異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価

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47話 トラウマ事件

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暴走するぬいぐるみが町の方へ向かっている。

「レイニいぃぃぃ‼ あれッ‼ あれ止めて‼」
「ここから出ないでください」
「止めてくれなきゃ出るぞ」
「……」
「あのままじゃ城下町を破壊しちまうから放置できないだろ」

死ぬほどの被害は出ないだろうが建物を破壊する程度の威力が何故かある。
 しかも今のカミノにはジーンズからの避難民もいる
そういえばニカナでホンイツさんからスキルの使い方何も教わってこなかったな。
あとで通話スキルカード使って聞こう。

「って、さっそくヤマダさんところの畑がぁ!!」
「俺が止めてきます」
「ワタクシも」

なぜか兵士とメイドの2人を制止したレイニー。
さらにレイニーはふわりと浮遊してぶっ壊れた壁の大穴から地面に降りると、絶賛大暴れ中の虎馬ぬいぐるみを指先一つでぶっ壊した。
あと少しで人んちの畑を荒らした犯人になるところだった。
テレポーターのスキルカードを使い、部屋まで一瞬で戻ってきた。

「壁に穴が開いちゃったけど、これ修理とかのスキルでいける?」
「……」
「いやほんと壁に穴開けたのはわざとじゃねぇから!!全部ホンイツのせい」
「あの男」
「そうそう、スキルの使い方とかなんにも言わなかったアイツが悪い」

30秒後に何故かホンイツが目の前にいた。
しかもレイニーに襟首を掴まれている。
テレポーターのスキルカードで瞬間移動をしているのは分かった。

「これがあればあなたはここから出ないんですか?」
「く、首が、し、絞まって」
「うんうんだからそいつベッドに置こう、な?」

レイニーはベッドにホンイツをぽいっと放り投げた。
すまん、スキルカードが暴走したが実際よく考えたら言われてないことしたの俺だった。
何かごまかすこと言うか。

「ダウトする?」
「……なんでこんなことに」
「スキルカードの説明ちゃんと聞いてなかったなーってレイニーにちょっっっと言っただけよ俺は!? だからなんていうかこうなるか~って感じで……ごめんな?」

ホンイツは穴の大きく開いた壁を指さした。

「僕、君に壁に穴を開けるスキルカードを渡した記憶はないんだけど」
「ぬいぐるみを動かしたら暴走して穴あけちゃって」
「……」
「い、いや? 俺も適当に言ったから悪いなーとは思ってるんだけど」
「……」

無言怖い。

「そりゃ突然こんなところまで連れてこられたから怒りも湧くだろうけど」
「その足枷は誰につけられたの?」
「レイニー」

壁に開いてしまった大穴をどうするか悩む。ここレイニーの部屋なのに。
しかも雨が降り出したし、部屋の中まで吹き込んできた。
スキルカードの治療をかけたら直るかな……とカードをごそごそしていたら、生き物でなければ難しいとため息をつかれた。

「ウルフさんに傘も頼めば良かったかな」
「この状況で傘なのか」
「だって濡れるじゃん」

旅行の荷物からタオルを出して頭に被った。
修理業者とかこの国にいるだろうか……ない物が多いカミノにはいないかもしれない。
何か修復に使えそうなスキルないかな。

「かき氷だと溶けちまうし……」
「【スキル:ドール ゴーレム】」

灰色の石を積んでできたような見た目のドールが召喚されて壁を塞いだ。
ちょっと不格好ではあるが穴も塞がり濡れずに済んだので解決したということで。
トランプが濡れてしまったので俺の【スキル:ドライヤー】で乾かした。
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