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33話 魔法

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ゼルは今、食事をしながら魔王の部屋で『魔法』について聞いていた

「火が使える、俺は口から吐くが『ファイア』は指先からも出せる」
「魔族って解剖された事あります?」
「……『あんた』が解剖したデータだ」

自分が罪人だと言われた時何したのか不明だったが、今何とくなく分かった
魔王の命でその解剖された事が書かれた紙が渡される
紙など自分の中では50年前に新規で創る事を禁じられたもので、貴重品であり何かをメモする程度に使うなんて有り得ないような事だった。

「なるほど、まさかの紙に書かれていますね」
「どういう暗号なんだこれ?」
「私にも読めません……が、一つ言える事は多分あなた方が魔法って呼んでる物『科学』ですね」
「どういう事よ!?あんた」
「待て、俺もしらないぞ!?俺がクローンとして暮らしていた時に火は吐けなかった!」
「そもそも『魔族』になって身体が変形してるんですから内臓も変わったのでしょう」
「こっちに来てからの変化?だが火を使えて空も飛べるぞ」

科学をよくしるものは、自分の知らない科学を見ると理解出来ない
手品をみてタネやしかけがあるのは分かるが何しているのか分からないのと同様に、科学というのは理解がなければ不思議な現象なのだ。

「もしかして氷、つめたい息もはけます?」
「ああ」
「体内に温度調整された物を使えるようになる臓器、ここですね」
「……」
「それから空でしたっけ?羽が出せると?」
「長い間はとんでいられない」

背中を触った、収納式で羽がある

「長く飛ぶとどうなります?」
「マジックポイントが切れて落ちる」
「動かす為の燃料を貯める袋がありますね、ちなみに臓器としては同じ物です」
「……」
「こうなってくると、もう貴方が『一番最初』に唱えたという呪文もあやしいですが」
「まて、呪文は存在するぞ」
「呪文なんて100年まえからあります『AIロボット、電気付けて』などが有名ですね」
「……」


『失礼します魔王様!側近のお二人が目を覚ましました!』

「何だと?ミミ、すまないが『持ってきて』くれ」
「分かったわ」


文字通りミミは医務室から、6155を『持って』きた
まるで頭で壺を運ぶかのように軽々と。


「パーツが無いのに、よく素の力で持てますね」
「はい持って来たわ」

「魔王様も王妃様も、ご無事なのですねッ!!」
「ああ、この通りな……だがゼルディンが……『ロシルデ』という麻薬を喰らった」
「麻薬?え、何でこの世界にあの麻薬があるんです!?」

魔法なんて無い、自分の結論は案外早かった。

「クソ科学者様」
「えーと、私です?」
「ハナにしたことも忘れてるクソ科学者様に、私にやった事いいます」
「はい」
「お腹に何か、入れられたです、医者は問題ないって言いました」
「……失礼」

身体に触る、それをハナはゆるしていた

「ここです」
「……多分ですが魔族を殺して魔法と呼ばれる臓器を移殖したのかと」
「そうです」
「使えるようになりました?」
「いいえ」
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