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図書室の中にいても雨音が聞こえてくるような雨の日の話。
「しまった・・・傘忘れてきた。朝、晴れてたからなー・・・。」
「予報で昼から雨って言ってたでしょ?・・・ていうか折りたたみ傘くらい常備しておけばいいでしょ?救いようのないバカね。」
「お前は本当にひとこと多いな・・・。」
「お前って言わないでっていつも言ってるでしょ?バカがうつるから。」
「うつるか!」
図書室は今日も平和である。
「お!今日も平常運転の口喧嘩だねー!」
「外、雨すごいよー!」
神沢と森下が図書室に入ってくる。
「2人ともどうしたのー?」
桜山が読んでいた本から目を離し2人に問いかける。
「いや、森下さんが傘忘れちゃったから駅まで俺の傘使って行こうって話になったんだけど、雨すごいから図書室で弱くなるの待とうかなー・・・って思ってさ!」
「だって、朝は晴れてたから!」
「あ・・・へー・・・そうなんだー・・・。」
桜山・・・目を逸らすな。救いようのないバカがもう1人いたぞ。
数分後。
図書室の4人は・・・暇を持て余していた。
あまりにも暇すぎたため、神沢は図書室の中を探索し始めた。
「・・・・・皆~!こんなもの見つけてきたよ~!」
神沢は図書室の奥から将棋盤と駒が入っているであろう箱を持ってきた。
「へー!図書室って将棋盤なんてあるのか!誰かが置いてったのか?」
「わー・・・懐かしい・・・私・・・昔、おじいちゃんとよくやったなー・・・。」
「せっかく見つけたし、誰が1番強いか決めようよ!」
「私・・・将棋ってやったことない。」
「桜山さんやったことないのか!なんか意外!」
「将棋の本って確か図書室にあったな・・・一通り読んだらルールくらいはわかるんじゃないか?」
「それもそうね・・・じゃあちょっと探して読んでみる・・・。」
桜山が図書室の奥に入っていく。
「じゃあ、桜山さんがルールわかるまで俺たちの中の1番でも決めますか!」
神沢がノリノリで将棋盤に駒を並べていく。
「さて・・・まずはコーちゃんから倒してやろう!」
「そういうこと言う奴って弱そうだけどな・・・。」
数分後。
「・・・参りました。」
いや、弱っ!!!!!神沢、弱っ!!!!!ほとんど攻められずに勝っちゃったぞ!!
「・・・くっそー!でも、森下さんには勝つ!」
「えっ!?私!?久しぶりだから自信ないなー・・・。」
数分後。桜山は椅子に座り、将棋の本を熟読している。
「・・・参りました。」
いや、弱っ!!!!!神沢、弱っ!!!!!・・・っていうか森下、強っ!!!!!そして、将棋をするときにメガネをかけるのグッジョブ!!!!!
「勝っちゃった・・・。」
「・・・俺・・・今後の人生に自信なくなっちゃったよ・・・。」
「いや、大丈夫だよ!将棋で人生は決まらないから!」
「・・・じゃあ、桜山さんには・・・勝つ!」
いや、初心者相手に勝ってお前は満足するのかよ・・・。
「よし・・・大体わかったからもうできるはず!」
桜山は本を閉じて神沢の前に座る。
「・・・将棋の奥の深さを桜山さんに思い知らせてやる!」
ずっと負けてる奴が言う台詞じゃねーよ・・・。
数分後。
「・・・参りました。」
弱っ!!!!!神沢、弱っ!!!!!・・・っていうか桜山、強っ!!!!!
「・・・さっきルール知った人に負けた・・・。」
「い、いや・・・た、たまたまだよ!」
気使われてんじゃねーかよ!
でも、こいつ・・・さっきルール知ったとは思えないぐらい強くないか?
「これ、桜山と森下だったらどっちが強いんだろうな・・・。」
「・・・あ!それ面白そうだね!どっちが将棋女王か決めようよ!」
こいつ、切り替え早いなー・・・。
そんなこんなで森下VS桜山の事実上の決勝戦。
ハイレベルな攻防の末、数分後。
「・・・参りました。」
「え!?あ・・・勝っちゃった・・・。」
桜山が勝ったーーー!!こいつ、凄すぎるだろ・・・。でも、森下もメガネが素敵だったから俺の中では引き分けだ!!
桜山の意外な才能が発揮されたところで窓の外を見ると雨が弱まっていた・・・。
「あ!雨も弱まってきたし、そろそろ私達は行こっか!」
「・・・まあ、そうだね!行くとしますか!じゃあ、2人は図書委員頑張ってねー!」
「咲音ちゃん!車道君!また明日ね!」
そう言って2人は図書室をあとにした。
そこからしばらくして、俺たちも図書室をあとにして玄関へ。
「弱まったとはいってもまだ降ってんなー・・・。」
桜山は無言で傘をさして歩き出し、少し歩いたところで振り向く。
「・・・何してんのよ・・・入れてあげるから・・・入りなさいよ・・・。」
「・・・え?・・・い、いいのか?」
「な、なによ!嫌なの!?」
「・・・あ・・・いや・・・ありがとう・・・。」
特になんとも思ってない相手とはいえ、なんか相合傘は照れくさいなー・・・なんてことを思いながら俺は桜山と駅に向かって歩きはじめた。
明日は晴れるといいな。
「しまった・・・傘忘れてきた。朝、晴れてたからなー・・・。」
「予報で昼から雨って言ってたでしょ?・・・ていうか折りたたみ傘くらい常備しておけばいいでしょ?救いようのないバカね。」
「お前は本当にひとこと多いな・・・。」
「お前って言わないでっていつも言ってるでしょ?バカがうつるから。」
「うつるか!」
図書室は今日も平和である。
「お!今日も平常運転の口喧嘩だねー!」
「外、雨すごいよー!」
神沢と森下が図書室に入ってくる。
「2人ともどうしたのー?」
桜山が読んでいた本から目を離し2人に問いかける。
「いや、森下さんが傘忘れちゃったから駅まで俺の傘使って行こうって話になったんだけど、雨すごいから図書室で弱くなるの待とうかなー・・・って思ってさ!」
「だって、朝は晴れてたから!」
「あ・・・へー・・・そうなんだー・・・。」
桜山・・・目を逸らすな。救いようのないバカがもう1人いたぞ。
数分後。
図書室の4人は・・・暇を持て余していた。
あまりにも暇すぎたため、神沢は図書室の中を探索し始めた。
「・・・・・皆~!こんなもの見つけてきたよ~!」
神沢は図書室の奥から将棋盤と駒が入っているであろう箱を持ってきた。
「へー!図書室って将棋盤なんてあるのか!誰かが置いてったのか?」
「わー・・・懐かしい・・・私・・・昔、おじいちゃんとよくやったなー・・・。」
「せっかく見つけたし、誰が1番強いか決めようよ!」
「私・・・将棋ってやったことない。」
「桜山さんやったことないのか!なんか意外!」
「将棋の本って確か図書室にあったな・・・一通り読んだらルールくらいはわかるんじゃないか?」
「それもそうね・・・じゃあちょっと探して読んでみる・・・。」
桜山が図書室の奥に入っていく。
「じゃあ、桜山さんがルールわかるまで俺たちの中の1番でも決めますか!」
神沢がノリノリで将棋盤に駒を並べていく。
「さて・・・まずはコーちゃんから倒してやろう!」
「そういうこと言う奴って弱そうだけどな・・・。」
数分後。
「・・・参りました。」
いや、弱っ!!!!!神沢、弱っ!!!!!ほとんど攻められずに勝っちゃったぞ!!
「・・・くっそー!でも、森下さんには勝つ!」
「えっ!?私!?久しぶりだから自信ないなー・・・。」
数分後。桜山は椅子に座り、将棋の本を熟読している。
「・・・参りました。」
いや、弱っ!!!!!神沢、弱っ!!!!!・・・っていうか森下、強っ!!!!!そして、将棋をするときにメガネをかけるのグッジョブ!!!!!
「勝っちゃった・・・。」
「・・・俺・・・今後の人生に自信なくなっちゃったよ・・・。」
「いや、大丈夫だよ!将棋で人生は決まらないから!」
「・・・じゃあ、桜山さんには・・・勝つ!」
いや、初心者相手に勝ってお前は満足するのかよ・・・。
「よし・・・大体わかったからもうできるはず!」
桜山は本を閉じて神沢の前に座る。
「・・・将棋の奥の深さを桜山さんに思い知らせてやる!」
ずっと負けてる奴が言う台詞じゃねーよ・・・。
数分後。
「・・・参りました。」
弱っ!!!!!神沢、弱っ!!!!!・・・っていうか桜山、強っ!!!!!
「・・・さっきルール知った人に負けた・・・。」
「い、いや・・・た、たまたまだよ!」
気使われてんじゃねーかよ!
でも、こいつ・・・さっきルール知ったとは思えないぐらい強くないか?
「これ、桜山と森下だったらどっちが強いんだろうな・・・。」
「・・・あ!それ面白そうだね!どっちが将棋女王か決めようよ!」
こいつ、切り替え早いなー・・・。
そんなこんなで森下VS桜山の事実上の決勝戦。
ハイレベルな攻防の末、数分後。
「・・・参りました。」
「え!?あ・・・勝っちゃった・・・。」
桜山が勝ったーーー!!こいつ、凄すぎるだろ・・・。でも、森下もメガネが素敵だったから俺の中では引き分けだ!!
桜山の意外な才能が発揮されたところで窓の外を見ると雨が弱まっていた・・・。
「あ!雨も弱まってきたし、そろそろ私達は行こっか!」
「・・・まあ、そうだね!行くとしますか!じゃあ、2人は図書委員頑張ってねー!」
「咲音ちゃん!車道君!また明日ね!」
そう言って2人は図書室をあとにした。
そこからしばらくして、俺たちも図書室をあとにして玄関へ。
「弱まったとはいってもまだ降ってんなー・・・。」
桜山は無言で傘をさして歩き出し、少し歩いたところで振り向く。
「・・・何してんのよ・・・入れてあげるから・・・入りなさいよ・・・。」
「・・・え?・・・い、いいのか?」
「な、なによ!嫌なの!?」
「・・・あ・・・いや・・・ありがとう・・・。」
特になんとも思ってない相手とはいえ、なんか相合傘は照れくさいなー・・・なんてことを思いながら俺は桜山と駅に向かって歩きはじめた。
明日は晴れるといいな。
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