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60話 おわり・はじまり

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全てが解かれた数か月後


王妃は部屋から出る事がほとんど無くなった


「ふふ、終わったあとのお布団すごく気持ちいい」
「これだけで足りたのか?」
「心配ならもういっかい、する?」
「する」


「……」

部屋の中に、手や足に枷がつけられた囚人
特に言葉を発する事もなく目を閉じていた。


「さすがにもう限界」
「ならここで終わろう」
「大好きだよ、『魔王様』」
「俺も好きだ」



「不穏な空気ですみたい雰囲気だすの止めてもらえません?」

6155が入り口でため息をついた。

「何か変だった?」
「兄と妻を部屋に閉じ込めて監禁してるヤバイ王にしか見えません」
「監禁などしていないだろう」
「そうだよ、僕閉じ込められて無いよ?」

ゆさゆさと6024は義理の兄をゆすった

「……ん?寝てました」
「おはようお兄ちゃん、もうお昼だよ?」
「なら食堂でご飯頂いてきますね」

ガチャリ、手足の枷を外す音

「もう枷などは付けて無くてもいいような気がするんですが」
「気休めですよ、王妃と弟の、それに私が外に出て行こうとしたらどうします?」
「前科のある人を外になど出せませんよ、あなたの愛の重さはよく知っていますから」
「自分が見張っているから枷がいらないという真意なのですね」

二人が部屋のから出て、ドアが閉まった
魔王と6024の二人だけの空間は


「仲よくなったよね、お兄ちゃんも6155さんも」
「……私は未だにここが未来で、皆が本物ではなくコピーである事と責任を考えています」
「クローンでも、コピーでも、君にここまで愛されて、愛の力で全てを終わらせたのは本当の事だよ」
「その、6024、妻になってくれと告白した……その日に、お互い渋い顔をしていただろう」
「あったねそんな事も」

今となっては懐かしい記憶、出会ってから魔王様に世界を教えて貰い
妻にする何ていう旧世界なら絶対に聞きたくなかった台詞を言われて
旧世界の大切だった彼なのだと分かって

同じクローンだった『勇者』たちは、こんな僕でも受け入れてくれた

魔王様が一緒に冒険した仲間は、冒険が終わったあとでも駆けつけてきてくれた

憧れていた『お兄ちゃん』が今の僕にはいる

だけど

「改めてその、言ってくれないか?私と、結婚したことについて」
「いいよ」

ぐいっと、顔を近づけて、目と鼻の先に顔がある状態で



「僕を選んでくれて、ありがとう」





「え?」
「だって、愛する人はいっぱいいたけど、結婚は僕だけだったもん!」
「そうだな」
「もー、二人だけの時は素でいいのに」
「妻が可愛すぎて混乱してるんですよ」
「それと、ね?」
「どうした」
「僕って男の子でしょ?」
「ああ」
「だからないと思ってたんだけど……その、何か言いづらいな」
「何でも言ってくれていいんだぞ?」
「驚くと思う」
「驚かせてくれ」
















「赤ちゃんが出来た」




魔王は(安政の為)、6024を部屋からしばらく出さなかった。
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