異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価

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81話 本物の仕草

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 肉と書かれたレイニーは膨れっ面だ。

「魔物に食べさせる肉になったみたいで嫌です」
「悪い……」
「私のことよりもあなたの荷物ですよ」

俺の周辺には石で出来た缶コーラや石で出来た土産。
石、石、石、全部が石。
でもタコ焼きは本当にタコ焼きのまま、これは本物。

 コーラは飲んだ――俺は石を飲んでたのか?

「なに? 化かされた――ってこと?」

モンドさんが説明してくれた。

「ここの鎮魂祭ちんこんさいは異世界転生や異世界転生を待つ者が生きている者にまぎれて参加する、お前さんそれどうした?」

 土産のつもりで買ったのだが、石を持って行ってもな。
 モンドさんに頼んで墓に供えてもらった。
 祭り会場は本当にあったのだが、缶コーラや日本で定番な土産などの店は石だった。
 でも店主はいる。

『さっきのあんちゃん、またきたのかい?』
「俺って1人できました?」
『そっちの人とずっと一緒だっただろう?これ買う人は幽霊に強請られて買うやつが多いらしいが、どうだったんだい?』

 何にも気づかなかったアホな俺が土産として買いました。

「生きてる人への土産のつもりで――」
『買ったものどこに?』
「モンドさんに頼んで墓の近くに供えました、おまえがお化けだって言わなかったせいだからお前が喰えと」
『お化けだって気付かないで一緒にいたんか!?』
「……はい」
「そんな奴はじめて見た』

 本当の時間はまだ昼にもなってなくて日が高い。
 金魚すくい、ではなく小さな魔物をすくう屋台など現実は現実で奇抜だ。
 隣では【スキルカード】が売られているし、【スキルカード:餅つき】ってなんだ?
 それを選んだやつがいるの? どう考えても残ってて俺に巡ってくるスキルだろ。

「漢字が読めないですね」
「え、もちじゃん」
「これはそう読むのですか?」
「そういえば今までも餅って見なかったな」

 ニカナでは団子はみたが餅はなかった。確かに日本でも餅は正月ぐらいしか食べない。

「どういう食べ物ですか?」
「正月に食べた老人がバタバタ死ぬ」
「毒でも入ってるのでしょうか……」

 いそべ焼きの屋台を見つけた、この世界でも餅はあるのか。

「餅売ってるじゃん。おじさーんこれ2つ、美味いよこれ、食べてみ?」
「……老人を殺害する謎のたべものを?」
「喉につまらせなければ大丈夫だって、だんごの串に気を付けるようなもん」

 もぐもぐ、あ、やべ。

「詰まってますよねそれ」
「~~~ッ!!」
「【スキル水:こぼれ水】」

 水のおかげでどうにか飲みこめた、そしてこんなことがあったのにレイニーも食べている。

「今の流れで喰うのすげぇ」
「〈私〉が、すすめられたのですからね」
「レイニーって案外嫉妬深いところあるよなー」
「本物の土産を買って帰りましょう」

 今の状況で長くカミノを離れすぎても心配なので適当なものを土産に城へ。
 メイドや兵士たちに土産を渡す。
 この国にタコ焼きは売ってないし魔物たちは食い物が好きだ。

「これ皆で食ってくれ」
「わーい、いただきまーす!」

タコ焼きのソースまみれになる一反木綿に洗濯ではたして汚れが落ちるか心配した。
兵士たちにもタコ焼きは好評だ。
うまいうまいと火傷もせずに、熱いから気を付けるなんて概念は魔物にないらしい。

「にしても数が多くないですか?」
「ここにある分は教会に配達してくれ」
「はーい」

 最早、ドラゴンが空を飛んでも国民は驚かなくなった。
 教会にいる子供たちにとってドラゴンはたくさんの食料を一度に届けてくれる救世主であり、危険な魔物という認識はない。

「おーい」
「ウルフこれ土産のタコ焼き」
「タコ焼き!? ――まぁ、食べるけど」

 食べたウルフの尻尾がブンブンブンブン。

「美味かったぞ」
「今度城でタコパしようぜ」
「何ですそれ」
「タコ焼きを皆で作るパーティー」
「ドレスが汚れそうですね……」
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