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58話 真相
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旧世界にて
「・・・・・・は、あっ」
ディンの一家が住むその家で、血まみれの長男ゼル・ディンは倒れていた
まだ死んでは無いものの時間の問題で
ノートを持たされた意味はよく理解出来なかったが弟を殺すための最悪な代物であるのは父親の口ぶりから理解出来たのだ。
屋敷の警備が甘い、必ず弟は1度戻ってくるし破いても直して読まれるだろう
頭を打たれたせいで思考はまとまらない
それでも書き足した
新しい世界への犠牲者を父親が選んだ者から、俺が選んだものへ
「ミナト、ごめんなさい・・・・・・止められない、なら」
せめて新しく作られるミナトが幸せになれるように祈った、仲間がいて何よりも愛する人に出会えたなら
その願いは届く事となるが、死にゆく『彼』はそれを知る由も無かった。
――――――――――――――――――
連れ去られる前、イチ視点
「助かりました『ゼル』さん」
心臓の移植手術で動けない筈のゼル・ディンは街の外でイチをロボットから救っていた。
「問題はここからですよ」
「ええ、このロボットカメラついてますが、敵には筒抜けなのでしょうか?」
「映像を送る仕組みはありますが、どうやら距離は遠くないですね」
「貴方がいうなら、そうなのでしょうね」
「信じてくれて助かります」
「それで、この後はどうします?」
「ロボットの映像をジャックします」
「それで?」
「イチさん、さらわれて下さい」
一瞬硬直するも、イチはすぐに納得した
ゼルディンが隠れていた人がいないから見つからない箇所は寒さと雪で見つけるのが困難であったし、全ての国々を自分とミナトは旅をして巡ったのだ。
「場所を特定するために、私を送り出したいと」
「敵の正確な場所を特定する為です、おおまかな場所はもう分かってますよシグラルの谷底です」
「・・・・・・どうやって行きます?魔法では上を飛ぶか落ちるかの2択になる場所ですが」
「その為に、ヘリコプターを作りました」
思い出して欲しいが、この世界まだ馬車が普通に存在している、移動手段といえば馬車が一般的。
そんな中でヘリコプターだと言うこの男である。
「え、あれ作れるんです!?」
「仕組みなんかプロペラをぶん回せばいいだけなので」
「何時の間に、というかどうやって……?」
「そもそもミナトに焼かれる前に『私』のコピーを作っておいたんです」
「え、つまり貴方もクローン?」
「……そういう事になりまして本当に彼は『ゼル』を焼きころしています、オリジナル個体ですね」
「とりあえず残り何人いるんです?」
「ストックはこの身体と今、心臓を移植されてる身体だけです」
そして、魔王の城
「ミナト」
「兄様、もう動けるのですか!?」
あまりの驚きに素が出る魔王
「これは、予備の身体です」
「え」
「敵に知られたくなくて隠してました、それと貴方は王妃を抱いて下さい」
「何でだ」
「あなたの魔力を無くして、父様の油断を誘います」
「すぐ気づくのでは?それに場所が」
「場所ならとっくに分かってますよ」
「え?」
「魔法風が吹き荒れる谷の底です、ヘリコプターで行って下さい」
「・・・・・・は、あっ」
ディンの一家が住むその家で、血まみれの長男ゼル・ディンは倒れていた
まだ死んでは無いものの時間の問題で
ノートを持たされた意味はよく理解出来なかったが弟を殺すための最悪な代物であるのは父親の口ぶりから理解出来たのだ。
屋敷の警備が甘い、必ず弟は1度戻ってくるし破いても直して読まれるだろう
頭を打たれたせいで思考はまとまらない
それでも書き足した
新しい世界への犠牲者を父親が選んだ者から、俺が選んだものへ
「ミナト、ごめんなさい・・・・・・止められない、なら」
せめて新しく作られるミナトが幸せになれるように祈った、仲間がいて何よりも愛する人に出会えたなら
その願いは届く事となるが、死にゆく『彼』はそれを知る由も無かった。
――――――――――――――――――
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「助かりました『ゼル』さん」
心臓の移植手術で動けない筈のゼル・ディンは街の外でイチをロボットから救っていた。
「問題はここからですよ」
「ええ、このロボットカメラついてますが、敵には筒抜けなのでしょうか?」
「映像を送る仕組みはありますが、どうやら距離は遠くないですね」
「貴方がいうなら、そうなのでしょうね」
「信じてくれて助かります」
「それで、この後はどうします?」
「ロボットの映像をジャックします」
「それで?」
「イチさん、さらわれて下さい」
一瞬硬直するも、イチはすぐに納得した
ゼルディンが隠れていた人がいないから見つからない箇所は寒さと雪で見つけるのが困難であったし、全ての国々を自分とミナトは旅をして巡ったのだ。
「場所を特定するために、私を送り出したいと」
「敵の正確な場所を特定する為です、おおまかな場所はもう分かってますよシグラルの谷底です」
「・・・・・・どうやって行きます?魔法では上を飛ぶか落ちるかの2択になる場所ですが」
「その為に、ヘリコプターを作りました」
思い出して欲しいが、この世界まだ馬車が普通に存在している、移動手段といえば馬車が一般的。
そんな中でヘリコプターだと言うこの男である。
「え、あれ作れるんです!?」
「仕組みなんかプロペラをぶん回せばいいだけなので」
「何時の間に、というかどうやって……?」
「そもそもミナトに焼かれる前に『私』のコピーを作っておいたんです」
「え、つまり貴方もクローン?」
「……そういう事になりまして本当に彼は『ゼル』を焼きころしています、オリジナル個体ですね」
「とりあえず残り何人いるんです?」
「ストックはこの身体と今、心臓を移植されてる身体だけです」
そして、魔王の城
「ミナト」
「兄様、もう動けるのですか!?」
あまりの驚きに素が出る魔王
「これは、予備の身体です」
「え」
「敵に知られたくなくて隠してました、それと貴方は王妃を抱いて下さい」
「何でだ」
「あなたの魔力を無くして、父様の油断を誘います」
「すぐ気づくのでは?それに場所が」
「場所ならとっくに分かってますよ」
「え?」
「魔法風が吹き荒れる谷の底です、ヘリコプターで行って下さい」
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