20 / 60
20話 結婚式
しおりを挟む「俺は『ナナショク王国』の王である、今日ここで正式に、我が妻として彼を迎える事を宣言する!」
民衆が沸きあがる、さらには招待された各国の王も次々に祝福の言葉を述べたのだ。
「私は隣国アトランの姫でダンと申しますの、今日は本当におめでとうございますわ!」
「よろしくね、僕は6024」
「おや、偽名はおつかいにならないんですの?」
「僕の周りだと偽名使ってる『勇者』がいなかったから、僕もこれで」
「そんなの気にせず自由にすればいいのですわよ!」
「うーん、でも魔王様に6024って呼んで貰いたいから」
さっそくノロケているなと姫は笑った
「でも、本当に結婚されて良かったですわ」
「どうして?」
「何せ色気のない王でしたので……まさか男の方が好きだとは思いませんでしたが」
「そっか君はこの世界に産まれた人なんだね?」
「勿論そうですわ、けれど貴方も魔王様あっちから転生した方でしたね」
「男とか女とかいう概念あんまり気にしてこなかったから、男だ男だって言われる方がちょっと不思議な感覚なんだ」
女の人ばかりが同じヒラヒラした格好をしているのも違和感があったし、『男湯』という物にも産まれて初めて入った、この表現は正しいか分からない
「確かに魔法で男女なんて入れ替われますわ、貴方は今どちらですの?」
「男だよ」
「私からすれば妻に男の方がなるほうが不思議ですわ」
どうにもこの世界では一般的では無いらしいが、魔族や転生者の多いこの国では自分の性別についてとやかく言われるような事もなく皆が祝ってくれていたのは結婚したいしたく無いという感情にかかわらずありがたいとは感じていた。
「アトランってどんな国?」
「海の中にありますの」
「ふーん」
姫は想定していた『すごい、海の中!』という答えが返ってこなくてすこしむくれた
「珍しがらないのですわね?」
「ミサイルが飛んでこなくていいと思う」
「それって何ですの?」
「えっと、上から降ってくる一発で大体30万人ぐらい死ぬ兵器?」
「旧世界恐ろしいですわね!?」
他の国の王が割って入った
「よろしいですかな?私は地底国の国王です、こんにちは」
「こんにちは」
「我々は地面の下に住んでおります」
「シェルターに?」
「確かそれは『攻撃をよけるための防御がされた空間』という意味でしたな」
「うん」
「ええ、シェルターですとも、わが国を攻め入るのは難しい、よければハネムーンの候補にされてはいかがかな?」
「はね?」
魔王が挨拶を終えて戻ってきた
護衛のヘリウズにまず話しかける
「6024に身に何か困った事は起きていないか?」
「目立ったことは特に起きていない」
「魔王様『ハネムーン』って何?」
その問いかけに、魔王は説明をすっとばした
「どこがいい?」
「お前な、ハネムーンがわからなければ答えようがないぞ……結婚した者たちと護衛だけで行く旅行の事だ」
「え、でも」
「心配するな、俺が魔法を使えなくなっても護衛たちが守ってくれる」
0
お気に入りに追加
36
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
偏食の吸血鬼は人狼の血を好む
琥狗ハヤテ
BL
人類が未曽有の大災害により絶滅に瀕したとき救済の手を差し伸べたのは、不老不死として人間の文明の影で生きていた吸血鬼の一族だった。その現筆頭である吸血鬼の真祖・レオニス。彼は生き残った人類と協力し、長い時間をかけて文明の再建を果たした。
そして新たな世界を築き上げた頃、レオニスにはひとつ大きな悩みが生まれていた。
【吸血鬼であるのに、人の血にアレルギー反応を引き起こすということ】
そんな彼の前に、とても「美味しそうな」男が現れて―――…?!
【孤独でニヒルな(絶滅一歩手前)の人狼×紳士でちょっと天然(?)な吸血鬼】
◆閲覧ありがとうございます。小説投稿は初めてですがのんびりと完結まで書いてゆけたらと思います。「pixiv」にも同時連載中。
◆ダブル主人公・人狼と吸血鬼の一人称視点で交互に物語が進んでゆきます。
◆現在・毎日17時頃更新。
◆年齢制限の話数には(R)がつきます。ご注意ください。
◆未来、部分的に挿絵や漫画で描けたらなと考えています☺

うるせぇ!僕はスライム牧場を作るんで邪魔すんな!!
かかし
BL
強い召喚士であることが求められる国、ディスコミニア。
その国のとある侯爵の次男として生まれたミルコは他に類を見ない優れた素質は持っていたものの、どうしようもない事情により落ちこぼれや恥だと思われる存在に。
両親や兄弟の愛情を三歳の頃に失い、やがて十歳になって三ヶ月経ったある日。
自分の誕生日はスルーして兄弟の誕生を幸せそうに祝う姿に、心の中にあった僅かな期待がぽっきりと折れてしまう。
自分の価値を再認識したミルコは、悲しい決意を胸に抱く。
相棒のスライムと共に、名も存在も家族も捨てて生きていこうと…
のんびり新連載。
気まぐれ更新です。
BがLするまでかなり時間が掛かる予定ですので注意!
人外CPにはなりません
ストックなくなるまでは07:10に公開
3/10 コピペミスで1話飛ばしていたことが判明しました!申し訳ございません!!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

美形×平凡の子供の話
めちゅう
BL
美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか?
──────────────────
お読みくださりありがとうございます。
お楽しみいただけましたら幸いです。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜
天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。
彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。
しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。
幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。
運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる