26 / 60
26話 家族
しおりを挟む
時は現代に戻る、王妃6024は全ての昔話を聞き終えると静かに言った
「どうにか、もう一度会えないかな」
「会って何を話すつもりです?」
「僕の部下にしたい」
「人のいう事を聞くような者なら、生きた人間の目をえぐるといった残虐な実験を誰かが止めていたのでは無いでしょうか」
王妃は教育プログラムを施された事による痕が残っている、首を少しさすった。
「取引は出来ると思う、それに生きているのならむしろ近くに置いて置く方がいいよ」
「ふむ?」
「遠くで未知の事を、万が一ミサイルでも造られたら1358、魔王様でも戦うのは厳しいと思う」
「それは……」
「旧世界で『最も平和』と呼ばれた時代とされてる『カサナシ』の事覚えてる?」
「お互いにシールドが無くて国同士でミサイルが飛ばなかったんでしたっけ」
「うん、それでなんだけど魔王様が死ぬと都合が悪いのは向こうだと思ってさ」
ゼルディンの目的が科学の発展ならば『抑止力』があり安定している現状のほうが都合がいい、争いをする国は他国よりも文明は何年も遅れるというのは旧世界では常識である。
「なるほど、しかし置いておくにしてもどうやって呼びよせます?魔王様にも」
「堂々と言う」
「許してくれますかね、あの『人』は……そろそろ部屋に戻ります」
「お休み、6155」
「6024様も早めに休んで下さいね」
ついに話し合いの長い夜が終えた、次の日を迎えた朝である
「ミミさんもハナさんも、忙しいのにごめんね」
「王妃様が呼ぶなんて何かと思ってるわよこの子」
「壺とかはまだ割ってませんよ?ちょっと椅子が一つ壊れましたけども……!!」
「二人ともゼルディンが生きていた事って耳に入ってる?」
「それは勿論知ってはいますが」
「僕は彼が欲しい」
すこし、二人は困惑した
魔王との新婚で何故そんな『悪人』を欲しがるのかと
「えーと、欲しいというのは不倫的な意味ではないですよね……?」
「部下として城に招きたい」
「はい!?失礼ながら申し上げますが、あの男はロクデナシですよ!」
「人間の感覚は分かっているつもり、反感が絶対に出る事も」
「ええ、あっハナ大丈夫!?嫌なら嫌って言っていい場面だからね!?」
誘拐された身寄りのない子供だったハナは、元々庶民が多いこの国中で一番の被害者と言える、そんな彼女は少し考えた。
「まずはアタシに話した訳を、聞かせて下さい」
「……」
「被害者だから、ですか?」
「そして魔王様を助けたい人という条件が必須だった」
「助けたいって?」
次の一言は双子の姉妹が双方、耳を疑った
「魔王様と彼、兄弟なんだよ」
「どうにか、もう一度会えないかな」
「会って何を話すつもりです?」
「僕の部下にしたい」
「人のいう事を聞くような者なら、生きた人間の目をえぐるといった残虐な実験を誰かが止めていたのでは無いでしょうか」
王妃は教育プログラムを施された事による痕が残っている、首を少しさすった。
「取引は出来ると思う、それに生きているのならむしろ近くに置いて置く方がいいよ」
「ふむ?」
「遠くで未知の事を、万が一ミサイルでも造られたら1358、魔王様でも戦うのは厳しいと思う」
「それは……」
「旧世界で『最も平和』と呼ばれた時代とされてる『カサナシ』の事覚えてる?」
「お互いにシールドが無くて国同士でミサイルが飛ばなかったんでしたっけ」
「うん、それでなんだけど魔王様が死ぬと都合が悪いのは向こうだと思ってさ」
ゼルディンの目的が科学の発展ならば『抑止力』があり安定している現状のほうが都合がいい、争いをする国は他国よりも文明は何年も遅れるというのは旧世界では常識である。
「なるほど、しかし置いておくにしてもどうやって呼びよせます?魔王様にも」
「堂々と言う」
「許してくれますかね、あの『人』は……そろそろ部屋に戻ります」
「お休み、6155」
「6024様も早めに休んで下さいね」
ついに話し合いの長い夜が終えた、次の日を迎えた朝である
「ミミさんもハナさんも、忙しいのにごめんね」
「王妃様が呼ぶなんて何かと思ってるわよこの子」
「壺とかはまだ割ってませんよ?ちょっと椅子が一つ壊れましたけども……!!」
「二人ともゼルディンが生きていた事って耳に入ってる?」
「それは勿論知ってはいますが」
「僕は彼が欲しい」
すこし、二人は困惑した
魔王との新婚で何故そんな『悪人』を欲しがるのかと
「えーと、欲しいというのは不倫的な意味ではないですよね……?」
「部下として城に招きたい」
「はい!?失礼ながら申し上げますが、あの男はロクデナシですよ!」
「人間の感覚は分かっているつもり、反感が絶対に出る事も」
「ええ、あっハナ大丈夫!?嫌なら嫌って言っていい場面だからね!?」
誘拐された身寄りのない子供だったハナは、元々庶民が多いこの国中で一番の被害者と言える、そんな彼女は少し考えた。
「まずはアタシに話した訳を、聞かせて下さい」
「……」
「被害者だから、ですか?」
「そして魔王様を助けたい人という条件が必須だった」
「助けたいって?」
次の一言は双子の姉妹が双方、耳を疑った
「魔王様と彼、兄弟なんだよ」
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
いっぱい命じて〜無自覚SubはヤンキーDomに甘えたい〜
きよひ
BL
無愛想な高一Domヤンキー×Subの自覚がない高三サッカー部員
Normalの諏訪大輝は近頃、謎の体調不良に悩まされていた。
そんな折に出会った金髪の一年生、甘井呂翔。
初めて会った瞬間から甘井呂に惹かれるものがあった諏訪は、Domである彼がPlayする様子を覗き見てしまう。
甘井呂に優しく支配されるSubに自分を重ねて胸を熱くしたことに戸惑う諏訪だが……。
第二性に振り回されながらも、互いだけを求め合うようになる青春の物語。
※現代ベースのDom/Subユニバースの世界観(独自解釈・オリジナル要素あり)
※不良の喧嘩描写、イジメ描写有り
初日は5話更新、翌日からは2話ずつ更新の予定です。
日本新世紀ー日本の変革から星間連合の中の地球へー
黄昏人
SF
現在の日本、ある地方大学の大学院生のPCが化けた!
あらゆる質問に出してくるとんでもなくスマートで完璧な答え。この化けたPC“マドンナ”を使って、彼、誠司は核融合発電、超バッテリーとモーターによるあらゆるエンジンの電動化への変換、重力エンジン・レールガンの開発・実用化などを通じて日本の経済・政治状況及び国際的な立場を変革していく。
さらに、こうしたさまざまな変革を通じて、日本が主導する地球防衛軍は、巨大な星間帝国の侵略を跳ね返すことに成功する。その結果、地球人類はその星間帝国の圧政にあえいでいた多数の歴史ある星間国家の指導的立場になっていくことになる。
この中で、自らの進化の必要性を悟った人類は、地球連邦を成立させ、知能の向上、他星系への植民を含む地球人類全体の経済の底上げと格差の是正を進める。
さらには、マドンナと誠司を擁する地球連邦は、銀河全体の生物に迫る危機の解明、撃退法の構築、撃退を主導し、銀河のなかに確固たる地位を築いていくことになる。
テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】
永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。
転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。
こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり
授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。
◇ ◇ ◇
本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。
序盤は1話あたりの文字数が少なめですが
全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。
日本国転生
北乃大空
SF
女神ガイアは神族と呼ばれる宇宙管理者であり、地球を含む太陽系を管理して人類の歴史を見守ってきた。
或る日、ガイアは地球上の人類未来についてのシミュレーションを実施し、その結果は22世紀まで確実に人類が滅亡するシナリオで、何度実施しても滅亡する確率は99.999%であった。
ガイアは人類滅亡シミュレーション結果を中央管理局に提出、事態を重くみた中央管理局はガイアに人類滅亡の回避指令を出した。
その指令内容は地球人類の歴史改変で、現代地球とは別のパラレルワールド上に存在するもう一つの地球に干渉して歴史改変するものであった。
ガイアが取った歴史改変方法は、国家丸ごと転移するもので転移する国家は何と現代日本であり、その転移先は太平洋戦争開戦1年前の日本で、そこに国土ごと上書きするというものであった。
その転移先で日本が世界各国と開戦し、そこで起こる様々な出来事を超人的な能力を持つ女神と天使達の手助けで日本が覇権国家になり、人類滅亡を回避させて行くのであった。
某国の皇子、冒険者となる
くー
BL
俺が転生したのは、とある帝国という国の皇子だった。
転生してから10年、19歳になった俺は、兄の反対を無視して従者とともに城を抜け出すことにした。
俺の本当の望み、冒険者になる夢を叶えるために……
異世界転生主人公がみんなから愛され、冒険を繰り広げ、成長していく物語です。
主人公は魔法使いとして、仲間と力をあわせて魔物や敵と戦います。
※ BL要素は控えめです。
2020年1月30日(木)完結しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる