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起 本屋にて
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科学の世界から魔法がある世界に転生した
クローンはこの世界で『勇者』と呼ばれて皆にあいされている
だが、それは純正製品たちの話
私は抱かれる為に作られた『Aシリーズ』のクローンだ
Aシリーズは14日間ほど抱かれなければ脳が死んでしまう
造られた意味を考えれば当然のこと
「あっあっ、お客様、もっと私で良くなってくださいーーー」
夜の街で偽の行為に喘ぎを入れて
こうするしか生きる術がない事に唇を噛んで耐え忍んだ
私だって誰かと結ばれたい
だがここまで男で汚れた私を誰が愛してくれるのか
あくる日の、街で買い物中の事だ
本を売っている店で偶然同じ本を手にしようとしたクローンの勇者は、何故かドレスを着ていてとても目立っていたのだ。
男型のクローンがドレスを着ているのはかなり珍しいしおまけに話しかけて来た。
「すみませんが、どうしても必要なのです」
「えっと、はい!?」
「心苦しいのですが、何か欲しいものがあれば奢りますのでどうか譲ってはいただけませんか?」
「欲しいもの?」
「宝石などでも構いませんよ」
「えぇ!?」
「……それだけ今の私には必要なのです」
何故、クローンが『今日発売の小説』というだけのこれを買いたがるのだろうか?
正規のクローンはあまり娯楽をやらない
何故なら奴隷だった彼らにその権利は与えられておらず、娯楽についてを別に必要ないものと考えるのが普通なのだ
「そこまで必要なのでしたら、どうぞ」
ドレスのクローンな時点でもしかしたら欠陥品なのかもしれないと悟り、少し彼への哀れみを感じたこともあって本はすぐに譲る事にした。
「ありがとうございます!やはり貴女様には何かお礼をしなければですね」
「いいんですよ、それにお金あっても結局仕事をしなければならないので・・・・・・」
首を傾げている、しまった余計なことを言ったと後悔するが仕事は仕事だ。
「なんの仕事を?」
「・・・・・・Aシリーズなので、仕事は選びようがないですね」
クローンたちの常識でAシリーズについて知らないのならば相当な欠陥品だろう
すぐにいなくなると思っていたら
「つまりこの世界で言う所の娼婦ですか、今度店に行きたいので店名を教えて貰えますか?」
どうも娯楽好きなクローンらしく、小説を買うよりもそんな事にまで興味があるのかと思いつつも『アミ』の名刺を渡した
「どうぞ」
「では、また」
そのクローンはアミの手をとると甲にキスをしてから手を振って去っていった。
「・・・・・・あ」
高鳴る心臓の音と火照る顔
彼の事が好きになっちゃった!
もっていた鞄で赤くなっている顔を隠しながら店を出るハメになった。
クローンはこの世界で『勇者』と呼ばれて皆にあいされている
だが、それは純正製品たちの話
私は抱かれる為に作られた『Aシリーズ』のクローンだ
Aシリーズは14日間ほど抱かれなければ脳が死んでしまう
造られた意味を考えれば当然のこと
「あっあっ、お客様、もっと私で良くなってくださいーーー」
夜の街で偽の行為に喘ぎを入れて
こうするしか生きる術がない事に唇を噛んで耐え忍んだ
私だって誰かと結ばれたい
だがここまで男で汚れた私を誰が愛してくれるのか
あくる日の、街で買い物中の事だ
本を売っている店で偶然同じ本を手にしようとしたクローンの勇者は、何故かドレスを着ていてとても目立っていたのだ。
男型のクローンがドレスを着ているのはかなり珍しいしおまけに話しかけて来た。
「すみませんが、どうしても必要なのです」
「えっと、はい!?」
「心苦しいのですが、何か欲しいものがあれば奢りますのでどうか譲ってはいただけませんか?」
「欲しいもの?」
「宝石などでも構いませんよ」
「えぇ!?」
「……それだけ今の私には必要なのです」
何故、クローンが『今日発売の小説』というだけのこれを買いたがるのだろうか?
正規のクローンはあまり娯楽をやらない
何故なら奴隷だった彼らにその権利は与えられておらず、娯楽についてを別に必要ないものと考えるのが普通なのだ
「そこまで必要なのでしたら、どうぞ」
ドレスのクローンな時点でもしかしたら欠陥品なのかもしれないと悟り、少し彼への哀れみを感じたこともあって本はすぐに譲る事にした。
「ありがとうございます!やはり貴女様には何かお礼をしなければですね」
「いいんですよ、それにお金あっても結局仕事をしなければならないので・・・・・・」
首を傾げている、しまった余計なことを言ったと後悔するが仕事は仕事だ。
「なんの仕事を?」
「・・・・・・Aシリーズなので、仕事は選びようがないですね」
クローンたちの常識でAシリーズについて知らないのならば相当な欠陥品だろう
すぐにいなくなると思っていたら
「つまりこの世界で言う所の娼婦ですか、今度店に行きたいので店名を教えて貰えますか?」
どうも娯楽好きなクローンらしく、小説を買うよりもそんな事にまで興味があるのかと思いつつも『アミ』の名刺を渡した
「どうぞ」
「では、また」
そのクローンはアミの手をとると甲にキスをしてから手を振って去っていった。
「・・・・・・あ」
高鳴る心臓の音と火照る顔
彼の事が好きになっちゃった!
もっていた鞄で赤くなっている顔を隠しながら店を出るハメになった。
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