8 / 65
glass:8
しおりを挟む
朝。いつも通り校舎に入り、下駄箱で靴を履き替え、階段を上がり、廊下を歩く。
1-Bの教室に入る前に1-Aの教室を横切る。
ふと、教室の中をチラッとだけ覗いた。
目に入ったのは桜山と鶴里・・・と森下・・・。
3人で仲睦まじく話しているようだが、あいつらはいつの間に仲良くなったんだろう・・・。
その日の美術の授業。
クジで2人組を作り、交代で相手をデッサンするそうだ。
クジの結果、俺は森下とペアになった。
・・・他の男子達の視線が痛い。
「・・・・・。」
「・・・あの・・・森下?小さくモソモソ動くのやめてもらっていい?」
「え!?あ!ごめんね!じゃあ、車道君!なんかポーズ決めて!」
「じゃあ、とりあえずメガネをかけようか。」
「へっ!?メガネ??・・・これでいい?」
はい!美しい!森下ほどメガネが似合う女子なんて桜山ぐらいしか・・・いや、なんで俺があいつのメガネ姿を想像しなきゃならんのだ!
「・・・なあ、森下?」
「ん?なに?」
「お前、いつの間に桜山とあんなに仲良くなったんだ?」
「ふぇっ!?いや・・・それは・・・あの・・・私も本好きだから・・・その・・・桜山さんって図書室の本ほとんど読んでて・・・それで・・・オススメを紹介してもらったり・・・しているのである!!」
・・・である?・・・なんでこいつはこんなに動揺してるんだ?
「そうか・・・でもお前と桜山が仲良くなったのって図書室で2人きりになってからだよな?あの日なに話してたの?」
「にゃ!?にゃにも話してないよ!!本が好きとか・・・いや、好きじゃなくて・・・いや、本は好きなんだけど・・・あの・・・て・・・てやんでい!!」
・・・てやんでい?いや、最初の猫語も気になるが、とりあえずメガネの美少女が慌てふためく様子はとにかく可愛いな・・・。
「すごい!神沢君、絵上手いんだね!」
「本当だ!すごい上手!」
声の方に振り向くと神沢が女子に囲まれてチヤホヤされていた。
まあ、あれだけのビジュアルで芸術センスもあるってなったらそりゃチヤホヤされるわな・・・。
神沢はデレデレしていた。
・・・ただの女好きなんて知れたらあの取り巻きがサッといなくなるんだろうな・・・。
少しして俺が描き終わり、森下が俺を書く側にまわる。
「えっ・・・と・・・ここをこうして・・・こうして・・・」
絵を描く時もメガネするのか・・・天使だな・・・。
「・・・これで・・・こうして・・・できた!」
「お!できた絵見せてよ!」
「へへへ・・・私にしては上手くできた方だよ!」
俺は森下が描いた絵を覗き込む。
・・・・・スーパー下手だった。
その日の放課後。もうすぐGWだし、神沢と飯でも行こうかなと思い珍しく俺から誘ってみた。
「神沢、このあと飯でも行かない?」
「あ、いいねー・・・でもちょっと学級委員の仕事残ってるからそれ終わるまで待っててもらっていい?」
「・・・え!?・・・えーーー!?お前、学級委員だったの!?」
「コーちゃん・・・クラスの学級委員が誰かくらいは覚えておこうよ・・・。」
「いや・・・なんていうか・・・意外!」
「コーちゃんは俺をただの女好きだと思いすぎなんだよ!俺だってやるときはやる男だぞ!」
「神沢君!早く行くよー!」
森下が神沢を呼ぶ。
「はーい!森下さ~ん!待って~!」
神沢はデレデレしながら走り去っていった。
あいつはやっぱりただの女好きだった。
もうすぐGWだ・・・。
1-Bの教室に入る前に1-Aの教室を横切る。
ふと、教室の中をチラッとだけ覗いた。
目に入ったのは桜山と鶴里・・・と森下・・・。
3人で仲睦まじく話しているようだが、あいつらはいつの間に仲良くなったんだろう・・・。
その日の美術の授業。
クジで2人組を作り、交代で相手をデッサンするそうだ。
クジの結果、俺は森下とペアになった。
・・・他の男子達の視線が痛い。
「・・・・・。」
「・・・あの・・・森下?小さくモソモソ動くのやめてもらっていい?」
「え!?あ!ごめんね!じゃあ、車道君!なんかポーズ決めて!」
「じゃあ、とりあえずメガネをかけようか。」
「へっ!?メガネ??・・・これでいい?」
はい!美しい!森下ほどメガネが似合う女子なんて桜山ぐらいしか・・・いや、なんで俺があいつのメガネ姿を想像しなきゃならんのだ!
「・・・なあ、森下?」
「ん?なに?」
「お前、いつの間に桜山とあんなに仲良くなったんだ?」
「ふぇっ!?いや・・・それは・・・あの・・・私も本好きだから・・・その・・・桜山さんって図書室の本ほとんど読んでて・・・それで・・・オススメを紹介してもらったり・・・しているのである!!」
・・・である?・・・なんでこいつはこんなに動揺してるんだ?
「そうか・・・でもお前と桜山が仲良くなったのって図書室で2人きりになってからだよな?あの日なに話してたの?」
「にゃ!?にゃにも話してないよ!!本が好きとか・・・いや、好きじゃなくて・・・いや、本は好きなんだけど・・・あの・・・て・・・てやんでい!!」
・・・てやんでい?いや、最初の猫語も気になるが、とりあえずメガネの美少女が慌てふためく様子はとにかく可愛いな・・・。
「すごい!神沢君、絵上手いんだね!」
「本当だ!すごい上手!」
声の方に振り向くと神沢が女子に囲まれてチヤホヤされていた。
まあ、あれだけのビジュアルで芸術センスもあるってなったらそりゃチヤホヤされるわな・・・。
神沢はデレデレしていた。
・・・ただの女好きなんて知れたらあの取り巻きがサッといなくなるんだろうな・・・。
少しして俺が描き終わり、森下が俺を書く側にまわる。
「えっ・・・と・・・ここをこうして・・・こうして・・・」
絵を描く時もメガネするのか・・・天使だな・・・。
「・・・これで・・・こうして・・・できた!」
「お!できた絵見せてよ!」
「へへへ・・・私にしては上手くできた方だよ!」
俺は森下が描いた絵を覗き込む。
・・・・・スーパー下手だった。
その日の放課後。もうすぐGWだし、神沢と飯でも行こうかなと思い珍しく俺から誘ってみた。
「神沢、このあと飯でも行かない?」
「あ、いいねー・・・でもちょっと学級委員の仕事残ってるからそれ終わるまで待っててもらっていい?」
「・・・え!?・・・えーーー!?お前、学級委員だったの!?」
「コーちゃん・・・クラスの学級委員が誰かくらいは覚えておこうよ・・・。」
「いや・・・なんていうか・・・意外!」
「コーちゃんは俺をただの女好きだと思いすぎなんだよ!俺だってやるときはやる男だぞ!」
「神沢君!早く行くよー!」
森下が神沢を呼ぶ。
「はーい!森下さ~ん!待って~!」
神沢はデレデレしながら走り去っていった。
あいつはやっぱりただの女好きだった。
もうすぐGWだ・・・。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
【完結】いてもいなくてもいい妻のようですので 妻の座を返上いたします!
ユユ
恋愛
夫とは卒業と同時に婚姻、
1年以内に妊娠そして出産。
跡継ぎを産んで女主人以上の
役割を果たしていたし、
円満だと思っていた。
夫の本音を聞くまでは。
そして息子が他人に思えた。
いてもいなくてもいい存在?萎んだ花?
分かりました。どうぞ若い妻をお迎えください。
* 作り話です
* 完結保証付き
* 暇つぶしにどうぞ
裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる