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24話 知識

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「ウチもうだいぶ動けるでぇ」
「4人ともなれば方向性の違いがすげぇ困った事になる時期だな」
「確かに人数がおおければそういういざこざは起きそうですね」

外は土砂降りで屋根がなければ焚き火は即刻消えただろう
拠点として優秀となっては来たがクリアを考えればいつかは進まなければ
現在山のレベルは4で地図でいう中央に向かうほどレベルが高い

「僕たちの目的地はここだと思うんです」

他の山はレベルが書かれているがGOAL地点と書かれている
ただたどり着くまでに100LVを越えなければならない
行ったことが無い山は表記が無いのだが

「目的地に行くほどレベルが上がるのですがここで4ですからね」
「ウチその事についてちょっと知っとるんよ」
「え?」
「100LVの山って雪山なんよ」

雪山は遭難者が後を絶たないので
素人が迂闊に登ったら炎上してまうぐらい難易度がけた違いらしい
自分も詳しくは知らないのだが


「お前なんで知ってるんだ?」
「ウチの姿に関係が在る事は覚えとるよ」
「本当は大人だと軽く説明していたな」
「まー高校生やから大人とちゃうけどウチこんな幼く無いで?」
「知ってる事と関係性があるって『対価を払う』的な話?」
「せや」
「他に何か知ってる事」
「十二支になぞらえた敵が出るねん」
「確かに戌(イヌ)と猪(イノシシ)をみました」

彼女の話をまとめると

①幼い姿は情報の代償
②最終ステージは雪山
③十二支の敵は後半になるほど弱くネズミが一番強い

「ちょっと手伝って頂戴!!」

慌てていくとトイレに行きたいらしい
足の怪我は少しよくなったとは言えまだまだ歩行不可
肩に担いでテントから少しだけ離れて出して貰った

「情けないわね」
「漏らさないでくれて助かりましたよ」
「確かに臭いのは嫌よね」
「いえ包帯が無くて取り替えられないので」
「アンタらしいわね」


箱が出現して見るがティッシュが1箱
尻を拭く以外に使っていない
あって困る事は無いが最終が『雪山』ならば

「最終的に防寒具、梯子(ハシゴ)、雪山に適した食料は揃える必要があります」
「このテントは木があるから建てられたが木がどこにでもある訳でも無さそうだ」
「確かに」
「目標はクリアでええな?」
「お前らがそうなら合わせる」
「物わかりのええ姉さんやで」

まずは全員が回復する事と食料の確保
自分たちの装備を整えない事には動けない
朝食を食べてドングリを拾いに行き

リュックにふたたびドングリ、そして栗の木を見付けそれも持ち帰る

「おかえりやで」

テントから出て焚き火の準備をしている久利巣

「外に出てんなよ危ねーぞ?」
「もうお昼やけど随分と時間かかっとったな」
「栗があったので割って中身だけ持ち帰ろうとしたら時間がかかりました」

話し合った結果昼ごはんはカップ麺を食べる事に
というのも天気が曇っていて気温がかなり低い
一度身体を温める物を食べる必要がある
彦星のいるテントへと食事を運ぶ


「起きてますか?」
「大丈夫よ」
「ラーメンの色々入りスープです」
「この寒さだものね」

雪すら無い気温とは思えないほどに低下した気温
温度計でもあれば測ってみたいが
体感では0度ぐらいで上着があると言っても寒い

「下手に動くより大人しくするのが得策でしょうか?」
「そうね慎重に動くのは決して悪い事じゃないわ」
「今は皆で暖をとるべきかと思ってます」
「アタシはずっとテントの中だから平気だけど」
「顔色が戻りましたね」

ずっと真っ青か真っ赤で
本当に心配していたが生きてはいけそうだ
テントの中は温かくて眠りそうになる

「アンタ寝るなら寝袋に入った方が良いわよ」
「いえ食事もしましたから外を整頓してきます」

食器を持って外に出た瞬間だった
目が『3つある』異常な猿がキャンプ場に
キィキィと静かに鳴いている

「モンスター!?」

とびかかってきたのを回避した
1匹だけの様子で他に仲間は見当たらない
そこで彼らは視界から離れたらそれ以上は追って来ないだろうと

テントに入り視界から消えてみる

「静かに」
「……」

しばらくして大声が聞こえた

「テメェの相手は俺だ!」

ヒロが戦っているらしい音がしばらく聞こえる
加勢したくても自分ではナイフも今は無い
飛び出したい衝動をおさえつけて勝利を願う


「タロウ、彦星ッ!!」

テントえお開けるヒロの姿に二人で安堵の息
顔にかすり傷はしていたが動けないほどでは無さげ
久利巣は普段いるテントから出て来た

「モンスターって叫んだからテントの中にかくれとったんや」
「大正解だと思います」
「んでこれがドロップした」

CB缶と呼ばれるタイプのガス燃料
『がす』
本当にそれしか書いていない


「ガスコンロで試してみますね」

今まで使っていた物と形も変わっていなかった
その為別にこれといって特筆すべき点が無い
とにかく使えるだけ

「時間が不明だけど薪が使えなくなったら活躍しそうだな」
「とりあえず火を使える時間が増えたのはいいですね」

栗が湯だったとの報告をうけて殻をむく作業に移る
その間にヒロは薪を拾いに行くとの事
モンスターが心配だが何かあれば隠れろと言われた

「ヒロさんはモンスターに出会って大丈夫ですか?」
「今まで狩りまくってたからな」
「確かにそうですけど」
「不安な気持ちは分かるが動かないと結局は後で困るからな」

大人しく栗の皮を剥く
かなり硬くて大変だったのだが他に役に立てることも大して思いつかない
主人公だけが中途半端なステータスのゲームをやらされてる気分だ

「ほら新しく薪持ってきたぜ!」
「だいぶ剥けましたよ」
「甘いし美味いな」
「食料は解決しましたが寒さとモンスターは早急に対策が入りそうですね」

箱が出現したので触れた
今までで一番大きく変化して困惑するが
ナイフと言うにはゲームデザイン
青い宝石がはめられている

「ブルーナイフじゃねぇか」
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