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全年齢対象作品になれるように頑張りたいのに

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納心先輩と第二準備室で過ごす放課後の日々から2ヶ月が経ったある日、納心先輩が突然こういった。
「ねー。キヨモリくん、女装してみたら?」
ギターとピアノのみのカオスなセッションの休憩中。
ボクはビックリして飲んでいたお茶をブッと吹き出してしまった。この人ずっとえるちゃんの件を引き摺っていたんですか。
「な、なんですか、急に。しませんよ、絶対に。高校で女装して登校するなんて、出来るわけないじゃないですか」
「みんなの前とか学校ではさすがにやばいよ。キヨモリくん、私の前で密かにで大丈夫だよ」
は、はい…すみません、と顔を真っ赤にして失礼を詫びた。
「キヨモリくん、女の子の格好似合いそうだから言ってみただけなんだけど…ごめんね、忘れて」
「してみたい…です」
「え?」
恥ずかしかった。多分顔が真っ赤だったと思う。ボクは頭が真っ白のまま伝えた。
「ちょっとだけなら…納心先輩の前でだけなら大丈夫ですよ」

「納心先輩、ウイッグからメイク道具から家になんでもあるんですね…」
今日は早めに部活を終わらせて、ボクは納心先輩のお家に来ていた。
納心先輩のご実家は山奥にあるらしく、高校入学と共に1人で市内に住むようになったらしい。
部屋は白を基調としていて、2枚ガラスの隣にロフトベッドがおいてあり、その2段目はシーツがホテルのベッドのようにシワがなく置いてある。
1段目は広い学習机で机にはモニターとキーボード、Switch。机の下にはパソコンとカラーボックスが2個も置いてあり、そこには「可愛い服のデザイン!」や「ゴスロリ特集2012」など、古本屋で100円ぐらいの雑誌と学校の教科書や参考書が置いてあった。
「ウイッグは被らなくても大丈夫かも、キヨモリくん髪ボブヘアーぐらいあるから。メイクも女顔だからそこまで濃くなくても大丈夫かな~」
そう言うと納心先輩は備え付けでスライド式ドアのクローゼットの扉を開けた。
「これから好きなの選んで大丈夫だよ~」
「わぁ…可愛い…」
白いネグリジェの様なワンピース、ショッキングピンクと紅色を混ぜた様な色のVネックニット、黒と白の千鳥格子のタイトスカート。すごく女の子らしく可愛いを極めていて、綺麗なクローゼットだ。自分まで女の子になった気がする。
「こ、これがいいです」
僕が選んだのはメープル色でタータンチェックのロングのワンピースだ。
「それ可愛いよね~!よし、着てみようか!私出てくねー」
「は、はい…!」
ボクはもう恥ずか死ぬほどの気持ちと女の子の格好がしたいというドキドキで死ぬほど心臓がはち切れそうだった。多分アドレナリンとかエストロゲンとかがめちゃくちゃ出ていると思う。快楽ホルモンの力はすごい。これを好きだと錯覚させてしまうんだから。ボクは納心先輩の事は好きにならないんだ。絶対。
「き、着替えました…」
ボクは恥ずかしそうに俯いて納心先輩の方を見る。
納心先輩は手でグッジョブを作り悶えている。
「か、かわいい……!尊い!キヨモリくんしか勝たん!」
地雷女みたいな発言をしながら納心先輩はボクにいいねを送っている。
「も、もう着替えます…恥ずかしすぎます…あ、」
ボクは納心先輩に勃ってしまった。やばい、したい。夜に男女が二人きり。しかも男と女。でも逃げなきゃ。今納心先輩を傷つけたくない。この関係を壊したくない。
「?…あ、もう帰らないといけないね」
ああ、もうこれを口実に帰ろう!したい、したいけどこの先輩としたら戻れなくなる!退学だ!逃げよう!
「家近い?大丈夫そう?」
「学校の近くなので大丈夫です、ここから歩いて10分ぐらいですから」
納心先輩に欲情してしまった。やばい、逃げよう。そう考えてボクは早着替えをして納心先輩のアパートを逃げるように出てきた。

「あ、危なかった…」
家に帰った後、三回してしまった。普段はこんなに出ないのに。これから納心先輩にどんな顔して会えばいいんだよ。
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