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139話 責任(前編)
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「ただいま」
「急にいなくなって驚きました」
「ごめんて、おかしあげるから許して」
ティラノに今回の詫びにともらったのは紙の箱。
なかにはマフィンが6個入っていた。
赤い果物が埋め込まれていて、甘くて香ばしい。
――レイニーがおびえている。
お化けでも見ちゃったかのように顔が歪み震え出した。
俺はお菓子を差し出しただけなのに何故だろうか?
「いらないなら俺が喰うから」
「だ、駄目です!!」
「え?」
「別に美味しいは美味しいのですよ?」
「あ、ティラノがメシマズのヒロインってオチじゃないのか?」
異世界転生でヒロインがメシマズ。
彼女の境遇を聞いた身としては木の皮なんかて食いつないでいたし不思議はない。
そうではなく美味いのに食べてはいけないことなんてあるのか?
「味は……普通です」
「食べたらどうなるの?」
「感度300倍になります」
「この世界って18禁だったりする!?」
なんだ感度300倍って。
エロ同人でしか見ないだろそんな数字。
現実に存在していたら駄目なものでは?。
「普通は拷問に使うのですけどね?」
「え」
「触覚に始まり視覚、味覚、聴覚―――そして痛覚も300倍です」
「危険じゃん」
「何と言って渡されたのでしょうか?」
「これ余ったから今回の詫びにあげるわ、って」
「風俗で使うこともあるので、カドマツ様に寄越したのだと」
そういえば店でお菓子の欠片が出されて断ったことあるな。
王様になってからだったから不用意に変なもの食べないようにしてた。
女の子を王宮に呼んで使っちゃうとか?
「たまには魔物の子とフィーバーするのもありだな」
「……」
「でも、店に行かないのによくそんなこと知ってたな?」
「ホンイツさんに食べさせられたことがあったので」
「本人に食べさせ返して背中さわってみる?」
「※※(規制音)されても知りませんよ」
「感度300倍だもんな」
城に在る危険物の倉庫に一旦、置いた。
食べ物とはいえもし厨房に置けば誰か味見でもしかねない。
これをまんがいち誰かが喰えば責任は俺にある。
『食べるな危険、感度が300倍になります』
箱にしっかりと書いて厳重に保管した。
【スキルカード:フレンド ホンイツ】
向こうからかけてくるとは珍しい。
「はーい、もしもーし?」
「こんにちはカドマツ様」
「ワンズ……様!?」
お互いに国王という立場なのであまりフランクな喋りは避ける。
それよりホンイツが連絡してきたと思ったら彼女。
これは嫌な予感がする。
「先代の国王、動かなくなった」
「……え?」
「なにも反応しない、怪我なおしたのに」
「ん、ん~?」
「コレ死ぬの?」
「かもしれねぇな……」
「困る」
他所の家庭事情、ましてやホンイツである。
まだ死ぬつもりはなさそうだったが、生きたまま身体を喰われていく日々。
いつ頭がイカれてもおかしくないだろ。
親子のことだし、殺そうとしたホンイツへの復讐に口出しはしないが――。
「困るような結果になることをやっちまったんだな」
だって今はワンズが国王のニカナ、兵力の代替えがまだ済んでいないのに殺してみろ。
手に入れた地位を全部失っても不思議はない、で、復讐でも逆DVなんだよな。
死んで困る相手にやることじゃない。
「ラミィさんは何がしたいって?」
「ママンは何も言ってなくて、何でもするって言っても――何も言ってくれない」
「いいお母さんだな」
「え?」
「自分で決めさせるために何も言わないんだよ」
親のためなら何でもするって、言い変えれば無責任だからな。
「急にいなくなって驚きました」
「ごめんて、おかしあげるから許して」
ティラノに今回の詫びにともらったのは紙の箱。
なかにはマフィンが6個入っていた。
赤い果物が埋め込まれていて、甘くて香ばしい。
――レイニーがおびえている。
お化けでも見ちゃったかのように顔が歪み震え出した。
俺はお菓子を差し出しただけなのに何故だろうか?
「いらないなら俺が喰うから」
「だ、駄目です!!」
「え?」
「別に美味しいは美味しいのですよ?」
「あ、ティラノがメシマズのヒロインってオチじゃないのか?」
異世界転生でヒロインがメシマズ。
彼女の境遇を聞いた身としては木の皮なんかて食いつないでいたし不思議はない。
そうではなく美味いのに食べてはいけないことなんてあるのか?
「味は……普通です」
「食べたらどうなるの?」
「感度300倍になります」
「この世界って18禁だったりする!?」
なんだ感度300倍って。
エロ同人でしか見ないだろそんな数字。
現実に存在していたら駄目なものでは?。
「普通は拷問に使うのですけどね?」
「え」
「触覚に始まり視覚、味覚、聴覚―――そして痛覚も300倍です」
「危険じゃん」
「何と言って渡されたのでしょうか?」
「これ余ったから今回の詫びにあげるわ、って」
「風俗で使うこともあるので、カドマツ様に寄越したのだと」
そういえば店でお菓子の欠片が出されて断ったことあるな。
王様になってからだったから不用意に変なもの食べないようにしてた。
女の子を王宮に呼んで使っちゃうとか?
「たまには魔物の子とフィーバーするのもありだな」
「……」
「でも、店に行かないのによくそんなこと知ってたな?」
「ホンイツさんに食べさせられたことがあったので」
「本人に食べさせ返して背中さわってみる?」
「※※(規制音)されても知りませんよ」
「感度300倍だもんな」
城に在る危険物の倉庫に一旦、置いた。
食べ物とはいえもし厨房に置けば誰か味見でもしかねない。
これをまんがいち誰かが喰えば責任は俺にある。
『食べるな危険、感度が300倍になります』
箱にしっかりと書いて厳重に保管した。
【スキルカード:フレンド ホンイツ】
向こうからかけてくるとは珍しい。
「はーい、もしもーし?」
「こんにちはカドマツ様」
「ワンズ……様!?」
お互いに国王という立場なのであまりフランクな喋りは避ける。
それよりホンイツが連絡してきたと思ったら彼女。
これは嫌な予感がする。
「先代の国王、動かなくなった」
「……え?」
「なにも反応しない、怪我なおしたのに」
「ん、ん~?」
「コレ死ぬの?」
「かもしれねぇな……」
「困る」
他所の家庭事情、ましてやホンイツである。
まだ死ぬつもりはなさそうだったが、生きたまま身体を喰われていく日々。
いつ頭がイカれてもおかしくないだろ。
親子のことだし、殺そうとしたホンイツへの復讐に口出しはしないが――。
「困るような結果になることをやっちまったんだな」
だって今はワンズが国王のニカナ、兵力の代替えがまだ済んでいないのに殺してみろ。
手に入れた地位を全部失っても不思議はない、で、復讐でも逆DVなんだよな。
死んで困る相手にやることじゃない。
「ラミィさんは何がしたいって?」
「ママンは何も言ってなくて、何でもするって言っても――何も言ってくれない」
「いいお母さんだな」
「え?」
「自分で決めさせるために何も言わないんだよ」
親のためなら何でもするって、言い変えれば無責任だからな。
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