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始まりの日
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絵に描いたような円満な家庭。それが俺の家庭だった。父が出て行くまでは。
ご飯は必ず家族全員で食べる。たまに3人で旅行したり、遊びに行ったりする。夫婦喧嘩をしない。そして、朝はパンではなくご飯を食べる。俺たち家族にはそんな暗黙のルールがあった。
「やっぱり朝はご飯に限るよな」
父は朝ご飯を食べながらいつもそう言う。父の実家は農家で、昔から朝はご飯と決まっていたらしい。
「もう聞き飽きたわよ」
母がお茶碗におかわりをよそいながら笑う。僕は黙ってもそもそご飯を口に運んでいた。仕事のある父に合わせて朝ご飯を食べると、時間はいつも7時前後になる。俺は早起きが苦手だったから、ご飯を3人で食べることよりも寝ることを優先したかったのだ。
思い返せば、平和で幸せな時間だった。
しかしある日、父が仕事帰りにパンを買ってきた。
「明日の朝はこれを食べよう」
あんぱん、クリームパン、メロンパン。よくある一般的な菓子パンを机に並べて父はそう言った。
父はパンなど食べる人ではなかった。朝に限らず、昼も夜も、間食でも。
「パンなんてすぐ腹が減るし、食べた気しないじゃないか」
テレビでパン特集なんかが流れていると、父はよくそんなことを言っていた。
その父が、パンを買ってきて食べようだなんて。しかも、そのパンはスーパーやコンビニで売られているようなものではない。パン屋に行って買わないと手に入らないものだった。
「どこで買ってきたの?」
そう聞くと、
「職場の近くにパン屋ができたから行ってみたんだ」
と父は答える。
パンを食べない人が、パン屋に行ってパンなんて買うんだろうか。幼心にちらりとそう思った。
母は不思議そうな顔をしながらも、「たまにはいいか」と首を縦に振った。
それから父はしょっちゅうパンを持って帰ってくるようになった。
「取引先の社長がパン好きで、差し入れのついでに買ってきたんだ」「同僚が買って余ったものをもらってきた」なんて、言い訳みたいなものを付け足しながら。
同時に、帰りも少しずつ遅くなっていった。休みの日に仕事が入ることも多く、父抜きでご飯を食べる日も増えた。まるでパンが父の代わりのように、少しずつ俺たちの食卓を侵食していた。
俺はそれでも構わなかった。パンは美味しいし、ご飯より甘くてお菓子みたいで、「こんなの毎日食べられるなんてラッキー」ぐらいに思っていた。
カラースプレーがたっぷりかかったドーナツや、先端までチョコがぎっしり詰まったチョココロネ。舌触りの良いこしあんのあんぱん。甘くてほんのりしょっぱくて、柔らかくて、ぼくはすっかりパンの虜になっていた。
「甘くて美味しいね、ぼくパン大好き」
と俺が母に言うと、「ああ、そうなの」と母は目の下にクマを貼り付けた顔で力なく笑った。母は虚な目でちらりとパンを見ると、小さく眉間に皺を寄せて目を逸らした。
その頃には、父の姿を家で見ることの方が少なくなっていた。
何かがおかしい。
「なんでお父さん、帰ってこないのにパンばっかり持って帰ってくるんだろうね」
純粋に疑問に思い、俺はある日ぽろりとそう言った。幼稚園から帰ってきて、おやつにあんぱんを食べているところだった。幼児に人気のパンのキャラクターの顔が描かれたあんぱん。それきり何年もパンを食べられないとわかっていたら、もっと味わって食べていただろう。
食卓に座っていた母がいきなり立ち上がった。驚いて母を見上げるが、その顔には何の表情もない。
「お父さんがそんなに好きになっちゃうパン屋さん、どんなところか見てみようかしらね」
氷のように冷たい声で母は言う。有無を言わせない声だった。怖い。俺は母から目を逸らし、黙って頷いた。
母は生気のない目で窓の外を見る。ちょうど雨も降ってきたし、お父さんに傘を届けてあげましょう。そう呟いて立ち上がり、玄関へと向かう。俺も慌ててパンを口に詰め込んで母の後を追った。
あんぱんはもう、何の味もしなかった。
冬の入り口、秋の終わり。冷たい雨の降る夜だった。
夕方からずっと、父の会社の前に母と張り込んでいる。雨は降り止まず、俺のズボンの裾を冷たく濡らしていた。
もう帰りたい。何度も母を見上げてそう言おうとした。しかし、能面のような母の顔を見るたびにその言葉を飲み込むしかなかった。いつも笑顔を浮かべていた母は、もうどこにもいない。
「……あ」
ふと顔を上げた時、会社の扉から見慣れた人影が出てくる。父だ。
傘を持っていない父は、鞄を頭の上に乗せるようにして走り出す。
「行くよ」
母が俺の手を痛いくらいの力で引いた。転びそうになりながら、母の後を小走りでついていく。
父は俺たちに尾行されていることにも気づかず、歩いて1分もかからない場所にあるパン屋に飛び込んだ。道路を隔てたところで、俺たちは父を観察する。
レジの前に立っていた女性店員が、父を見てパッと顔を明るくした。それを見た母が俺の手をぎゅっと握りしめる。冷たい、冷たい手だった。
父はいくつかパンをトレイに乗せ、レジへと向かう。そのまま彼女と話し込み、あたりを窺うように見渡してから――あろうことか、彼らはキスをした。
唇を離し、仲睦まじげに顔を寄せて何かを囁きあった後、女性が店の奥へと消える。
ばさり、と母の持っていた傘が開いたまま地面に落ちる。続いて、腕にかけていた父の傘も。
ばたばたばたと激しい音を立てて、地面に落ちた傘に雨が当たる。
「母さ……」
どうして傘を拾わないのか、と思いつつ母の顔を見上げ、俺は動けなくなった。
母は父をじっと見ていた。唇は小刻みに震え、悲しいような怒っているような顔で、母は父から決して目を逸らさなかった。その瞳に宿っているのは、確かな怒りと憎しみと、悲しみだった。
初めて母のそんな姿を目にした俺は、何もできずにただ母の手を握りしめた。怖くてたまらなかった。
家族が壊れちゃう。お父さんのせいで。
雨に打たれながら、俺はそう思った。
しばらくして、先程の女性が私服に着替えて出てきた。父と腕を組み、店の隣の駐車場に停めてある車に素早く乗り込む。父は助手席で鼻の下を伸ばしていて、俺はなんだかひどく腹が立った。お母さんはこんなに傷ついているのに、なに楽しそうに女の人の車になんか乗ってるんだよ。
2人の乗った車が見えなくなっても、母は雨に濡れたまま立ち尽くしていた。
「……帰ろう、お母さん」
俺が母の手を引くと、虚な目がこちらを向く。そうね、と声に出さずに呟いて、母はのろのろと傘を拾って歩き出した。
家に帰るとすぐに、母は家にあるパンを全て捨てた。
「……こんなもの、こんなもの……二度と食べるもんか」
母はばさばさとゴミ箱にパンを放り込む。大粒の涙が頬を伝い、キッチンの床にいくつも水玉を作っていた。
全て捨て終わると、母は俺を見て笑った。
「薫、あなたはお父さんみたいにパンに夢中になったりしないよね? もう、パンなんか食べないよね?」
ひゅっと息ができなくなる。ふわふわで、甘くて、小麦のいい香りのパン。ご飯も好きだけれど、同じくらい――いや、それ以上に俺はパンが好きだった。
でも、そんなこと母の前では言えない。母の口は笑っていたけれど、目は笑っていなかった。怖い。食べたい、なんて言えない。言っちゃいけない。だってまたお母さんが傷つく。
ゴミ箱に捨てられたパンの残骸を見て、ぎゅっと目を閉じる。
「うん、食べないよ」
そう言って、母を抱きしめた。雨に濡れた体は震え、俺よりもずっと大きなはずの母の体がひどく小さく思えた。
それからすぐに、母は浮気の証拠を集めて父に突きつけた。父は否定することもなく、離婚の条件を全て呑んでさっさと家を出て行った。
そして、長い長いパンストライキが始まったのだ。
ご飯は必ず家族全員で食べる。たまに3人で旅行したり、遊びに行ったりする。夫婦喧嘩をしない。そして、朝はパンではなくご飯を食べる。俺たち家族にはそんな暗黙のルールがあった。
「やっぱり朝はご飯に限るよな」
父は朝ご飯を食べながらいつもそう言う。父の実家は農家で、昔から朝はご飯と決まっていたらしい。
「もう聞き飽きたわよ」
母がお茶碗におかわりをよそいながら笑う。僕は黙ってもそもそご飯を口に運んでいた。仕事のある父に合わせて朝ご飯を食べると、時間はいつも7時前後になる。俺は早起きが苦手だったから、ご飯を3人で食べることよりも寝ることを優先したかったのだ。
思い返せば、平和で幸せな時間だった。
しかしある日、父が仕事帰りにパンを買ってきた。
「明日の朝はこれを食べよう」
あんぱん、クリームパン、メロンパン。よくある一般的な菓子パンを机に並べて父はそう言った。
父はパンなど食べる人ではなかった。朝に限らず、昼も夜も、間食でも。
「パンなんてすぐ腹が減るし、食べた気しないじゃないか」
テレビでパン特集なんかが流れていると、父はよくそんなことを言っていた。
その父が、パンを買ってきて食べようだなんて。しかも、そのパンはスーパーやコンビニで売られているようなものではない。パン屋に行って買わないと手に入らないものだった。
「どこで買ってきたの?」
そう聞くと、
「職場の近くにパン屋ができたから行ってみたんだ」
と父は答える。
パンを食べない人が、パン屋に行ってパンなんて買うんだろうか。幼心にちらりとそう思った。
母は不思議そうな顔をしながらも、「たまにはいいか」と首を縦に振った。
それから父はしょっちゅうパンを持って帰ってくるようになった。
「取引先の社長がパン好きで、差し入れのついでに買ってきたんだ」「同僚が買って余ったものをもらってきた」なんて、言い訳みたいなものを付け足しながら。
同時に、帰りも少しずつ遅くなっていった。休みの日に仕事が入ることも多く、父抜きでご飯を食べる日も増えた。まるでパンが父の代わりのように、少しずつ俺たちの食卓を侵食していた。
俺はそれでも構わなかった。パンは美味しいし、ご飯より甘くてお菓子みたいで、「こんなの毎日食べられるなんてラッキー」ぐらいに思っていた。
カラースプレーがたっぷりかかったドーナツや、先端までチョコがぎっしり詰まったチョココロネ。舌触りの良いこしあんのあんぱん。甘くてほんのりしょっぱくて、柔らかくて、ぼくはすっかりパンの虜になっていた。
「甘くて美味しいね、ぼくパン大好き」
と俺が母に言うと、「ああ、そうなの」と母は目の下にクマを貼り付けた顔で力なく笑った。母は虚な目でちらりとパンを見ると、小さく眉間に皺を寄せて目を逸らした。
その頃には、父の姿を家で見ることの方が少なくなっていた。
何かがおかしい。
「なんでお父さん、帰ってこないのにパンばっかり持って帰ってくるんだろうね」
純粋に疑問に思い、俺はある日ぽろりとそう言った。幼稚園から帰ってきて、おやつにあんぱんを食べているところだった。幼児に人気のパンのキャラクターの顔が描かれたあんぱん。それきり何年もパンを食べられないとわかっていたら、もっと味わって食べていただろう。
食卓に座っていた母がいきなり立ち上がった。驚いて母を見上げるが、その顔には何の表情もない。
「お父さんがそんなに好きになっちゃうパン屋さん、どんなところか見てみようかしらね」
氷のように冷たい声で母は言う。有無を言わせない声だった。怖い。俺は母から目を逸らし、黙って頷いた。
母は生気のない目で窓の外を見る。ちょうど雨も降ってきたし、お父さんに傘を届けてあげましょう。そう呟いて立ち上がり、玄関へと向かう。俺も慌ててパンを口に詰め込んで母の後を追った。
あんぱんはもう、何の味もしなかった。
冬の入り口、秋の終わり。冷たい雨の降る夜だった。
夕方からずっと、父の会社の前に母と張り込んでいる。雨は降り止まず、俺のズボンの裾を冷たく濡らしていた。
もう帰りたい。何度も母を見上げてそう言おうとした。しかし、能面のような母の顔を見るたびにその言葉を飲み込むしかなかった。いつも笑顔を浮かべていた母は、もうどこにもいない。
「……あ」
ふと顔を上げた時、会社の扉から見慣れた人影が出てくる。父だ。
傘を持っていない父は、鞄を頭の上に乗せるようにして走り出す。
「行くよ」
母が俺の手を痛いくらいの力で引いた。転びそうになりながら、母の後を小走りでついていく。
父は俺たちに尾行されていることにも気づかず、歩いて1分もかからない場所にあるパン屋に飛び込んだ。道路を隔てたところで、俺たちは父を観察する。
レジの前に立っていた女性店員が、父を見てパッと顔を明るくした。それを見た母が俺の手をぎゅっと握りしめる。冷たい、冷たい手だった。
父はいくつかパンをトレイに乗せ、レジへと向かう。そのまま彼女と話し込み、あたりを窺うように見渡してから――あろうことか、彼らはキスをした。
唇を離し、仲睦まじげに顔を寄せて何かを囁きあった後、女性が店の奥へと消える。
ばさり、と母の持っていた傘が開いたまま地面に落ちる。続いて、腕にかけていた父の傘も。
ばたばたばたと激しい音を立てて、地面に落ちた傘に雨が当たる。
「母さ……」
どうして傘を拾わないのか、と思いつつ母の顔を見上げ、俺は動けなくなった。
母は父をじっと見ていた。唇は小刻みに震え、悲しいような怒っているような顔で、母は父から決して目を逸らさなかった。その瞳に宿っているのは、確かな怒りと憎しみと、悲しみだった。
初めて母のそんな姿を目にした俺は、何もできずにただ母の手を握りしめた。怖くてたまらなかった。
家族が壊れちゃう。お父さんのせいで。
雨に打たれながら、俺はそう思った。
しばらくして、先程の女性が私服に着替えて出てきた。父と腕を組み、店の隣の駐車場に停めてある車に素早く乗り込む。父は助手席で鼻の下を伸ばしていて、俺はなんだかひどく腹が立った。お母さんはこんなに傷ついているのに、なに楽しそうに女の人の車になんか乗ってるんだよ。
2人の乗った車が見えなくなっても、母は雨に濡れたまま立ち尽くしていた。
「……帰ろう、お母さん」
俺が母の手を引くと、虚な目がこちらを向く。そうね、と声に出さずに呟いて、母はのろのろと傘を拾って歩き出した。
家に帰るとすぐに、母は家にあるパンを全て捨てた。
「……こんなもの、こんなもの……二度と食べるもんか」
母はばさばさとゴミ箱にパンを放り込む。大粒の涙が頬を伝い、キッチンの床にいくつも水玉を作っていた。
全て捨て終わると、母は俺を見て笑った。
「薫、あなたはお父さんみたいにパンに夢中になったりしないよね? もう、パンなんか食べないよね?」
ひゅっと息ができなくなる。ふわふわで、甘くて、小麦のいい香りのパン。ご飯も好きだけれど、同じくらい――いや、それ以上に俺はパンが好きだった。
でも、そんなこと母の前では言えない。母の口は笑っていたけれど、目は笑っていなかった。怖い。食べたい、なんて言えない。言っちゃいけない。だってまたお母さんが傷つく。
ゴミ箱に捨てられたパンの残骸を見て、ぎゅっと目を閉じる。
「うん、食べないよ」
そう言って、母を抱きしめた。雨に濡れた体は震え、俺よりもずっと大きなはずの母の体がひどく小さく思えた。
それからすぐに、母は浮気の証拠を集めて父に突きつけた。父は否定することもなく、離婚の条件を全て呑んでさっさと家を出て行った。
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