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42話 蠢く影
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「6024、辛くはないか?」
「うん……大丈夫、それより王室にいなくていいの?」
「俺の事はいいんだ」
「よくないよ、やることあるでしょ?」
6024はようやく動けるようになった身体をゆっくり起こした
自身の為とはいえ激しすぎて後が地味に辛かった
変な箇所があちらこちらと筋肉痛である
外で兵士の声がした
「おい!魔王様はこちらか!?」
「そうだが、どうした?」
「緊急事態だ、入れてくれ」
「今入るとお邪魔だぞ」
「もうどんな状態でも構わん、入るぞ」
「あっコラ!」
扉を開けて兵士が入る、そして膝をついて状況を述べた。
「急ぎお伝えしたいことがございまして、緊急事態につき失礼ながら入らせていただきました、マグシェルとラビリスが戦争を開始しました!」
「はぁぁぁぁぁ!?」
「ええと」
「どっちも仲が良くて大きな国で豊かなのに、戦争!?」
「それで両国が『向こうが襲ってくるから仕方なく』と主張しておりまして」
6024は困った顔をした、政治に関しては自分が足枷になってしまっている為だ。
本当は魔王としてすぐ空を飛んで解決しに行けた筈で
自分のせいで国を弱くしているのが、悔しかった。
「兵士を仲介として向かわせよう、両者向かってくるので仕方なくならば両者向かわなければ済む」
「それと先ほどからヘリウズ様の姿が見えません」
「何!?さがして……」
外へ出ようとする魔王を、新たに部屋へ入って来た人物が止めた。
「必要ありませんよ」
「6155!?」
「彼なら今、私の部屋で寝ていますので」
しばらく、時が止まった
「何時のまに、そういう関係に!?」
「誤解してるようなので言っておきますが、部屋で拷問について教えてただけです」
「え」
「止めてくれっていうまで続けるって言ったら、あの人強情なもので……まぁ今ちょっと動けません」
兵士長がどんな拷問したのか、魔王は怖くて聞けなかった
「そう、か」
「両国が戦争になってしまったと、それは確かな情報なのですね?」
「フリル姫からの手紙です!間違いないかと」
6024は首を傾げた、昔ゼルディンを止める為に一緒に旅した仲なのは一応知っている。
だが今まで会っていない、結婚式にすらこなかったのだ。
昔の仲間にしてはずいぶんと薄情なような気もしてもやもやとしていた。
「……フリルは魔族でな、ただ町の人々は怖がるので国にこれないんだ」
「どういう事?」
「羽をしまうことが出来ないし、角も生やしたまましまえない、その姿を人々は恐れる」
「だから来るなって言ったの?」
「来て欲しかったが、各国の王たちの事も考えるといく訳にいかないと」
その言葉は、何だか6024には親近感があった。
同じ王族で民の目などを考えると下手には動けないというのは自分も同じだと。
「会いたいな、その人」
「6024はフリルと話がしたいのか?」
「うん、だけどお姫様なら国を離れられないよね……ええと戦争になった国の姫様?」
「いいやフリルは『シグラル』という、二つの国とは近いが挟まれる事は無い箇所の姫でな」
「そっか、巻き込まれてる訳ではないんだね……うーん」
「どうした?」
「これただの推測だよ?ミナトの力が無い時を狙って何者かが動いたんじゃないかなって」
「実は私も王妃と同じ意見です、事件のタイミングが良すぎますので」
「うん……大丈夫、それより王室にいなくていいの?」
「俺の事はいいんだ」
「よくないよ、やることあるでしょ?」
6024はようやく動けるようになった身体をゆっくり起こした
自身の為とはいえ激しすぎて後が地味に辛かった
変な箇所があちらこちらと筋肉痛である
外で兵士の声がした
「おい!魔王様はこちらか!?」
「そうだが、どうした?」
「緊急事態だ、入れてくれ」
「今入るとお邪魔だぞ」
「もうどんな状態でも構わん、入るぞ」
「あっコラ!」
扉を開けて兵士が入る、そして膝をついて状況を述べた。
「急ぎお伝えしたいことがございまして、緊急事態につき失礼ながら入らせていただきました、マグシェルとラビリスが戦争を開始しました!」
「はぁぁぁぁぁ!?」
「ええと」
「どっちも仲が良くて大きな国で豊かなのに、戦争!?」
「それで両国が『向こうが襲ってくるから仕方なく』と主張しておりまして」
6024は困った顔をした、政治に関しては自分が足枷になってしまっている為だ。
本当は魔王としてすぐ空を飛んで解決しに行けた筈で
自分のせいで国を弱くしているのが、悔しかった。
「兵士を仲介として向かわせよう、両者向かってくるので仕方なくならば両者向かわなければ済む」
「それと先ほどからヘリウズ様の姿が見えません」
「何!?さがして……」
外へ出ようとする魔王を、新たに部屋へ入って来た人物が止めた。
「必要ありませんよ」
「6155!?」
「彼なら今、私の部屋で寝ていますので」
しばらく、時が止まった
「何時のまに、そういう関係に!?」
「誤解してるようなので言っておきますが、部屋で拷問について教えてただけです」
「え」
「止めてくれっていうまで続けるって言ったら、あの人強情なもので……まぁ今ちょっと動けません」
兵士長がどんな拷問したのか、魔王は怖くて聞けなかった
「そう、か」
「両国が戦争になってしまったと、それは確かな情報なのですね?」
「フリル姫からの手紙です!間違いないかと」
6024は首を傾げた、昔ゼルディンを止める為に一緒に旅した仲なのは一応知っている。
だが今まで会っていない、結婚式にすらこなかったのだ。
昔の仲間にしてはずいぶんと薄情なような気もしてもやもやとしていた。
「……フリルは魔族でな、ただ町の人々は怖がるので国にこれないんだ」
「どういう事?」
「羽をしまうことが出来ないし、角も生やしたまましまえない、その姿を人々は恐れる」
「だから来るなって言ったの?」
「来て欲しかったが、各国の王たちの事も考えるといく訳にいかないと」
その言葉は、何だか6024には親近感があった。
同じ王族で民の目などを考えると下手には動けないというのは自分も同じだと。
「会いたいな、その人」
「6024はフリルと話がしたいのか?」
「うん、だけどお姫様なら国を離れられないよね……ええと戦争になった国の姫様?」
「いいやフリルは『シグラル』という、二つの国とは近いが挟まれる事は無い箇所の姫でな」
「そっか、巻き込まれてる訳ではないんだね……うーん」
「どうした?」
「これただの推測だよ?ミナトの力が無い時を狙って何者かが動いたんじゃないかなって」
「実は私も王妃と同じ意見です、事件のタイミングが良すぎますので」
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