40 / 60
40話 大喧嘩
しおりを挟む
ヘリウズは首を傾げていた
「喧嘩……?」
「はい、ですのでしばらく魔王様には近づきません」
「お前が、ミナトと喧嘩ってアイツ何やらかしたの?」
「答えると魔王様の立場がとんでもなく危うい事になりかねないので……あのクソ魔王」
魔王へのただの罵倒など丁寧に話す事を心掛けている彼が言ったので本当にガチギレしてるなと苦笑いした。
「おう?とりあえず革命とか馬鹿な真似考えないでくれよ?」
「しませんよ、そこまで愚かに思えます?」
正確は温厚で、兵士長の座にいるのが嘘みたいな奴で
その晩は王妃の護衛にはひとまず自分がついた。
別に元々ずっと付きっぱなしになる予定なので苦ではない、しかし6155の様子からして原因はまぎれもなく魔王にあるとは思っていた。
「……マジであいつ何したんだ?」
「ヘリウズさん」
「どうした?」
「今日、兵士長さん具合悪いかも……僕に付き合わせちゃって」
「王妃様も何か知ってるのか」
「あとごめん、今ミナト魔法使えない」
「それは―――まぁ、はい」
魔王の身に何が起きたのかは理解したが、なぜ6155まで?
「様子って、見た?」
「魔王様と喧嘩したらしい事は聞いています」
「そんなにきつかったかな……シール」
「シール?」
「僕の為に作ってくれた物で、魔力が流れ込むんだけど、うっかり魔王様が6155さんに触って」
「そんな女がうっかりおっぱい触られたみたいな理由で怒ってんの?」
「すごい起ってたから、良すぎて混乱したのかも?でもちゃんとケアしてくれたんだよ?」
「ケア?」
「うん、だってこっちに来てから一度も抜いてないっていうし……」
「クソ真面目な奴だから、汚されたーとか騒いでるって事かぁ?」
「別に誰も入れてはないよ?玩具入れてあげたら気持ちよさそうにしてたから……うーん、言わない方が良かった?」
「知識が無かったのかもなぁ」
「ううん、すごい詳しくて驚いたよ?」
「……え」
詳しい?こっちの世界に来てからの事は知っているが、勉強した?
閨事なんかをアイツが?
「顔が渋いけど、どうかした?」
「ちょっと気がかりになってな、まぁいいさ敵も出ている訳でもないし」
「でも、ちょっとやりすぎたかもしれないから気は配ってあげて」
交代の時間になり、食事のあと大風呂に入った
今は夜中なので人はいないかと思えたが暗闇に人の影
一人いるぐらい気にしなくていいかと声に出した
「まぁ、いいか」
「……貴方ですか」
「ってお前かよ6155」
「護衛と言う名のおもりは大変だったでしょう?」
「いや王妃様は優しい方だからな、別に苦などない」
「そうですか」
湯の中に入り、一息つく
「ふぅ……そういえばまだ、聞いてないな」
「何をです?」
「お前の過去って奴、部下に聞こうかと思ってたんだが」
「状況が変わったので、貴方は知らないで下さい」
「はぁ?お前の過去で俺に害するような事でもしてたのかぁ?」
「プライドみたいなものです、部下にはもう口留めしておきましたよ」
「たかがプライドだろーが」
「人には人の隠したい事があるんですよ」
「おまえクローンの癖に」
いがみあっていたが、それは何時だって5分後には終わる事で
何度となくしてきた口喧嘩の筈で、だからこそ驚いたのだ。
「ーーーーあ」
突如として涙が零れ落ちた、6155の目からである。
「何で泣いてんだ!?」
「うるさいですよ」
「……俺に泣かされたのか?」
「違いますよ、悪いのは黙っていた自分なのに……優しさだったのは分かってるのにっ」
「まぁ酒でも飲む?」
「ほんと昔から、そういう所ありますよね?あと風呂場での酒は禁止ですよ」
「いいじゃねぇか今日は」
「仕方ないですね」
酒を受け取る6155、二人きりでこんな風に話し合うのは久しぶりだ
「まぁなんだ?俺が聞かなきゃいいんだろ?」
「……」
「酒でも飲んで忘れちまえ、あっ」
「あっ?」
「いや何でもねーよ」
「教えてください」
「お前だって隠し事するんだろ?だったらお互い様で」
「じゃあ話すので」
「そんなに気になるか?大した事じゃねーんだけど」
「行ってください」
「王妃と会話してたんだけどさ……」
「ふむ?」
「魔王様がドジってお前にセクハラしたとかいうくっだらない話きいたぞ」
「……え」
「シールとかなんとか、そんなもんで怒るとかお子様か?」
「……」
「おいおい、せめて何か言えよ、クローンでもセクハラは嫌とか?人間ならそんなもんきにしねーと思うけど」
「後で部屋に来てください」
「ん?閨の誘い?」
「そうですが?」
「……はい?」
冗談で言った事を真に受けたのだろうか、真面目だから
「逃げ出してもいいですよ」
「何のつもりかしらないが、部屋には行ってやるよ」
「喧嘩……?」
「はい、ですのでしばらく魔王様には近づきません」
「お前が、ミナトと喧嘩ってアイツ何やらかしたの?」
「答えると魔王様の立場がとんでもなく危うい事になりかねないので……あのクソ魔王」
魔王へのただの罵倒など丁寧に話す事を心掛けている彼が言ったので本当にガチギレしてるなと苦笑いした。
「おう?とりあえず革命とか馬鹿な真似考えないでくれよ?」
「しませんよ、そこまで愚かに思えます?」
正確は温厚で、兵士長の座にいるのが嘘みたいな奴で
その晩は王妃の護衛にはひとまず自分がついた。
別に元々ずっと付きっぱなしになる予定なので苦ではない、しかし6155の様子からして原因はまぎれもなく魔王にあるとは思っていた。
「……マジであいつ何したんだ?」
「ヘリウズさん」
「どうした?」
「今日、兵士長さん具合悪いかも……僕に付き合わせちゃって」
「王妃様も何か知ってるのか」
「あとごめん、今ミナト魔法使えない」
「それは―――まぁ、はい」
魔王の身に何が起きたのかは理解したが、なぜ6155まで?
「様子って、見た?」
「魔王様と喧嘩したらしい事は聞いています」
「そんなにきつかったかな……シール」
「シール?」
「僕の為に作ってくれた物で、魔力が流れ込むんだけど、うっかり魔王様が6155さんに触って」
「そんな女がうっかりおっぱい触られたみたいな理由で怒ってんの?」
「すごい起ってたから、良すぎて混乱したのかも?でもちゃんとケアしてくれたんだよ?」
「ケア?」
「うん、だってこっちに来てから一度も抜いてないっていうし……」
「クソ真面目な奴だから、汚されたーとか騒いでるって事かぁ?」
「別に誰も入れてはないよ?玩具入れてあげたら気持ちよさそうにしてたから……うーん、言わない方が良かった?」
「知識が無かったのかもなぁ」
「ううん、すごい詳しくて驚いたよ?」
「……え」
詳しい?こっちの世界に来てからの事は知っているが、勉強した?
閨事なんかをアイツが?
「顔が渋いけど、どうかした?」
「ちょっと気がかりになってな、まぁいいさ敵も出ている訳でもないし」
「でも、ちょっとやりすぎたかもしれないから気は配ってあげて」
交代の時間になり、食事のあと大風呂に入った
今は夜中なので人はいないかと思えたが暗闇に人の影
一人いるぐらい気にしなくていいかと声に出した
「まぁ、いいか」
「……貴方ですか」
「ってお前かよ6155」
「護衛と言う名のおもりは大変だったでしょう?」
「いや王妃様は優しい方だからな、別に苦などない」
「そうですか」
湯の中に入り、一息つく
「ふぅ……そういえばまだ、聞いてないな」
「何をです?」
「お前の過去って奴、部下に聞こうかと思ってたんだが」
「状況が変わったので、貴方は知らないで下さい」
「はぁ?お前の過去で俺に害するような事でもしてたのかぁ?」
「プライドみたいなものです、部下にはもう口留めしておきましたよ」
「たかがプライドだろーが」
「人には人の隠したい事があるんですよ」
「おまえクローンの癖に」
いがみあっていたが、それは何時だって5分後には終わる事で
何度となくしてきた口喧嘩の筈で、だからこそ驚いたのだ。
「ーーーーあ」
突如として涙が零れ落ちた、6155の目からである。
「何で泣いてんだ!?」
「うるさいですよ」
「……俺に泣かされたのか?」
「違いますよ、悪いのは黙っていた自分なのに……優しさだったのは分かってるのにっ」
「まぁ酒でも飲む?」
「ほんと昔から、そういう所ありますよね?あと風呂場での酒は禁止ですよ」
「いいじゃねぇか今日は」
「仕方ないですね」
酒を受け取る6155、二人きりでこんな風に話し合うのは久しぶりだ
「まぁなんだ?俺が聞かなきゃいいんだろ?」
「……」
「酒でも飲んで忘れちまえ、あっ」
「あっ?」
「いや何でもねーよ」
「教えてください」
「お前だって隠し事するんだろ?だったらお互い様で」
「じゃあ話すので」
「そんなに気になるか?大した事じゃねーんだけど」
「行ってください」
「王妃と会話してたんだけどさ……」
「ふむ?」
「魔王様がドジってお前にセクハラしたとかいうくっだらない話きいたぞ」
「……え」
「シールとかなんとか、そんなもんで怒るとかお子様か?」
「……」
「おいおい、せめて何か言えよ、クローンでもセクハラは嫌とか?人間ならそんなもんきにしねーと思うけど」
「後で部屋に来てください」
「ん?閨の誘い?」
「そうですが?」
「……はい?」
冗談で言った事を真に受けたのだろうか、真面目だから
「逃げ出してもいいですよ」
「何のつもりかしらないが、部屋には行ってやるよ」
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
偏食の吸血鬼は人狼の血を好む
琥狗ハヤテ
BL
人類が未曽有の大災害により絶滅に瀕したとき救済の手を差し伸べたのは、不老不死として人間の文明の影で生きていた吸血鬼の一族だった。その現筆頭である吸血鬼の真祖・レオニス。彼は生き残った人類と協力し、長い時間をかけて文明の再建を果たした。
そして新たな世界を築き上げた頃、レオニスにはひとつ大きな悩みが生まれていた。
【吸血鬼であるのに、人の血にアレルギー反応を引き起こすということ】
そんな彼の前に、とても「美味しそうな」男が現れて―――…?!
【孤独でニヒルな(絶滅一歩手前)の人狼×紳士でちょっと天然(?)な吸血鬼】
◆閲覧ありがとうございます。小説投稿は初めてですがのんびりと完結まで書いてゆけたらと思います。「pixiv」にも同時連載中。
◆ダブル主人公・人狼と吸血鬼の一人称視点で交互に物語が進んでゆきます。
◆現在・毎日17時頃更新。
◆年齢制限の話数には(R)がつきます。ご注意ください。
◆未来、部分的に挿絵や漫画で描けたらなと考えています☺

うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!
かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。
その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。
両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。
自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。
自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。
相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと…
のんびり新連載。
気まぐれ更新です。
BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意!
人外CPにはなりません
ストックなくなるまでは07:10に公開
3/10 コピペミスで1話飛ばしていたことが判明しました!申し訳ございません!!

美形×平凡の子供の話
めちゅう
BL
美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか?
──────────────────
お読みくださりありがとうございます。
お楽しみいただけましたら幸いです。
【完結・BL】胃袋と掴まれただけでなく、心も身体も掴まれそうなんだが!?【弁当屋×サラリーマン】
彩華
BL
俺の名前は水野圭。年は25。
自慢じゃないが、年齢=彼女いない歴。まだ魔法使いになるまでには、余裕がある年。人並の人生を歩んでいるが、これといった楽しみが無い。ただ食べることは好きなので、せめて夕食くらいは……と美味しい弁当を買ったりしているつもりだが!(結局弁当なのかというのは、お愛嬌ということで)
だがそんなある日。いつものスーパーで弁当を買えなかった俺はワンチャンいつもと違う店に寄ってみたが……────。
凄い! 美味そうな弁当が並んでいる!
凄い! 店員もイケメン!
と、実は穴場? な店を見つけたわけで。
(今度からこの店で弁当を買おう)
浮かれていた俺は、夕飯は美味い弁当を食べれてハッピ~! な日々。店員さんにも顔を覚えられ、名前を聞かれ……?
「胃袋掴みたいなぁ」
その一言が、どんな意味があったなんて、俺は知る由もなかった。
******
そんな感じの健全なBLを緩く、短く出来ればいいなと思っています
お気軽にコメント頂けると嬉しいです
■表紙お借りしました
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

王子様から逃げられない!
白兪
BL
目を覚ますとBLゲームの主人公になっていた恭弥。この世界が受け入れられず、何とかして元の世界に戻りたいと考えるようになる。ゲームをクリアすれば元の世界に戻れるのでは…?そう思い立つが、思わぬ障壁が立ち塞がる。
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる