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九之巻、在りし日の、けや木屋世太郎と梅乃屋花小町
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来夜を柳の下に残して、金兵衛はもう一度大門をくぐった。
(旦那はいつも、こんな大金持ち歩いてんのか? ってこたぁ、マルニンには大層な資金があるってことだよな。いやいや確かに盗みごとの収入を考えれば、大金持ちになってておかしくないが――)
無駄遣いが性分ゆえに、いつも寒いふところをさすっている金兵衛は、煩悩に取りつかれて悶々とする。
通りの両側には引手茶屋がずらりと並んでいる。金兵衛はそのうちの一軒、右手の大茶屋のすだれを払って中へ入った。
「花小町さん―― 覚えてますよ」
女将は膝をつき、金兵衛の手にしたお猪口に酒をついだ。
「気のしっかりした人でねえ、おっとりと見せていても、芯は強かったろうね。だいぶ昔のことじゃないの。なんであの子のことなんか、今頃お前さんがねえ」
「花小町は大層なお大尽に身請けされたと聞いたが?」
「なんて言ったかねえ。そうそう、『けや木屋』の長男で、与太郎さまと言ったっけ。花小町さんは芸も達者で、お顔もうるわしゅうて引き手あまただったんだが、結局まだお若い与太郎さまのもとへ請け出されていったんだよ。花魁の意向あってと言われたが、賢くいなすった花魁が、なぜあの男のもとへねえ」
「ろくな奴じゃないのか?」
「気立ては良かったよ。やさしくて気前が良くて面白くて。でも湯水のように金を使うのさ。しかも一度飲むと、もう手がつけられない。見境なく飲んで食って芸者につぎ込んで。あたしらにとっちゃあいいお客さんだが、花小町さんはお妾さんになったんじゃなくて、夫婦になったというじゃないか、あんな男のもとへ嫁いだ女は一生苦労するだろうよ。家には金があったようだけど、あんな使い方していたら身上傾けるのも時間の問題さぁ。そうそう、花魁はいつも、そこに腰掛けて、与太郎さまを待っていたっけねえ」
女将は金兵衛の肩越しに、表通りのほうを顎で示す。
夕暮れの風にゆれる暖簾の下、店先にちょんと腰掛けて長煙管をふかしながらぼんやり表通りを眺めている――島田に結った黒髪に、何枚も重ねたきらびやかな着物。女将の目には、花小町の後ろ姿が昨日見たもののようによみがえった。
「それで花小町は、与太郎のもとへ嫁いで、幸せになったのかい?」
金兵衛はぐいと酒をあおる。
「それが、与太郎さまの親父さんが吉藁出の嫁にいい顔しなくてねえ、その後も与太郎さまが変わらず酒だの博打だの金を遊びにつぎ込んだものだから、ついに勘当されて、店は弟さんが継いだんだよ。子供だっていたのに、かわいそうなことだよ」
「子供?」
「そう。吉藁にいた頃に身ごもりなすってね、二人で住むようになってから生まれたようだけど、確か女の子だったとか。そうそう、派手好きの与太郎さまはいっつも自慢していなすったよ。その赤ちゃんが花小町さんに宿ったのは、きっと吉藁に隕石の落ちた日なんだって」
「へえ。そいつぁすげえや」
「梅乃屋の中庭にある老木を焼き、燃え尽きて炭になったんだよ。翌日即かわら版が出回ったのさ」
雷に焼かれたような木の残骸なら、金兵衛も知っている。お萩ちゃんは星神さまが宿っている、と言っていた。だから毎晩、明日も仕事がうまくいくように祈るのだと。
運が悪けりゃ火事になっていたところだが、木を焼いただけで燃え尽きたなら、いい客寄せ名物だ。だから今日まで伐らずにおいたのだろう。「夜来化石」の柱書きも、同じ理由で残っているのだろう。
金兵衛ははたと箸を止めた。来夜のねえさんは、星と共に母親の体に宿ったのではなかったか。
「その女の子の名前は分かるか?」
女将は首を振った。「そりゃ無理だよ、金さん。ここは随分、都から離れているんだもの。勘当されなすってからの与太郎さまは、次第に遊び仲間からも遠ざかって、ここに噂を持ち込む人も減っていったのさ」
与太郎と花小町のその後に思いを馳せていた金兵衛は、ふと気が付いて、
「そのけや木屋ってのは今もあるのか? お大尽ってわりには名前聞かねえが」
「昔はすごかったのさ。金さん、都生まれじゃなかったものなあ、そしたら知らないでも無理ねえわ。親父さんが亡くなって弟さんが店継いでから、かんばしくなくってねえ、今じゃ小さな店になっちまったろ」
「何を売ってるんだ?」
「材木の卸売りよ」
金兵衛は楊枝を肴につきたてて、
「結局弟ってのも、駄目だったんじゃねえか」
なぜだか、与太郎の肩を持って、弟が憎らしく思えてくる。
「噂によると、全てが与太郎さまとは逆だったようでね、気も小さいし財布の紐は固いし、気前は悪いし。ケチなお人ってのは、大きな商売には向かないからねえ。店をつぶしはしないけれど、よく言えば手堅く、悪く言えば小さな店しか持てないのさ」
「そいつぁあその通りだ。あっしは与太郎系だな」
大幸運から豪商の後継ぎに選ばれて、一年ばかりで追い出された苦~い過去などよみがえって、金兵衛はなぜ自分が与太郎に肩入れしていたのか謎が解けた。
「で、今その二人はどこにいる」
「与太郎さまと花小町さんかえ? あたしも知らないねえ。大層な借金抱えて、住まいも裏通りのつぶれかけた長屋に移して、それからも転々としていたみたいだけど、それはここからは遠いところの話だからねえ」
金兵衛は腕を組んで考える。来夜の姉雪花が、与太郎と花小町の子だとするならば、雪花は何か訳があって、弟と二人で長屋を出、苦しい生活を経て来夜だけを寺にあずけ、ひとり働き学んだ。だが結局路頭に迷い、その母譲りの美貌から廓に連れて来られた――それが今の宴小町ということになる。だが何か引っかかる。なんだっけ? と首をひねる金兵衛の思考を、女将が遮った。「それからなんだい? 梅乃屋の花魁のことだっけ?」
頼む、と答えて金兵衛は片手をそっと袂に差し入れ何かを手に取ると、伸ばした指の下にそれを隠して、すすと卓の表をすべらせた。
「およしよ、金さん」
女将はお歯黒を見せて笑うと、「かわいい旦那の使いっ走りだろ? 毎度のご縁もあること、もうこれだけで充分さ」
と帯の上をたたいた。
「小さな弟がいたちゅう話なら、聞いたことがあるが――」
「その弟、八つ違いで、三つの年に寿隆寺に預けられたりはしてねえかな」
「寿隆寺ってのは確か都にあるお寺だろう?」
「ああ。仁王橋町の隣、大門町の――」
「それじゃあ違うんでないかい? 花魁は弘国の人だよ。子供のうちに遙々連れて来られたんだから。弟さんはきっと、お国に残してきなすったんじゃないかえ」
貧しい百姓の娘で、飢饉の年にでも人買いに売られてしまったのだろう、と考えて、金兵衛は、あ、と声を上げた。
(引っかかってたのは、雪花が学問を究めるために都へ来たってことだ)
都の材木商・けや木屋与太郎の娘というのが、不自然なのだ。
(じゃあ、宴小町は与太郎たちの子じゃない)
では、雪花は宴小町なのだろうか。金兵衛は口に運ぶ手を止め、楊枝をくわえたまま宙一点を見据えている。
人買いに買われた子が弟を預けにひとりで寺へ来るだろうか。学問をしたいというのが哀しい嘘だったにしても、弘国から三つの弟など連れてくるだろうか。よしんば弟が都に来たとしても、それはやはり、人買いや旅芸人に売られてのことではないだろうか。
(与太郎も宴小町も、旦那とは関係ないのか?)
では夜来化石の字は? 金の瞳を持つ花魁・宴小町の弟とは?
(ま、明日会えば、はっきりするな)
結局、何もはっきりとしないまま、金兵衛は礼を言って茶屋を出た。情報が増えた分、謎も増えてしまった。
(旦那はいつも、こんな大金持ち歩いてんのか? ってこたぁ、マルニンには大層な資金があるってことだよな。いやいや確かに盗みごとの収入を考えれば、大金持ちになってておかしくないが――)
無駄遣いが性分ゆえに、いつも寒いふところをさすっている金兵衛は、煩悩に取りつかれて悶々とする。
通りの両側には引手茶屋がずらりと並んでいる。金兵衛はそのうちの一軒、右手の大茶屋のすだれを払って中へ入った。
「花小町さん―― 覚えてますよ」
女将は膝をつき、金兵衛の手にしたお猪口に酒をついだ。
「気のしっかりした人でねえ、おっとりと見せていても、芯は強かったろうね。だいぶ昔のことじゃないの。なんであの子のことなんか、今頃お前さんがねえ」
「花小町は大層なお大尽に身請けされたと聞いたが?」
「なんて言ったかねえ。そうそう、『けや木屋』の長男で、与太郎さまと言ったっけ。花小町さんは芸も達者で、お顔もうるわしゅうて引き手あまただったんだが、結局まだお若い与太郎さまのもとへ請け出されていったんだよ。花魁の意向あってと言われたが、賢くいなすった花魁が、なぜあの男のもとへねえ」
「ろくな奴じゃないのか?」
「気立ては良かったよ。やさしくて気前が良くて面白くて。でも湯水のように金を使うのさ。しかも一度飲むと、もう手がつけられない。見境なく飲んで食って芸者につぎ込んで。あたしらにとっちゃあいいお客さんだが、花小町さんはお妾さんになったんじゃなくて、夫婦になったというじゃないか、あんな男のもとへ嫁いだ女は一生苦労するだろうよ。家には金があったようだけど、あんな使い方していたら身上傾けるのも時間の問題さぁ。そうそう、花魁はいつも、そこに腰掛けて、与太郎さまを待っていたっけねえ」
女将は金兵衛の肩越しに、表通りのほうを顎で示す。
夕暮れの風にゆれる暖簾の下、店先にちょんと腰掛けて長煙管をふかしながらぼんやり表通りを眺めている――島田に結った黒髪に、何枚も重ねたきらびやかな着物。女将の目には、花小町の後ろ姿が昨日見たもののようによみがえった。
「それで花小町は、与太郎のもとへ嫁いで、幸せになったのかい?」
金兵衛はぐいと酒をあおる。
「それが、与太郎さまの親父さんが吉藁出の嫁にいい顔しなくてねえ、その後も与太郎さまが変わらず酒だの博打だの金を遊びにつぎ込んだものだから、ついに勘当されて、店は弟さんが継いだんだよ。子供だっていたのに、かわいそうなことだよ」
「子供?」
「そう。吉藁にいた頃に身ごもりなすってね、二人で住むようになってから生まれたようだけど、確か女の子だったとか。そうそう、派手好きの与太郎さまはいっつも自慢していなすったよ。その赤ちゃんが花小町さんに宿ったのは、きっと吉藁に隕石の落ちた日なんだって」
「へえ。そいつぁすげえや」
「梅乃屋の中庭にある老木を焼き、燃え尽きて炭になったんだよ。翌日即かわら版が出回ったのさ」
雷に焼かれたような木の残骸なら、金兵衛も知っている。お萩ちゃんは星神さまが宿っている、と言っていた。だから毎晩、明日も仕事がうまくいくように祈るのだと。
運が悪けりゃ火事になっていたところだが、木を焼いただけで燃え尽きたなら、いい客寄せ名物だ。だから今日まで伐らずにおいたのだろう。「夜来化石」の柱書きも、同じ理由で残っているのだろう。
金兵衛ははたと箸を止めた。来夜のねえさんは、星と共に母親の体に宿ったのではなかったか。
「その女の子の名前は分かるか?」
女将は首を振った。「そりゃ無理だよ、金さん。ここは随分、都から離れているんだもの。勘当されなすってからの与太郎さまは、次第に遊び仲間からも遠ざかって、ここに噂を持ち込む人も減っていったのさ」
与太郎と花小町のその後に思いを馳せていた金兵衛は、ふと気が付いて、
「そのけや木屋ってのは今もあるのか? お大尽ってわりには名前聞かねえが」
「昔はすごかったのさ。金さん、都生まれじゃなかったものなあ、そしたら知らないでも無理ねえわ。親父さんが亡くなって弟さんが店継いでから、かんばしくなくってねえ、今じゃ小さな店になっちまったろ」
「何を売ってるんだ?」
「材木の卸売りよ」
金兵衛は楊枝を肴につきたてて、
「結局弟ってのも、駄目だったんじゃねえか」
なぜだか、与太郎の肩を持って、弟が憎らしく思えてくる。
「噂によると、全てが与太郎さまとは逆だったようでね、気も小さいし財布の紐は固いし、気前は悪いし。ケチなお人ってのは、大きな商売には向かないからねえ。店をつぶしはしないけれど、よく言えば手堅く、悪く言えば小さな店しか持てないのさ」
「そいつぁあその通りだ。あっしは与太郎系だな」
大幸運から豪商の後継ぎに選ばれて、一年ばかりで追い出された苦~い過去などよみがえって、金兵衛はなぜ自分が与太郎に肩入れしていたのか謎が解けた。
「で、今その二人はどこにいる」
「与太郎さまと花小町さんかえ? あたしも知らないねえ。大層な借金抱えて、住まいも裏通りのつぶれかけた長屋に移して、それからも転々としていたみたいだけど、それはここからは遠いところの話だからねえ」
金兵衛は腕を組んで考える。来夜の姉雪花が、与太郎と花小町の子だとするならば、雪花は何か訳があって、弟と二人で長屋を出、苦しい生活を経て来夜だけを寺にあずけ、ひとり働き学んだ。だが結局路頭に迷い、その母譲りの美貌から廓に連れて来られた――それが今の宴小町ということになる。だが何か引っかかる。なんだっけ? と首をひねる金兵衛の思考を、女将が遮った。「それからなんだい? 梅乃屋の花魁のことだっけ?」
頼む、と答えて金兵衛は片手をそっと袂に差し入れ何かを手に取ると、伸ばした指の下にそれを隠して、すすと卓の表をすべらせた。
「およしよ、金さん」
女将はお歯黒を見せて笑うと、「かわいい旦那の使いっ走りだろ? 毎度のご縁もあること、もうこれだけで充分さ」
と帯の上をたたいた。
「小さな弟がいたちゅう話なら、聞いたことがあるが――」
「その弟、八つ違いで、三つの年に寿隆寺に預けられたりはしてねえかな」
「寿隆寺ってのは確か都にあるお寺だろう?」
「ああ。仁王橋町の隣、大門町の――」
「それじゃあ違うんでないかい? 花魁は弘国の人だよ。子供のうちに遙々連れて来られたんだから。弟さんはきっと、お国に残してきなすったんじゃないかえ」
貧しい百姓の娘で、飢饉の年にでも人買いに売られてしまったのだろう、と考えて、金兵衛は、あ、と声を上げた。
(引っかかってたのは、雪花が学問を究めるために都へ来たってことだ)
都の材木商・けや木屋与太郎の娘というのが、不自然なのだ。
(じゃあ、宴小町は与太郎たちの子じゃない)
では、雪花は宴小町なのだろうか。金兵衛は口に運ぶ手を止め、楊枝をくわえたまま宙一点を見据えている。
人買いに買われた子が弟を預けにひとりで寺へ来るだろうか。学問をしたいというのが哀しい嘘だったにしても、弘国から三つの弟など連れてくるだろうか。よしんば弟が都に来たとしても、それはやはり、人買いや旅芸人に売られてのことではないだろうか。
(与太郎も宴小町も、旦那とは関係ないのか?)
では夜来化石の字は? 金の瞳を持つ花魁・宴小町の弟とは?
(ま、明日会えば、はっきりするな)
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