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番外編

その後の日常②後輩刑事の憂鬱

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(ドタキャンされた)

携帯端末を握りしめて、高倍京二はがっくりと肩を落とした。
今夜、付き合って3ヶ月になる彼女とデートをする予定だったのだが、
今しがた彼女から断りの連絡を入れられたのだ。
なんでも、急な残業が入ってしまったとのことだった。

(ウソっぽいなあ。本当は別の男と浮気してたりして……)

ふと、彼女を疑う気持ちが湧き上がる。

(そう言えば、前に会った時に俺に隠れてコソコソと誰かと電話してたな)

一度疑い始めると、何もかもが怪しく思えてしまう。

(また近い内に別れを告げられるのかもなあ)

ため息をついて、高倍は黒のジャケットを脱いだ。
この日の為に用意していた、ちょっと高めのものだった。

(まあ、仕方ないか。俺の方がドタキャンすることもよくあったし)

高倍京二は刑事である。
突発的な事件の発生によって、休みが飛ぶなんてことは珍しくない。
若手なので先輩方から何かと仕事を押し付けられることもよくある。
それゆえに、彼女が居ても碌にデートなど出来ずにいた。
今回こそは、と気合を入れて当直明けのこの日にデートの約束を取り付けた。

夜勤を終え、昼過ぎまで寝て、シャワーを浴びて、夕方を迎えて。
さあ、仕事終わりの彼女に会いに行こうと意気込んでいた矢先、
彼女の方からキャンセルの連絡が入ってきた。

「あーあ、映画のチケットもレストランの予約も無駄になっちまったなあ」

自嘲的に笑いながら普段の服に着替える。
それから、財布を手に取って玄関の扉を開けた。

せめてもの気晴らしに街へ繰り出すことにしたのだった。






夕闇に覆われる都会の街。
お洒落なカフェやブティックが立ち並ぶ煌びやかな表通りを歩く。
仕事終わりの会社員、OL。制服姿の学生らで賑わっている。
そんな中を、高倍はひとり歩く。
特に目的もなく。本来なら彼女と一緒に歩くはずだった道を歩く。

真冬の冷たい空気を肌で感じながら、ショッピングセンターの前を通りかかった。
その時、高倍は見覚えのある人影に気付いた。

(あれは……楓くん?)

高倍にとって同僚であり先輩の刑事・藤咲康介の息子、藤咲楓の姿に気付いたのだ。
彼は、買い物袋をぶら下げてショッピングセンターから出てきたところだった。
小柄で華奢な体つきだからか、楓は外に出るなり寒そうに身を縮こまらせる。
その動作は可愛らしい小動物のようで、高倍は思わず笑みをこぼした。

(今は普通に過ごせてるのかな。それなられ良いけど)

楓が、過去に事件に巻き込まれて心身に深刻なダメージを受けたことは高倍もよく知っている。
刑事として事情聴取をするという形でしか話をしたことがないが、
彼のその後について高倍は何となく気になっていた。
父親である康介に尋ねても、いつも適当にはぐらかされてしまうのだ。

(あれ、どうしたんだろう?)

楓の様子を目で追っていたところ、彼はとある店の前で立ち止まっていた。
店のガラス越しに何かを見つめ、ため息をつく──そんな横顔が見て取れた。

(何か困り事かな?)

気になった高倍は声をかけてみようと思い立った。
暇だったのと、興味本位からだった。

「楓くん」
「えっ⁉︎」

背後からそっと近づいて、高倍は楓の肩に手を置いた。
思いもよらないことだったのか、楓は大袈裟なぐらいにビクンと肩を震わせて振り返った。
その顔があまりにも怯えた様子だったので、高倍は俄かに罪悪感を覚える。

「あ、驚かせてごめんね」
「え、ええと貴方は確か……」
「高倍京二。君のお父さんの同僚の刑事」
「そう言えば……」
「前に話をしたことがあったよね。
 と言っても、事件に対する事情聴取だったから良い印象は無いか」

頭を掻いて軽く苦笑する。
そんな高倍を見て、楓の顔から怯えの表情が消えていった。
代わりに安堵したような笑みを浮かべて頭を下げた。

「高倍さん、その節はお世話になりました」

丁寧で礼儀正しい仕草だった。
高倍は思わず感嘆のため息を漏らす。

「いやあ、全然。あの時は辛かっただろうに、質問に答えてくれてありがとね」
「高倍さんが優しくしてくれたお陰で、大分話しやすかったです」
「いやいや、俺なんてそんな」

楓の言葉を受けて、高倍は照れ臭そうに笑った。

高倍は気安く砕けた雰囲気を持っている。
それは時に、頑なになっている人の心を上手く解すこともある。
それによって上手に証言を引き出せたこともある。
楓も、事件に巻き込まれて疲弊していた最中に事情聴取を受けたのだが、
高倍の優しくも砕けた態度によっていくらか救われていた。

「ところで、どうかしたの? 何か困っているように見えたんだけど」
「大したことじゃないんです。夕食のメニューのことを考えてて……あ!」

突然、楓が何か閃いたように目を見開いた。

「あの、高倍さん。今ってお仕事中ですか?」
「いや、今日は非番なんだ」
「ああ、そうなんですね。じゃあその、少しお時間を頂くことって出来ますか?」
「え?」
「用事があるなら全然いいんですけど」
「ううん。俺、今日は暇だから。時間ならいくらでもあるよ」
「そうなんですか。じゃあ……」

少し戸惑いつつ、楓はおずおずと高倍の顔を見上げる。
いわゆる上目遣いの視線を受けて、高倍は胸の鼓動が高鳴るのを感じた。

「少しだけで良いんで、僕と付き合って下さい」
「え? ……え⁉︎」

思いもよらない申し出に高倍は思わず目を見開いた。







「お付き合い頂いてありがとうございました」

ワインの入った紙袋を手に持って、楓は嬉しそうに笑う。
リカーショップを出て、高倍と楓はしばらく並んで歩いた。

「お陰様で欲しかったワインが手に入りました」
「そっか。それは良かった……のかな」

満足そうな笑顔を見せる楓とは対照的に、高倍は曇った顔で曖昧に笑う。

楓からの申し出は、一緒にリカーショップに入ってワインの購入を手伝ってほしいとのことだった。
彼は店の前で佇み、立ち並ぶワインボトルを見ていた。
しかし、未成年なので買うことはできないと思い、ため息をついた。
そこへ偶然にも現れたのが、大人の男である高倍だった。
彼と一緒ならワインを買えると思い、楓は一緒に店に入ることをお願いしたのだ。

予め欲しい物を決めていたのか、買い物はものの5分ほどで済んだ。
会計時、高倍が前に立つことで難なくワインを購入できた。
それが収まっている紙袋は今、楓の手の中にある。

「まさか君が飲むわけじゃないよね」

今更ながら一応の確認をとる。
警察の身でありながら未成年がお酒を買う行為に協力した……
というおかしな状況に高倍は立っていた。

「はい、もちろん」
「そっか。それなら良いんだ」

あっけらかんとして答える楓に、高倍はほっと息をつく。

「あ、もしかしてお父さんから頼まれてたとか?」
「いえ、今回は康……父にも秘密で手に入れたかったんです」
「ん? どういうこと?」
「今日はちょっとした記念日でして。
 それでサプライズでワインを使った料理を作りたかったんです」
「へえ、何だか本格的だね。何を作るの?」
「ビーフシチューです。
 赤ワインを使うと高級感のある味になるって何かで聞いて、それで……」

話の途中で、不意に楓が言葉を止める。
二人の目の前を白いワゴン車が通り過ぎて行ったのだ。

「あ……」

何事も無く、車は走り去って行く。
しかし、楓はその場で固まったまま動かなくなっていた。

「楓くん、どうした?」

訝しい顔をした高倍の目に、蒼白な顔をした楓が映った。
それまでニコニコと笑いながら話をしていたのに、
今は怯えて引き攣った表情をしていた。

「大丈夫?」

呼びかけるが反応が無い。
手や体が小刻みに震えているのを見て、高倍はようやく気付いた。

(あ、トラウマ反応だ)

このままではいけないと判断して、
高倍は楓を無理やり引っ張って近くにあったベンチに座らせた。
呼吸が不安定になっている。
頬には冷や汗が流れ落ちていた。
目を閉じて両手で口を押さえて苦しみに耐える様が可哀想で、
高倍はせめてもの慰めにと楓の背中をさすった。

(元気そうに見えても、いつおかしくなるか分からないんだな)

かつて楓は二人組の男に拉致されて酷い暴行を受けたことがある。
その際に用いられたのが白いワゴン車だった。
だから、事件が解決してある程度時間が経った今でも、
同じタイプの車を見かけると当時の記憶がフラッシュバックするのだろう。

(俺が思ってるよりずっと大変なんだろうな。楓くんも、藤咲さんも)

小さく震える楓の背中をさすり続ける。
やがて落ち着きを取り戻したのか、楓は口に当てていた手をそっと離した。

「すみません、ご迷惑をお掛けしました」
「いやいや、全然そんなことないから」

我に返ったらしい楓が申し訳なさそうに頭を下げる。
なんてことはない、と示すように高倍は軽く笑ってポンポンと楓の肩を優しく叩いた。

「そう言って頂けるとありがたいです。
 いつか必ず今回のお礼をするので、今日はこれで……」
「あ、待って!」
「?」

立ち上がり帰ろうとした楓を、高倍が咄嗟に引き留めた。
楓の顔はまだ青白く、一人で帰宅させて良い状態とは思えなかったからだ。

「楓くん、この後急ぎの用事とかある?」
「いいえ。自宅に帰るだけです」
「じゃあさ、今度は俺に付き合ってくれないかな」
「え?」



戸惑う楓の腕を引っ張って、高倍はとあるカフェに入店した。
ウッド内装が特徴的な小洒落た店だった。
店の中は、外とは別世界の暖かさだった。
やや暖房が効き過ぎているような気がする。
そこそそ広い店だったが、客は多く賑わっていた。
そんな中、たまたま一つ席が空いていたのは幸運だった。

「素敵なカフェですね」

木目調の床やテーブル、あちこちに飾られた観葉植物を見ながら楓が微笑む。
まだ顔色は悪く、無理して笑っているように見えた。

「本当は彼女と来る予定だったんだ」
「え? そうだったんですか。何か、すみません」
「ああ、ごめんごめん。謝らないで。
 今日は俺が彼女にドタキャンされちゃったんだよ」
「ああ……そうだったんですね」
「でも、お陰で楓くんに会えたから結果的にラッキーだったかな」

軽い雰囲気で笑ってみせる高倍につられるように、楓も笑う。
今回は自然な微笑みだった。
そんな二人の前に、湯気の立つココアが運ばれる。

「俺さ、前から楓くんと仲良くなりたいなぁって思ってたんだよね」
「え? 僕と、ですか?」
「うん。君のことは藤咲さんからよく聞かされていたから。
 どんな子なんだろう、てずっと気になってたんだ」
「父が、僕のことを?」
「うん。家事が得意で、中でも料理の腕前は世界一だってよく言ってたよ」
「えぇ……そんな大袈裟な。恥ずかしい」
「あはは。それぐらい、藤咲さんにとっては自慢の息子ってことなんだよ」

顔を赤らめて俯く楓を見て、高倍は殊更おもしろそうに笑う。

「確か、父子家庭なんだよね」
「はい」
「家の事を任せっきりで申し訳ないってことも言ってたよ」
「そんなこと、全然無いのに」
「そんなだから、楓くんが居てくれないと生きていけないだろうって」
「…………」
「まあ、大袈裟な表現だと思うけど、それぐらい楓くんの存在が大切で……」

高倍が不意に言葉を詰まらせる。
目の前で楓が涙をこぼしていたからだった。

「え? 楓くん、大丈夫?」
「すみません。僕なりに父の役に立ててたんだって思って。つい……」

それは涙を流すほどのことなんだろうか?
と不思議に思った高倍だったが、嬉し涙ならまあ良いかと自分を納得させた。

(思春期だし、事件の後遺症もあるだろうし、心が不安定なのかもなあ)

そんなことを思いつつ、高倍はカップに口を付ける。
手で涙を拭う楓を見ていると、なぜか抱き締めてやりたい気持ちが湧き上がった。
それを誤魔化すように、ココアを口の中に押し込んだ。

「お話ししてくれてありがとうございました」

目の端に僅かに涙を残したまま、楓は微笑んでお礼を言った。
心が温まるような甘い微笑みに、思わず高倍は見惚れてしまう。

(コ、ココアだ! ココアの甘い香りのせいだ!)

俄かに湧き上がった謎の感情を押し殺すようにして、高倍は残りのココアを飲み干した。

そうして、店を出る頃には楓の顔色もすっかり良くなっていた。 





「じゃあ、ここで良いかな」
「わざわざここまで送って頂いてありがとうございます」
「いやいや、俺がそうしたかっただけだから」

カフェを出た後、二人はタクシーを使って楓の自宅マンションの前に辿り着いた。
楓は遠慮したが、高倍がどうしてもと言って勧めたのだ。

「何かお礼をしないと」
「良いよ。気にしないで」
「いえ、僕がそうしたいんです。何が良いかな……」
「じゃあさ、俺からお願いして良いかな?」
「はい。もちろんです」
「えーと、その……またいつか、近い内に俺と一緒にカフェに行くってのはどう?」
「え?」
「で、俺の話し相手になって欲しいなあ、なんて」
「それでお礼になるんですか?」
「ああ、もちろん」
「そういうことなら、喜んで」

笑顔で頷く楓を見て、高倍も嬉しそうに笑った。

「じゃあ、また連絡するね」
「はい。今日はありがとうございました」

こうして、楓を自宅に送り届けた高倍は、意気揚々と帰路についた。
彼女とのデートがキャンセルになった悲しみは、とうに何処かへ行っていた。






翌日

「よお、高倍」

警察署に出勤した高倍は、事務所にて背後から声を掛けられた。
振り向くと、先輩刑事の藤咲康介が立っていた。

「あ、藤咲さん。おはようございます」

高倍は普段通りに挨拶をする。
が、心なしか康介の目つきが険を帯びているような気がして、俄かに後ずさる。

「昨日はうちの楓が世話になったようだな」
「え? いや、そんな」
「お陰様で、昨夜は最高のビーフシチューを味わえたよ」
「そ、それは良かったですね」
「お前がワインの購入を手伝ってくれたお陰だ。礼を言う」
「そんな大袈裟っすよ」

康介の言葉は穏やかだし、口元にはうっすら笑みすら浮かんでいる。
先ほど、一瞬だけ険を帯びているように見えたが、あれは気のせいだったのかと思い直す。

「あ、そう言えば昨日って何かの記念日だったんですか?」
「ああ、まあな」
「1月24日、て何かありましたっけ」
「俺と楓だけの秘密だ」
「はあ……」

得意げに笑い、康介は左手の指輪を見せつけた。
その意図を知らない高倍は、ただただ怪訝な顔をするばかりだった。

「まあ何にせよ、昨日は楓を助けてくれてありがとう」
「いえいえ。とんでもないです」

一通り話し終えて自席に着こうとした時、再び康介が声を掛けた。

「ああ、そうだ。高倍」
「はい?」
「昨日は残念だったようだが、彼女と仲良くな」
「え? あ、はい」

戸惑いながらも高倍は首を縦に下ろす。
そんな彼の肩をポンと叩き、康介は改めてその場を立ち去っていった。

「…………」

なぜ康介が彼女との仲について言及してきたのか、高倍にはよく分からなかった。

(まあ良いか。それより、次に楓くんと一緒に行くカフェを探そう)

康介の内心など知る由もない高倍は、呑気なことを考えながら書類仕事に手を付ける。
先ほど彼に叩かれた肩が微妙に痛い……のは、きっと気のせいだろう。




(終)

───────────────

高倍氏にはやましい気持ちは無いんだと思います。ちょっとだけしか。
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