113 / 152
112話 あこがれた放課後
しおりを挟む関わりのある異世界転生者たちへレイニーの状態を伝える。もしもの時は俺が思うよりずっと早く来そうな気がして後悔しないためできるだけレイニーを知る人にはこの現実を知っていて欲しかった。
レイニーの部屋は窓をカーテンで塞ぎ、ランプの灯りはガラスを汚して暗くしている。
「よぉレイニー、お見舞いにきてやったぞ!」
「……ガゴリグさん」
「こっちはウルフに、風邪ひいたらしいから好物の魚もってきたぞ」
「カドマツ様に色々教えてもらったんです、人付き合いの仕方も……今それを持っていくと嫌な顔されると思いますよ」
「もう渡した!! すげー複雑そうな顔されたぜ!!」
だろうな、魚で死にかけたばかりだし。
「ガゴリグさんに頼みがあります」
「なんだ?」
「魔王のコアを持つ四天王の4番目が動き出しました」
「え?まじ!?」
「最後の四天王討伐に協力して頂きたい」
「俺は家族を守るために強い奴は他に任せることにしてんだってば……」
「ええ、分かっているうえで協力せざるをえないかと」
「ん?」
「敵は〈大群〉。陸・海・空に大きさ100分の1程度の小さな魔王が大量に湧き出ることが分りまして――連携しないと船、どうなるか分かりますね?」
まさかここに来て数だとは思わなかった。
予言みたいスキルではなく、異世界転生者たちの調査でたどり着いた結論。
レイニーはこれいじょう戦力として表にでれば、本当のラスボス、ハクアが討伐できなくなる。
一番まずい状態は〈ハクアが最後の四天王との戦闘でボロボロになった異世界転生者や協力者を殺しにくること〉だ。
「何匹ぐらいとか検討はついてんのか?」
「ニカナに出てきた陸の穴からは最低限50万匹ぐらい沸きます」
「50万!?」
「普段はティラノが率いている『一番手行動隊』を覚えていますか?」
「あいつらの調査力は半端ないことならな」
「確認できたのは3カ所、ニカナ上空 ドリの地下 そしてアトランティア」
「なんの意味がある神殿なのか誰も分かって無かったアレか」
最初に何もない神殿について聞いた時はゲームでいう没イベントの残骸かな~と思ってた。
影ハクアがいた場所で本当になんもない場所。
建物はあるし息もできるので寺とか見る気分で旅行ていどならできる。
※レイニーが破壊したことを教えてもらってない
「さすがに海へ50万もC~A程度の魔物が放たれて自由になったら困るのは……」
「3匹目の時点でやめる―――ってのもアリだったんじゃねぇの?」
「魔王がこの先に出なくなれば、ノアのように魔王と戦うことで命を落とす者はいなくなりますから」
珈琲を飲みながらやったことを後悔していないと告げるレイニー。
俺におかわりを強請ってくるので二杯目を入れてやりに行こうとしたら人とぶつかった。
ガゴリグさんのあとに続いてきたのはまさかの彼女。
「ちょっと!? 僕ちんに状況もう少し詳しく教えてよ!!」
「……ワンズ様」
「チッ」
「舌打ちするような場面なのか?」
「子供に罪はねぇ、だがてめーの親父は死ね」
「いいよあんなオヤツ殺したければ好きにして、そんなことよりママンが泣き出しちゃったの!! おまえママンに何言ったんだ!?」
「私がもうじき消滅します、ですね」
「ママンが悲しむことだけはダメだ、僕ちんに従ってもらうからな」
「……従ったら消えずに済むのならばそれも悪くはないですね」
二人にはレイニーの部屋から出て行ってもらいわずかな灯りを消した。
暗闇の中でも俺は見える。
そんな便利なスキルは持っていないがポチに暗視ゴーグルを頼んだ。
「バッチリ見える、どう?」
「色までは厳しいですが空間の把握は出来ます」
「楽しい?」
「え」
「だって、ラスボスに挑もう! そのために準備じゃ! って時に俺はゲームやっててすげぇ楽しかった。嫌いなヤツをボコボコにする準備なんだから楽しいのかなって」
「……そうですね、#産まれて初めて__・__きちんと#楽しい気持ちになれている気がします」
今まではレイニーをついてこさせるために俺がでていたけど。
最終地点に俺がいたら邪魔なことも分かってる。
でも、ラスボスの討伐は見届けたい。
「一緒に行きたいけど今のままだと役にたたないなー……何か悲しいことでもあれば、俺も今よりは強くなれるんだろうけど」
「最後まで弱いままのカドマツ様で、それでもお連れしますから大丈夫ですよ」
レイニーは友だちと遊んでいる時の、今までで一番自然な笑顔だった。
0
あなたにおすすめの小説
クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?
ばふぉりん
ファンタジー
中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!
「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」
「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」
これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。
<前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです>
注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。
(読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
インターネットで異世界無双!?
kryuaga
ファンタジー
世界アムパトリに転生した青年、南宮虹夜(ミナミヤコウヤ)は女神様にいくつものチート能力を授かった。
その中で彼の目を一番引いたのは〈電脳網接続〉というギフトだ。これを駆使し彼は、ネット通販で日本の製品を仕入れそれを売って大儲けしたり、日本の企業に建物の設計依頼を出して異世界で技術無双をしたりと、やりたい放題の異世界ライフを送るのだった。
これは剣と魔法の異世界アムパトリが、コウヤがもたらした日本文化によって徐々に浸食を受けていく変革の物語です。
42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。
町島航太
ファンタジー
かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。
しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。
失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。
だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~
島津穂高
ファンタジー
社畜だった俺が、βテスターとして異世界に転生することに!!
神様から授かったユニークスキルを軸に努力し、弱肉強食の異世界ヒエラルキー頂点を目指す!?
これは神様から頼まれたβテスターの仕事をしながら、第二の人生を謳歌する物語。
ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる