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パンを作ろう
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考えてみます、とは言ったものの、料理すらしない俺にはなかなかに難しいことだった。
何の食材と何の食材が合うのか、見当もつかない。とりあえず母親の好きなものを書き出してみたが、パンの具材として使えるのかどうかもわからない。
教室の机に突っ伏して唸っていると、吉田が近づいてくる。机の上に置いてある、母親の好きなものリストを取り上げた。
「何だこのメモ。カルボナーラ、トマト、炊き込みご飯、唐揚げ……統一感がないな」
「だよなぁ」
「これってその、あの子と作るパンの案?」
吉田には彼女とパンを作ることになったことも話していた。俺は黙って頷く。
「唐揚げにカルボナーラは合わないと思うぞ……」
吉田は顔をしかめる。たしかに胃もたれしそうな組み合わせだ。
「何なら食べてくれるんだろうなぁ……」
窓の外を見ながらぼやくと、吉田も首を捻った。
「でも自分の息子が作ったパンなら、母親も無下にはできない気がするんだよな。悩んで作ったなら尚更」
俺も頷く。そうだと信じたい。そのためにはまず、何のパンを作るか決めなくては。
「こういうおかず系じゃなくて、好きな果物とかないのか? 果物の方がパンには合いそうだけど」
「なるほど、たしかに」
吉田の助言を元に、俺はもう一度リストに向き合った。母親がよく好んで食べているもの、飲んでいるもの、目を閉じて思い出してみる。
朝は健康にいいからとりんごを食べて、たくさん食べても太らないらしいナッツを間食に食べる母。コーヒーよりも紅茶派で、ダージリンが一番好きなはず。
「……あ、思いついたかも」
素早くアイデアをリストに書いて、彼女のメッセージに送る。間髪入れずに『いいじゃん! 作ってみよう!』というメッセージが返ってきた。
土曜日。
休みの日に学校に来るのは初めてのことだった。
運動場では陸上部や野球部、サッカー部が練習に励み、校舎の方からは吹奏楽部の楽器の音が聞こえてくる。
3階まで上り、突き当たりの家庭科室を目指す。浮き足立つ気持ちと共に小走りで廊下を駆け抜けた。
「失礼しまーす」
家庭科室の扉を開けると、エプロンに三角巾を身につけた彼女が既にパンを焼いていた。格好だけ見ると家庭科の授業中みたいだ。
「お、来た来た。手洗って、作るよ!」
「俺にできますかね」
「できるできる」
彼女はにっと歯を見せて俺に笑いかけた。
俺も先輩と同じようにエプロンと三角巾を身につけて、素早く手を洗う。なんだか一緒に調理実習をしているような気分だ。
「まずはじゃあ、りんごの皮を剥いて1センチ角の角切りにして」
「う、はい……皮剥くの苦手なんですけど」
「パンストライキ、終わらせるためでしょ! 頑張れ」
慣れない手つきでりんごの皮を剥く俺とは対照的に、彼女はくるくると皮をちぎることなく剥いていく。
「切ったらそれを鍋に入れて火にかけて、グラニュー糖とレモン汁を入れてジャム状にします」
「へえ、ジャムって結構簡単に作れるんですね」
感心する俺をよそに、彼女はオーブンから白い塊の入った耐熱ボウルを取り出した。
「なんですか、それ?」
「これは一次発酵の終わった生地。強力粉とかドライイーストとかを混ぜて、こねて、寝かせたもの」
「この茶色い粒々は、もしかして」
「そう、紅茶の茶葉。もちろんダージリンだよ。香り高くていいよね」
ふふっと微笑みながら、彼女は愛おしそうに生地をボウルから取り出す。本当にパンが好きなんだな、と俺もつられて笑った。
彼女は生地を手のひらサイズに丸め、くぼみを作っていく。手伝って、と言われて俺も真似して作るが、どうにも形が整わない。
「不器用なんだねえ、見かけによらず」
「むしろ器用に見えてたんですか」
そう言うと彼女はけらけら笑う。指が長いから器用っぽく見えただけ、と言いながら。
形を整えた生地に卵黄を塗り、よし、と彼女は頷く。
「そろそろりんごができるはず」
鍋を指差され、俺は「はいっ」と威勢よく返事をして火を止めた。
鍋の中では、ちょうどりんごがジャム状になってきたところだった。角切りのりんごが少し形を残したまま、つやつや光っているのがなんとも美味しそうだ。
「つまみ食いしちゃダメだよ」
彼女に睨まれて、伸ばしかけた手を慌てて引っ込める。ぐう、と俺の腹が鳴り、彼女はまた笑った。「次に、この生地のくぼみのところにこのりんごを入れていって。その間にスライスアーモンドをローストしまーす」
さながら料理番組のように解説しながら、彼女はフライパンを火にかける。ぱらぱらと軽い音と共にアーモンドを炒め、素早く火からおろした。
「そしたらこのアーモンドをりんごと生地の上に散らします、熱いから気をつけて」
そっと箸でアーモンドをつまみ、りんごの上にぱらぱらとのせる。金色に光るりんごの甘い香りと、アーモンドの香ばしい香りが食欲をそそる。
「よし、できたらあとは焼くだけ!」
オーブンのトレイに、りんごとアーモンドを乗せた生地を並べて蓋を閉める。ばたん、という重い音に思わず唇を噛み締める。
どうか、上手く焼けますように。ストーブのような赤い光を放つオーブンを、祈るような思いで俺は見つめた。
「20分くらいで焼けるはず」
彼女はそう言ってすとんと椅子に座る。俺も彼女の前の椅子に座り、ふと疑問に思っていたことを聞いてみた。
「先輩はなんでそんなにパンが好きなんですか?」
彼女はきょとんとした顔で俺を見つめて、しばらく首を傾げて考え込む。
「うーん、好きなものは好きだからとしか言うようがないけど……あ、でもきっかけはあるよ」
「きっかけ?」
「うちのお母さんさ、新しい電化製品とか大好きでよく買うんだけど、ぜんっぜん使いこなせないんだよね。で、ホームベーカリーも一時期流行ったじゃん。あれも買ったんだけど全く使わなかったの」
「あるあるですね、あれを頻繁に使う家庭の方が珍しい気もします」
そう言うと先輩はたしかに、と笑った。
「で、使わないなんてもったいないなあと思って作ってみたの。そしたらまあなんと」
「なんと?」
「見事に真っ黒焦げにしてね」
「逆にすごいですね、あれ誰でも作れるのが売りのような気がするんですけど」
「家族みんなに笑われて、悔しかったからめちゃくちゃ練習したの」
普通ならそこで諦めてしまいそうなところだが、悔しいからと努力するのが彼女らしい。俺は微笑んで続きを促した。
「そしたらね、どんどん上手く作れるようになって。5年前に他界したおばあちゃんなんか、昔は『パンなんかアメリカ人が食べるもんだから食べない』なんて言ってたくせに、私の作ったパン食べて『小麦の作るパンを最後に食べたいもんだ』って言ってくれるようになって。そこからパン職人を目指すようになった、って感じ」
さすがです、と思わず拍手すると、彼女は照れ臭そうに頭を掻いた。
オーブンの電子音が、パンが焼けたことを告げる。はやる気持ちを抑えて、俺たちはオーブンに駆け寄った。
「開けるよ」
「はい」
蓋を開けると、ふわりとパンの焼ける匂いが教室いっぱいに漂う。いつもと違うのは、少し紅茶の香りが混ざっていること。
トレイに整然と並べられたパンはつやつやと光を放っている。中央のくぼみに入ったりんごの金色と、生地の茶色のコントラストが美しい。散らされたアーモンドは花びらのようだ。
「美味そう」
思わず呟くと、彼女も「ほんと」と呟いた。
「1個、味見してみようか」
彼女の言葉に、俺はこくこくと頷く。むしろこんな美味しそうなもの目の前にしてお預けなんて、何の拷問だ。
少し冷ましたパンをそっと半分にちぎり、彼女は俺に手渡した。まだ温かいそれをゆっくりと口に運ぶ。
「……うまぁ!」
「美味しい!」
2人の声が重なった。
紅茶の香りが引き立つ生地に、とろりと甘いりんごが絡まって、美しいハーモニーを奏でている。ローストしたアーモンドは程よいアクセントになっていた。
「これなら、お母さんも食べてくれるんじゃないかな」
「うん、たぶん。というか、口に突っ込んででも食べさせる」
俺はぎゅっと拳を握りしめた。このパンで、パンストライキを終わらせてみせる。
「じゃあ、また連絡します」
「うん、待ってる」
パンが冷めないうちに、とあたふたと帰る準備をして俺は教室を飛び出した。階段を転げ落ちそうな勢いで降り、駅まで走る。タイミングよくホームに滑り込んできた電車に飛び乗った。
肩で息をしながら、パンを入れた鞄を抱きかかえる。彼女と2人で作った、母のための大事なパン。早く、早く食べてもらいたい。
電車の扉が開くのと同時に、俺はまた駆け出した。
何の食材と何の食材が合うのか、見当もつかない。とりあえず母親の好きなものを書き出してみたが、パンの具材として使えるのかどうかもわからない。
教室の机に突っ伏して唸っていると、吉田が近づいてくる。机の上に置いてある、母親の好きなものリストを取り上げた。
「何だこのメモ。カルボナーラ、トマト、炊き込みご飯、唐揚げ……統一感がないな」
「だよなぁ」
「これってその、あの子と作るパンの案?」
吉田には彼女とパンを作ることになったことも話していた。俺は黙って頷く。
「唐揚げにカルボナーラは合わないと思うぞ……」
吉田は顔をしかめる。たしかに胃もたれしそうな組み合わせだ。
「何なら食べてくれるんだろうなぁ……」
窓の外を見ながらぼやくと、吉田も首を捻った。
「でも自分の息子が作ったパンなら、母親も無下にはできない気がするんだよな。悩んで作ったなら尚更」
俺も頷く。そうだと信じたい。そのためにはまず、何のパンを作るか決めなくては。
「こういうおかず系じゃなくて、好きな果物とかないのか? 果物の方がパンには合いそうだけど」
「なるほど、たしかに」
吉田の助言を元に、俺はもう一度リストに向き合った。母親がよく好んで食べているもの、飲んでいるもの、目を閉じて思い出してみる。
朝は健康にいいからとりんごを食べて、たくさん食べても太らないらしいナッツを間食に食べる母。コーヒーよりも紅茶派で、ダージリンが一番好きなはず。
「……あ、思いついたかも」
素早くアイデアをリストに書いて、彼女のメッセージに送る。間髪入れずに『いいじゃん! 作ってみよう!』というメッセージが返ってきた。
土曜日。
休みの日に学校に来るのは初めてのことだった。
運動場では陸上部や野球部、サッカー部が練習に励み、校舎の方からは吹奏楽部の楽器の音が聞こえてくる。
3階まで上り、突き当たりの家庭科室を目指す。浮き足立つ気持ちと共に小走りで廊下を駆け抜けた。
「失礼しまーす」
家庭科室の扉を開けると、エプロンに三角巾を身につけた彼女が既にパンを焼いていた。格好だけ見ると家庭科の授業中みたいだ。
「お、来た来た。手洗って、作るよ!」
「俺にできますかね」
「できるできる」
彼女はにっと歯を見せて俺に笑いかけた。
俺も先輩と同じようにエプロンと三角巾を身につけて、素早く手を洗う。なんだか一緒に調理実習をしているような気分だ。
「まずはじゃあ、りんごの皮を剥いて1センチ角の角切りにして」
「う、はい……皮剥くの苦手なんですけど」
「パンストライキ、終わらせるためでしょ! 頑張れ」
慣れない手つきでりんごの皮を剥く俺とは対照的に、彼女はくるくると皮をちぎることなく剥いていく。
「切ったらそれを鍋に入れて火にかけて、グラニュー糖とレモン汁を入れてジャム状にします」
「へえ、ジャムって結構簡単に作れるんですね」
感心する俺をよそに、彼女はオーブンから白い塊の入った耐熱ボウルを取り出した。
「なんですか、それ?」
「これは一次発酵の終わった生地。強力粉とかドライイーストとかを混ぜて、こねて、寝かせたもの」
「この茶色い粒々は、もしかして」
「そう、紅茶の茶葉。もちろんダージリンだよ。香り高くていいよね」
ふふっと微笑みながら、彼女は愛おしそうに生地をボウルから取り出す。本当にパンが好きなんだな、と俺もつられて笑った。
彼女は生地を手のひらサイズに丸め、くぼみを作っていく。手伝って、と言われて俺も真似して作るが、どうにも形が整わない。
「不器用なんだねえ、見かけによらず」
「むしろ器用に見えてたんですか」
そう言うと彼女はけらけら笑う。指が長いから器用っぽく見えただけ、と言いながら。
形を整えた生地に卵黄を塗り、よし、と彼女は頷く。
「そろそろりんごができるはず」
鍋を指差され、俺は「はいっ」と威勢よく返事をして火を止めた。
鍋の中では、ちょうどりんごがジャム状になってきたところだった。角切りのりんごが少し形を残したまま、つやつや光っているのがなんとも美味しそうだ。
「つまみ食いしちゃダメだよ」
彼女に睨まれて、伸ばしかけた手を慌てて引っ込める。ぐう、と俺の腹が鳴り、彼女はまた笑った。「次に、この生地のくぼみのところにこのりんごを入れていって。その間にスライスアーモンドをローストしまーす」
さながら料理番組のように解説しながら、彼女はフライパンを火にかける。ぱらぱらと軽い音と共にアーモンドを炒め、素早く火からおろした。
「そしたらこのアーモンドをりんごと生地の上に散らします、熱いから気をつけて」
そっと箸でアーモンドをつまみ、りんごの上にぱらぱらとのせる。金色に光るりんごの甘い香りと、アーモンドの香ばしい香りが食欲をそそる。
「よし、できたらあとは焼くだけ!」
オーブンのトレイに、りんごとアーモンドを乗せた生地を並べて蓋を閉める。ばたん、という重い音に思わず唇を噛み締める。
どうか、上手く焼けますように。ストーブのような赤い光を放つオーブンを、祈るような思いで俺は見つめた。
「20分くらいで焼けるはず」
彼女はそう言ってすとんと椅子に座る。俺も彼女の前の椅子に座り、ふと疑問に思っていたことを聞いてみた。
「先輩はなんでそんなにパンが好きなんですか?」
彼女はきょとんとした顔で俺を見つめて、しばらく首を傾げて考え込む。
「うーん、好きなものは好きだからとしか言うようがないけど……あ、でもきっかけはあるよ」
「きっかけ?」
「うちのお母さんさ、新しい電化製品とか大好きでよく買うんだけど、ぜんっぜん使いこなせないんだよね。で、ホームベーカリーも一時期流行ったじゃん。あれも買ったんだけど全く使わなかったの」
「あるあるですね、あれを頻繁に使う家庭の方が珍しい気もします」
そう言うと先輩はたしかに、と笑った。
「で、使わないなんてもったいないなあと思って作ってみたの。そしたらまあなんと」
「なんと?」
「見事に真っ黒焦げにしてね」
「逆にすごいですね、あれ誰でも作れるのが売りのような気がするんですけど」
「家族みんなに笑われて、悔しかったからめちゃくちゃ練習したの」
普通ならそこで諦めてしまいそうなところだが、悔しいからと努力するのが彼女らしい。俺は微笑んで続きを促した。
「そしたらね、どんどん上手く作れるようになって。5年前に他界したおばあちゃんなんか、昔は『パンなんかアメリカ人が食べるもんだから食べない』なんて言ってたくせに、私の作ったパン食べて『小麦の作るパンを最後に食べたいもんだ』って言ってくれるようになって。そこからパン職人を目指すようになった、って感じ」
さすがです、と思わず拍手すると、彼女は照れ臭そうに頭を掻いた。
オーブンの電子音が、パンが焼けたことを告げる。はやる気持ちを抑えて、俺たちはオーブンに駆け寄った。
「開けるよ」
「はい」
蓋を開けると、ふわりとパンの焼ける匂いが教室いっぱいに漂う。いつもと違うのは、少し紅茶の香りが混ざっていること。
トレイに整然と並べられたパンはつやつやと光を放っている。中央のくぼみに入ったりんごの金色と、生地の茶色のコントラストが美しい。散らされたアーモンドは花びらのようだ。
「美味そう」
思わず呟くと、彼女も「ほんと」と呟いた。
「1個、味見してみようか」
彼女の言葉に、俺はこくこくと頷く。むしろこんな美味しそうなもの目の前にしてお預けなんて、何の拷問だ。
少し冷ましたパンをそっと半分にちぎり、彼女は俺に手渡した。まだ温かいそれをゆっくりと口に運ぶ。
「……うまぁ!」
「美味しい!」
2人の声が重なった。
紅茶の香りが引き立つ生地に、とろりと甘いりんごが絡まって、美しいハーモニーを奏でている。ローストしたアーモンドは程よいアクセントになっていた。
「これなら、お母さんも食べてくれるんじゃないかな」
「うん、たぶん。というか、口に突っ込んででも食べさせる」
俺はぎゅっと拳を握りしめた。このパンで、パンストライキを終わらせてみせる。
「じゃあ、また連絡します」
「うん、待ってる」
パンが冷めないうちに、とあたふたと帰る準備をして俺は教室を飛び出した。階段を転げ落ちそうな勢いで降り、駅まで走る。タイミングよくホームに滑り込んできた電車に飛び乗った。
肩で息をしながら、パンを入れた鞄を抱きかかえる。彼女と2人で作った、母のための大事なパン。早く、早く食べてもらいたい。
電車の扉が開くのと同時に、俺はまた駆け出した。
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