ。
慌てん坊でうっかりミスの多い「俺」は、今日も時間ギリギリに職場に滑り込むと、寝グセが跳ねているのを鬼上司に厳しく叱責されてーー。新人営業をビシビシしごき倒す係長は、ひと足先に事務所を出ると、俺の部屋で飯を作って俺の帰りを待っている。鬼上司に甘々に溺愛される日々。「俺」は幸せになれるのか!?
俺―翔太と、鬼上司―ユキさんと、彼らを取り巻くクセの強い面々。斜陽企業の生き残りを賭けて駆け回る、「俺」たちの働きぶりにも注目してください。

君の恋人
risashy
BL
朝賀千尋(あさか ちひろ)は一番の親友である茅野怜(かやの れい)に片思いをしていた。
伝えるつもりもなかった気持ちを思い余って告げてしまった朝賀。
もう終わりだ、友達でさえいられない、と思っていたのに、茅野は「付き合おう」と答えてくれて——。
不器用な二人がすれ違いながら心を通わせていくお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる