32 / 41
二章、加速 ――Tumbling Down――
11.一葉は夜響に、世界を壊せるほどの愛を捧げたのに
しおりを挟む
広松が寝室に戻ると薄闇の中、少女がぽつんと彼のベッドに座っている。
「どうした」
「頭も痛いし寒気がする」
「風邪か?」
額に手を当ててみるが熱はない。「何もかけずにソファで寝たのが良くなかったか」
日が暮れると室内には、涼しい風が舞い込む。
「分かんない、寒い」
少女はもぞもぞと、タオルケットの中にもぐり込む。困った顔してベッドに腰掛ける広松に、
「どこにも行かないで、広松さん。隣に寝て」
「いや――」
「あたし右に寄るから、ね、ここに横になって」
少女がせがむので、広松はタオルケットの上にごろんと横になった。「まだお父さんとこんなふうに並んで寝たりするのか?」
「知らない。あたしがものごころついたときには、うちの両親離婚済みだもん」
一瞬にして少女への同情と、織江との仲への不安と、守の将来のことが心に掛かる。少女は寝返りをうって頬を寄せる。
(俺たち二人のことじゃない、守のためなんだ)
不安がり助けを求める少女に、今度は幼い息子が重なって、広松はぼんやりと窓の外に目を向けたまま、少女の肩を抱いた。そして同時に、ベランダの手摺りに座る人影に気が付いた。
窓硝子が砕け散る。はっとして振り返る少女の顔に、驚愕と意地の悪い歓喜が交錯する。真夏だというのに、雹の混ざる風に乗って、夜響はベッドの前に降り立った。少女の襟首を掴みベッドから引きずりおろす。
「ここで何をしている、ユリ」
赤い目を吊り上げた夜響は、醜く恐ろしい鬼であった。ゆりが嘲笑の形に歪めた唇から毒の刃を吐く前に、何も知らぬ広松が夜響をゆりから引き離す。
「よすんだ、夜響。この子に手を上げるんじゃない」
「なんで――」
信じられない光景に、夜響の目は大きく見開かれ、驚愕と哀しみに揺れた。ゆりは広松の背中に隠れ、声を立てずに大口を開けて笑う。
「どうして」
夜響の視界がじわりと滲む。
「こういうこと」
ゆりは意味ありげに呟いて、ぴょんとベッドの上に跳び上がると、広松の首に腕を絡めた。慌てる彼の頬を撫でまわし、唇に指を差し入れ、うなじに接吻する。
「やめろぉ!」
夜響が叫んだ。
「あははは。ガキが粋がってんじゃないよ、広松さんね、あんたみたいな子供にゃあ興味ないってさ!」
追いかける夜響から逃れて、ゆりはベッドから飛び降りる。部屋を出、笑いながら居間を横切り、短い廊下で夜響に捕まった。
「広松さんはね、あんたを気持ち悪いって言ってたよ」
夜響の後ろから広松が何か言うが、ゆりの笑い声にかき消されて聞こえない。
「なんか言いなよ、夜響!」
無言のまま、夜響は仰向けに倒れたゆりに馬乗りになり、その額に指をあてた。はっとして、ゆりの顔がひきつる。「やだよ夜響、やめて、人になんて戻りたくない!」
――消えろ
夜響が低く呟いた。
「どうして、なんで! そんなにあの男が好きなの?」
「黙れ」
夜響はぐっと、額にあてた指に力をこめた。「問題はお前らの関係じゃない。ユリ、あんたが約束を破ったことだ」
「約束」
「そうだとも。夜響はお前に夢をあげる、その代わりにお前は夜響に愛を誓う」
ゆりの視線が、夜響のそれとぴったり合った瞬間、夜響は指先に神経を統一した。
「いやぁ!」
悲鳴が上がる。
「貴様は夜響を裏切ったんだ!」
ごうっと瘴気――妖気の風が吹き上がり、己の黒髪が渦を巻く中で、ゆりはあまりの苦痛にかすれた悲鳴をあげ続けた。体中から力が抜けてゆく。
「助……けて」
「もう終わったよ」
夜響がゆらりと立ち上がる。「さっさと消えちまいな」
「夜響…… ふざけんな……」
蚊の鳴くような声で呟いて、ゆりは必死で上体を起こした。ひどい脱力感で、廊下に両手をつくだけで精一杯、乱れた髪の間からにらみつける。
「消えろ」
白い裾から白い足が伸びて、ゆりの横っ面を蹴り飛ばした。「人の気は吸い取らずにやったんだ。有り難く思えよ」
ゆりの顔が恐怖に染まる。人の気を吸い取られれば、死ぬ。最後の力を振り絞って、部屋の外へ這い出た。
扉に挟まっていた細い足が消えて、ばたんと閉まる玄関に、冷ややかな目を向けていた夜響はだが、振り返ると涙に頬を濡らしていた。一度に二つのものを失った。「なんでだ」
なんでだ、所長―― その痛い言葉を聞く前に、広松は何とか説明を試みた。だが焦る言葉は言葉にならず、夜響がなぜと問う相手も「所長」ではなかった。
「なんでだ、夜響は―― 夜響は最高なんじゃなかったのか? 神にも悪魔にもなれたはずだ! 本当の自由を手に入れたはずだ!」
先程にも増す瘴気の渦が、嵐となり広松を襲う。その真ん中で、夜響は狂った笑い声をあげ始める。
「望みはひとつ残らず叶うんだ!」
「夜響、抑えろ! それ以上自分を憎んではいけない!」
だが広松の呼ぶ少女の名は、本当の名ではない。夜響など存在しない。少女の心は常に暗い嵐の中、一度として広松の手が届いたことなどなかったのだ。
(俺はこの子のことなど、何も知らないんだ)
広松は歯を食いしばり、調べた少女たちの名を思い出した。今の少女がゆりと呼ばれていたので、まず市野沢百合子を除外し、次に思い出したのは、山本一葉の名だった。
「一葉!」
気を込めて叫ぶ。夜響は動きを止めた。笑い声も途絶えた。
「誰だよそれは」
涙を流しながら、笑みを引きつらせる。
「あたしはもう人じゃない、夜響になったんだ! 夜響は、あたしの、救世主なのに!」
子供たちが憧れマスコミが書き立て広松が愛した夜響、だがその理想のイメージに最初に恋をして、もっとも強く愛し続け、ずっと頼り続けたのは、ほかでもなく創造者である少女だったのだ。
彼女は両手で顔を覆う。泣き叫ぶ。「夜響は美しいよ、気持ち悪くなんかない」
再び瘴気が渦を巻き始め、広松は慌てて、一葉、と叫んだ。金縛りにあったように、目を見開いたまま動きを止めた夜響へ、広松は袂から護符をつかみ取り一歩ずつ近付いた。
「どうして思い出させるの」か細い声で、夜響が問うた。「あたしはただ、夜響でいたいだけなのに」
広松は、夜響の額に護符を押しあてた。
「山鬼急急如律令!」
(どうか静まってくれ夜響、弱い心を殺さないでくれ)
広松は一心に祈り続ける。だが――
「嫌だ! あたしは変わりたいんだ!」
叫び声が嵐を生み、広松は吹き飛ばされた。廊下の壁に背中を打つ。
「所長はそんなに、夜響に消えてほしいんだ」
こめかみの皮膚が裂け、吹き出す鮮血の中から、角が姿を現した。夜響は益々オニになってゆく。
「違う」
広松の声はかすれている。衝撃で噛んだ唇からは、血が流れる。
「違うぞ、夜響」
青ざめた顔に目は座り、唇を赤く染めながら、荒れ狂う瘴気に構いもせず夜響へ近付いた。目眩と吐き気が針となって襲う。
「来るな、来ちゃ駄目だ、所長! 夜響はあんたを殺しちまうかも――」
その言葉は続かなかった。傷だらけの広松は、気が遠くなるような嵐の中で、しっかりと夜響を抱きしめていた。衣は裂け、強風にはためいている。
「夜響、私は確かに、きみを愛しているんだ」
もう、どうしようもなかった。護符も呪文も無意味なもの、荒れ狂う夜響の魂を鎮めることなど出来ない。広松は何も考えられず、ただ思いのままその子供を抱きしめていた。
「所長、所長」夜響は泣きじゃくる。「痛いよ、怖いよ」
両の角の根本から血を流しながら。
「怖かったな、夜響。だけどもう大丈夫だ、私がいるから」
夜響の白い髪に、広松は頬をこすりつけた。次第に収まってゆく嵐の中で、広松はささやく。「こんなことはもう、今夜で終わりにしよう」
果たして夜響は、素直にうなずいた。
(ようやく、幕は下りる、夜響は人に戻る)
広松はじっと、目をつむった。達成感に満ちた喜びより、淋しさが胸を突き上げる。
(もう二度と、奇妙で不思議なオニに会えなくなる――)
額の血も止まって、夜響はベッドの上で膝を抱えていた。
「夜響もう眠い。儀式は明日でいい?」
とろんとした目で見上げる。
「そうしよう」
幼さが残る顎の辺りを、指で撫でてやる。
「夜響が逃げると思うんなら、紐で縛る?」
ベッド脇のかごに入れてあった布団干しに使うビニール紐を、体にぐるぐると巻き付ける。
「馬鹿」
と広松は笑って、はだけた着物に巻き付いて、白い肌を締め付ける紐を床に捨てた。
「どうした」
「頭も痛いし寒気がする」
「風邪か?」
額に手を当ててみるが熱はない。「何もかけずにソファで寝たのが良くなかったか」
日が暮れると室内には、涼しい風が舞い込む。
「分かんない、寒い」
少女はもぞもぞと、タオルケットの中にもぐり込む。困った顔してベッドに腰掛ける広松に、
「どこにも行かないで、広松さん。隣に寝て」
「いや――」
「あたし右に寄るから、ね、ここに横になって」
少女がせがむので、広松はタオルケットの上にごろんと横になった。「まだお父さんとこんなふうに並んで寝たりするのか?」
「知らない。あたしがものごころついたときには、うちの両親離婚済みだもん」
一瞬にして少女への同情と、織江との仲への不安と、守の将来のことが心に掛かる。少女は寝返りをうって頬を寄せる。
(俺たち二人のことじゃない、守のためなんだ)
不安がり助けを求める少女に、今度は幼い息子が重なって、広松はぼんやりと窓の外に目を向けたまま、少女の肩を抱いた。そして同時に、ベランダの手摺りに座る人影に気が付いた。
窓硝子が砕け散る。はっとして振り返る少女の顔に、驚愕と意地の悪い歓喜が交錯する。真夏だというのに、雹の混ざる風に乗って、夜響はベッドの前に降り立った。少女の襟首を掴みベッドから引きずりおろす。
「ここで何をしている、ユリ」
赤い目を吊り上げた夜響は、醜く恐ろしい鬼であった。ゆりが嘲笑の形に歪めた唇から毒の刃を吐く前に、何も知らぬ広松が夜響をゆりから引き離す。
「よすんだ、夜響。この子に手を上げるんじゃない」
「なんで――」
信じられない光景に、夜響の目は大きく見開かれ、驚愕と哀しみに揺れた。ゆりは広松の背中に隠れ、声を立てずに大口を開けて笑う。
「どうして」
夜響の視界がじわりと滲む。
「こういうこと」
ゆりは意味ありげに呟いて、ぴょんとベッドの上に跳び上がると、広松の首に腕を絡めた。慌てる彼の頬を撫でまわし、唇に指を差し入れ、うなじに接吻する。
「やめろぉ!」
夜響が叫んだ。
「あははは。ガキが粋がってんじゃないよ、広松さんね、あんたみたいな子供にゃあ興味ないってさ!」
追いかける夜響から逃れて、ゆりはベッドから飛び降りる。部屋を出、笑いながら居間を横切り、短い廊下で夜響に捕まった。
「広松さんはね、あんたを気持ち悪いって言ってたよ」
夜響の後ろから広松が何か言うが、ゆりの笑い声にかき消されて聞こえない。
「なんか言いなよ、夜響!」
無言のまま、夜響は仰向けに倒れたゆりに馬乗りになり、その額に指をあてた。はっとして、ゆりの顔がひきつる。「やだよ夜響、やめて、人になんて戻りたくない!」
――消えろ
夜響が低く呟いた。
「どうして、なんで! そんなにあの男が好きなの?」
「黙れ」
夜響はぐっと、額にあてた指に力をこめた。「問題はお前らの関係じゃない。ユリ、あんたが約束を破ったことだ」
「約束」
「そうだとも。夜響はお前に夢をあげる、その代わりにお前は夜響に愛を誓う」
ゆりの視線が、夜響のそれとぴったり合った瞬間、夜響は指先に神経を統一した。
「いやぁ!」
悲鳴が上がる。
「貴様は夜響を裏切ったんだ!」
ごうっと瘴気――妖気の風が吹き上がり、己の黒髪が渦を巻く中で、ゆりはあまりの苦痛にかすれた悲鳴をあげ続けた。体中から力が抜けてゆく。
「助……けて」
「もう終わったよ」
夜響がゆらりと立ち上がる。「さっさと消えちまいな」
「夜響…… ふざけんな……」
蚊の鳴くような声で呟いて、ゆりは必死で上体を起こした。ひどい脱力感で、廊下に両手をつくだけで精一杯、乱れた髪の間からにらみつける。
「消えろ」
白い裾から白い足が伸びて、ゆりの横っ面を蹴り飛ばした。「人の気は吸い取らずにやったんだ。有り難く思えよ」
ゆりの顔が恐怖に染まる。人の気を吸い取られれば、死ぬ。最後の力を振り絞って、部屋の外へ這い出た。
扉に挟まっていた細い足が消えて、ばたんと閉まる玄関に、冷ややかな目を向けていた夜響はだが、振り返ると涙に頬を濡らしていた。一度に二つのものを失った。「なんでだ」
なんでだ、所長―― その痛い言葉を聞く前に、広松は何とか説明を試みた。だが焦る言葉は言葉にならず、夜響がなぜと問う相手も「所長」ではなかった。
「なんでだ、夜響は―― 夜響は最高なんじゃなかったのか? 神にも悪魔にもなれたはずだ! 本当の自由を手に入れたはずだ!」
先程にも増す瘴気の渦が、嵐となり広松を襲う。その真ん中で、夜響は狂った笑い声をあげ始める。
「望みはひとつ残らず叶うんだ!」
「夜響、抑えろ! それ以上自分を憎んではいけない!」
だが広松の呼ぶ少女の名は、本当の名ではない。夜響など存在しない。少女の心は常に暗い嵐の中、一度として広松の手が届いたことなどなかったのだ。
(俺はこの子のことなど、何も知らないんだ)
広松は歯を食いしばり、調べた少女たちの名を思い出した。今の少女がゆりと呼ばれていたので、まず市野沢百合子を除外し、次に思い出したのは、山本一葉の名だった。
「一葉!」
気を込めて叫ぶ。夜響は動きを止めた。笑い声も途絶えた。
「誰だよそれは」
涙を流しながら、笑みを引きつらせる。
「あたしはもう人じゃない、夜響になったんだ! 夜響は、あたしの、救世主なのに!」
子供たちが憧れマスコミが書き立て広松が愛した夜響、だがその理想のイメージに最初に恋をして、もっとも強く愛し続け、ずっと頼り続けたのは、ほかでもなく創造者である少女だったのだ。
彼女は両手で顔を覆う。泣き叫ぶ。「夜響は美しいよ、気持ち悪くなんかない」
再び瘴気が渦を巻き始め、広松は慌てて、一葉、と叫んだ。金縛りにあったように、目を見開いたまま動きを止めた夜響へ、広松は袂から護符をつかみ取り一歩ずつ近付いた。
「どうして思い出させるの」か細い声で、夜響が問うた。「あたしはただ、夜響でいたいだけなのに」
広松は、夜響の額に護符を押しあてた。
「山鬼急急如律令!」
(どうか静まってくれ夜響、弱い心を殺さないでくれ)
広松は一心に祈り続ける。だが――
「嫌だ! あたしは変わりたいんだ!」
叫び声が嵐を生み、広松は吹き飛ばされた。廊下の壁に背中を打つ。
「所長はそんなに、夜響に消えてほしいんだ」
こめかみの皮膚が裂け、吹き出す鮮血の中から、角が姿を現した。夜響は益々オニになってゆく。
「違う」
広松の声はかすれている。衝撃で噛んだ唇からは、血が流れる。
「違うぞ、夜響」
青ざめた顔に目は座り、唇を赤く染めながら、荒れ狂う瘴気に構いもせず夜響へ近付いた。目眩と吐き気が針となって襲う。
「来るな、来ちゃ駄目だ、所長! 夜響はあんたを殺しちまうかも――」
その言葉は続かなかった。傷だらけの広松は、気が遠くなるような嵐の中で、しっかりと夜響を抱きしめていた。衣は裂け、強風にはためいている。
「夜響、私は確かに、きみを愛しているんだ」
もう、どうしようもなかった。護符も呪文も無意味なもの、荒れ狂う夜響の魂を鎮めることなど出来ない。広松は何も考えられず、ただ思いのままその子供を抱きしめていた。
「所長、所長」夜響は泣きじゃくる。「痛いよ、怖いよ」
両の角の根本から血を流しながら。
「怖かったな、夜響。だけどもう大丈夫だ、私がいるから」
夜響の白い髪に、広松は頬をこすりつけた。次第に収まってゆく嵐の中で、広松はささやく。「こんなことはもう、今夜で終わりにしよう」
果たして夜響は、素直にうなずいた。
(ようやく、幕は下りる、夜響は人に戻る)
広松はじっと、目をつむった。達成感に満ちた喜びより、淋しさが胸を突き上げる。
(もう二度と、奇妙で不思議なオニに会えなくなる――)
額の血も止まって、夜響はベッドの上で膝を抱えていた。
「夜響もう眠い。儀式は明日でいい?」
とろんとした目で見上げる。
「そうしよう」
幼さが残る顎の辺りを、指で撫でてやる。
「夜響が逃げると思うんなら、紐で縛る?」
ベッド脇のかごに入れてあった布団干しに使うビニール紐を、体にぐるぐると巻き付ける。
「馬鹿」
と広松は笑って、はだけた着物に巻き付いて、白い肌を締め付ける紐を床に捨てた。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
彗星と遭う
皆川大輔
青春
【✨青春カテゴリ最高4位✨】
中学野球世界大会で〝世界一〟という称号を手にした。
その時、投手だった空野彗は中学生ながら152キロを記録し、怪物と呼ばれた。
その時、捕手だった武山一星は全試合でマスクを被ってリードを、打っては四番とマルチの才能を発揮し、天才と呼ばれた。
突出した実力を持っていながら世界一という実績をも手に入れた二人は、瞬く間にお茶の間を賑わせる存在となった。
もちろん、新しいスターを常に欲している強豪校がその卵たる二人を放っておく訳もなく。
二人の元には、多数の高校からオファーが届いた――しかし二人が選んだのは、地元埼玉の県立高校、彩星高校だった。
部員数は70名弱だが、その実は三年連続一回戦負けの弱小校一歩手前な崖っぷち中堅高校。
怪物は、ある困難を乗り越えるためにその高校へ。
天才は、ある理由で野球を諦めるためにその高校へ入学した。
各々の別の意思を持って選んだ高校で、本来会うはずのなかった運命が交差する。
衝突もしながら協力もし、共に高校野球の頂へ挑む二人。
圧倒的な実績と衝撃的な結果で、二人は〝彗星バッテリー〟と呼ばれるようになり、高校野球だけではなく野球界を賑わせることとなる。
彗星――怪しげな尾と共に現れるそれは、ある人には願いを叶える吉兆となり、ある人には夢を奪う凶兆となる。
この物語は、そんな彗星と呼ばれた二人の少年と、人を惑わす光と遭ってしまった人達の物語。
☆
第一部表紙絵制作者様→紫苑*Shion様《https://pixiv.net/users/43889070》
第二部表紙絵制作者様→和輝こころ様《https://twitter.com/honeybanana1》
第三部表紙絵制作者様→NYAZU様《https://skima.jp/profile?id=156412》
登場人物集です→https://jiechuandazhu.webnode.jp/%e5%bd%97%e6%98%9f%e3%81%a8%e9%81%ad%e3%81%86%e3%80%90%e7%99%bb%e5%a0%b4%e4%ba%ba%e7%89%a9%e3%80%91/
想い出キャンディの作り方
花梨
青春
学校に居場所がない。
夏休みになっても、友達と遊びにいくこともない。
中一の梨緒子は、ひとりで街を散策することにした。ひとりでも、楽しい夏休みにできるもん。
そんな中、今は使われていない高原のホテルで出会った瑠々という少女。
小学六年生と思えぬ雰囲気と、下僕のようにお世話をする淳悟という青年の不思議な関係に、梨緒子は興味を持つ。
ふたりと接していくうちに、瑠々の秘密を知ることとなり……。
はじめから「別れ」が定められた少女たちのひと夏の物語。
【6/5完結】バンドマンと学園クイーンはいつまでもジレジレしてないでさっさとくっつけばいいと思うよ
星加のん
青春
モブキャラ気取ってるくせにバンドをやってる時は輝いてる楠木君。そんな彼と仲良くなりたいと何かと絡んでくる学園一の美少女羽深さんは、知れば知るほど残念感が漂う女の子。楠木君は羽深さんのことが大好きなのにそこはプロのDT力のなせるワザ。二人の仲をそうそう簡単には進展させてくれません。チョロいくせに卑屈で自信のないプロのDT楠木君と、スクールカーストのトップに君臨するクイーンなのにどこか残念感漂う羽深さん。そんな二人のじれったい恋路を描く青春ラブコメ、ここに爆誕!?
ガイアセイバーズ spin-off -T大理学部生の波乱-
独楽 悠
青春
優秀な若い頭脳が集う都内の旧帝大へ、新入生として足を踏み入れた川崎 諒。
国内最高峰の大学に入学したものの、目的も展望もあまり描けておらずモチベーションが冷めていたが、入学式で式場中の注目を集める美青年・髙城 蒼矢と鮮烈な出会いをする。
席が隣のよしみで言葉を交わす機会を得たが、それだけに留まらず、同じく意気投合した沖本 啓介をはじめクラスメイトの理学部生たちも巻き込んで、目立ち過ぎる蒼矢にまつわるひと騒動に巻き込まれていく――
およそ1年半前の大学入学当初、蒼矢と川崎&沖本との出会いを、川崎視点で追った話。
※大学生の日常ものです。ヒーロー要素、ファンタジー要素はありません。
◆更新日時・間隔…2023/7/28から、20:40に毎日更新(第2話以降は1ページずつ更新)
◆注意事項
・ナンバリング作品群『ガイアセイバーズ』のスピンオフ作品になります。
時系列はメインストーリーから1年半ほど過去の話になります。
・作品群『ガイアセイバーズ』のいち作品となりますが、メインテーマであるヒーロー要素,ファンタジー要素はありません。また、他作品との関連性はほぼありません。
他作からの予備知識が無くても今作単体でお楽しみ頂けますが、他ナンバリング作品へお目通し頂けていますとより詳細な背景をご理頂いた上でお読み頂けます。
・年齢制限指定はありません。他作品はあらかた年齢制限有ですので、お読みの際はご注意下さい。
パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。
ジャグラック デリュージョン!
Life up+α
青春
陽気で自由奔放な咲凪(さなぎ)は唯一無二の幼馴染、親友マリアから長年の片想い気付かず、咲凪はあくまで彼女を男友達として扱っていた。
いつも通り縮まらない関係を続けていた二人だが、ある日突然マリアが行方不明になってしまう。
マリアを探しに向かったその先で、咲凪が手に入れたのは誰も持っていないような不思議な能力だった。
停滞していた咲凪の青春は、急速に動き出す。
「二人が死を分かっても、天国だろうが地獄だろうが、どこまでも一緒に行くぜマイハニー!」
自分勝手で楽しく生きていたいだけの少年は、常識も後悔もかなぐり捨てて、何度でも親友の背中を追いかける!
もしよろしければ、とりあえず4~6話までお付き合い頂けたら嬉しいです…!
※ラブコメ要素が強いですが、シリアス展開もあります!※
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる