異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価

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132話 ようこそカミノへ

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 カミノの飛行場に帰り、まずは先に帰っていたウルフ(人の姿)と城下町で合流した。

「無事だったんだなカドマツ!!」
「ああ」

 城下町に飛行魔物用の飛行場を作っておいて本当に良かった。
 ここなら降りて来てもだれも不思議に思わないだろう。
 あんな魔物この国にいたんだ、とはなるかもしれない。

「国王様、お待ちしておりました!!」

 かけよってきた人間に化けた姿の兵士長グラドに状況を聞く。
 この国にも現れたらしいが人の家を勝手にこわすような魔物が入ってきたので壊したらコアがなくて驚いたとのこと。
 俺たちに何が起きたのかを説明、グラドさんは頭がいいので状況をすぐ分かってくれた。
 ……本当の姿だと〈頭〉はないんだよなぁ。

「ギルドに行かせてくれ」

 トングさんの申し出によりカミノのギルドに移動。
 こんな国でもギルドがあると不思議がられることもあるが、魔物が魔物を討伐することさえ日常的である。人間が人間の盗賊でたら討伐するのと同じだ。


「ギルドマスターで人間のプリティちゃんだお!!」
「登録してある異世界転生者のトング・ハッサムです」
「え~とはい確かに受け取ったお、本日のご用件はなんだお?」
「居場所の申請と現在動けることの知らせを」
「了解だお」

 ギルドマスターは美少女なのだが喋り方がなんとなく違和感ある。
 良いとか悪いではなく、若い子が自分のことワシって言うみたいな。
 ……美少女だから許される、かな。

「アルさんは?」
「私はその……姉にここにいることがばれたらまずい、ので」
「了解」

 あとはホンイツとマキナだが、ホンイツは自力で国へ帰るそうだ。
 帰る前に封筒を手渡された。
 
「はいこれ、大事なこと書いてあるから」
「分かった」

【スキル:ドール 巨大人形】が召喚されるが国民たちは騒ぎにならない。
マキナは驚いた様子。

「あんな巨大なものが召喚されたら怖いだろ」
「親戚2メートルぐらい背があるけど、正月の度に見ていたら慣れるっていうあれだよ」
「そんなによくくるのか?」
「なんか――気が付いたらレイニーがしゃぶってたりする」
「え?」

 言いかた間違えた。
 実際は夜中にレイニーがニカナから持ってきちゃって、服から甘い匂いがするからか服をもぐもぐしてしまうのだ。
 朝になってレイニーの様子を確認にいった時、全身べっとりしているホンイツがいてドアを勢いよく閉めたことがあった。
 まさかあれ全部レイニーのヨダレだとは……。

「えーと……レイニーがよく連れてくるからさ?」
「そっ、そうか!! 俺はギルドを使わせてもらうから!!」
「アルさんも養生したほうがいいし、ここのギルドに宿泊してください」
「カドマツさんって思っていたよりも、ずっとお優しい人なのですね」

 赤くなる顔、わたわたと手を顔の前で振る。

「きゅ、急にそういうこと言わないでドキッとしちゃうから!! おじさんそういうの弱いから!!」

 可愛い女性に誉められてしまうと俺はもうデレちゃうというか。
 部下たちの呆れ顔を見つつアルさんを異世界転生者ならだれでも宿泊可能な部屋へ案内して、いいベッドを使ってもらいあとはギルドマスターに任せた。

「じゃあ俺はこれで」
「まてまて、マキナが帰るのは明日だ明日」
「へ?」
「夕方以降のカミノからの飛び立ちは法律上禁止だ」
「先に言え!!」
「ごめん普通に忘れてた……」

 でもせっかくきたのだから、と旅行をすすめた。
 金なんかねぇとというマキナにクレカを渡す。

「はいクレカ」
「クレ……クレジットカードのことか!?」
「まぁ、クレジットカードっていうより王様立替えカードなんだが」
「どういうこと?」
「これ安全面の都合で5千万までしか使えないんだ、わりぃな」
「どういうこと?」
「お前の布団は消し炭になったからこれで新しいの買ってくれ」
「どういうこと?」
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