死んでみたら天国が思ったのと違う~あの世スローライフ~

宝者来価

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25話 同居人が思っていたのと違う(最終回)

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※三日筋肉視点
 
「つー訳でしばらくシクヨロ!」
 
 
アレルギーだった悪魔だが病院で治療してきた
今までの苦労は何だったのだろうか
こんどから困りごとはSNSで解決策を募る事にする
 
「さっそくだが貴様のの部屋を掃除させるでござる」
「掃除?」
「片づけろとはいわん拙者が隅から隅まで掃除するでござる」
「おー?あんがと?」
「全ては閻魔様が快適に天国生活を送る為!!」
「ブレないねぇ」
 
新しい悪魔も今の所は問題が無さそうで何より
 
「引っ越しの持ち物って随分段ボールが多いな」
「スマホに入れて持ってこられるの便利な時代ぃ~☆」
「天国だから出来る事だけどな」
 
段ボールの開封作業が大変そうなので開けた
もしここで『スケベ』な物が出て来たとしても黙って片づけようかと思っていたのだが
出てきたのが髪の毛
 
 
「ぴゃ~」
「あー開けるなっていうの忘れてたわ」
「怖いんだけど!?何で髪の毛!?」
「異世界転生した悪魔がくれた」
「何で?」
「羅生門って分かるか?」
「国語でやった小説」
「昔は人の髪の毛を売ってどうにかしのぐような時もあったんだよん」
「カツラ?」
「着る服が無さすぎて髪の毛を集めて布にして暖をとったりねん」
「お爺ちゃんに昭和時代の話を聞こう体験みたいな気分だわ」
 
髪の毛が出て来ることもあると分かれば怖くはない
他の段ボールをあけ放つと壺が出て来た
別に家具として普通なのだ
 
『ケケケケケケケ』
 
何か聞こえる事をのぞいて
 
「俺これ呪われてたりする?」
「いやそれは土産物屋で当たった電池式の本当に笑うツボ」
「家にこれって怖く無いのかよ?」
「現代だって部屋の中を人形(フィギア)まみれにするんだろ?
「間違ってはねーけど何か違う気もする」
 
チャラい所があるがいい悪魔という説明は受けていた
確かに今の所は持っている物がちょっとかわってはいるが
特に変な所は無いな
 
「俺ちゃん人と暮らすって初めてなんだけど」
「え?」
「なんかいいわ」
 
煙草を取り出す……喫煙者!?
これは現代社会でも稀にある煙を吸うのを言わなかった問題か?
いやでも天国に来てから煙草って別によく見るし
 
「何ですかそれ?」
「レディちゃんも飴食べる?」
「頂きます」
 
飴だったわ、よく見たら箱の中身全部が棒キャンディ
業務用のスーパーで買ったのか聞きたくなるぐらいの量
虫歯も心配なので歯をよく磨いて欲しい
 
「こんなに飴舐めるぐらい甘い物が好きなのか?」
「確かに好きだねぇ」
「ホットケーキ焼きましたけど良かったら」
「わーい食べる」
 
閻魔様の方が出て来た
コンタクトレンズが見つかって何よりだが
メガネを買えと言いたい
あるいは視力を治す薬でも可
 
 
「ほらよカットしたホットケーキにアイスとジャムシロップを乗せたもの」
「これもうパフェじゃん」
「知ってるんだな」
「俺ちゃんSNSとか使いこなすタイプだからさぁ」
 
顔が変形しているレディが帰って来た
何て言うか全体的にボコボコしている
もしもこれが現代日本であれば救急車を呼んでいる
 
「ハチの巣があったので観察しようとしたら刺されました」
「男子小学生か?」
「蜂の子おいしかったです」
「あーアレうまいよな」
「食べた事あるんかい!!」
「明日食べる米が無いような時代に蜂の巣は見つければ飢えがしのげた」
「何かごめんな」
「ちなみに今だと現世では120グラムで4000円弱(通販サイト値段」
「高級品だった」
 
既にレディの顔は治っているので手作りパフェを渡した
喰って大人しくしてて欲しい
自分の中でだんだん同居人を子育てしている気分になって来た
 
「赤鬼さん仕事が忙しそうですが何かあるのでしょうか?」
「この時期は新規の罪人が来るからじゃない?」
「エンマちゃんも前はこの時期に多忙だったネェ」
「もー思い出したくもないよ」
「やはり理不尽な事が多かったのですね」
「最近だと死んでみたので神様に会いに行ってみたってした元ユーチューバーとか」
「ろくな事にならなそうですね」
「お城の壁に落書きして神様を怒らせて裁判とか最近そういうのが増えてる」
「昔はいなかったのですか?」
「神様とか悪霊だと思って刀を持って討伐に向かった人とかいた」
「ゲームが無い時代のゲーム脳かよ」
 
引っ越し手伝いの続きをしていたら
布団が出て来たのだがこれが何の現場だったのか聞きたくなるほど真っ赤
そういえば相手は悪魔だったと思いだし硬直
 
「どうしたの?」
「あっいや、ベッドじゃないんだなって!!」
「俺ちゃんベッドだと寝相が悪くて落ちちゃうんだよね」
「でも汚れが凄いし衛生的に他の布団で寝たほうが……」
「ああ床に張り付いてた布団だ」
「え?」
「昔の悪魔なんてさー?顔を見れば刺されるなんて時代もあって」
「ヘラヘラ話すなよ」
「寝ているところを背中からこうぶすっとやられて……」
「すぐ治りはするよな?」
「本人は治ったけど血のせいで床に布団がくっついちゃってさぁ」
 
剥がせなくなったのでそのままにしていたらしい
で、引っ越しアプリでスマホに入れたものを
全部そのまま出した結果らしい
 
「普段はどんなので寝ている訳?」
「こっち」
「ペラペラの紙かよ」
 
これを布団と呼ぶなせめて『布』と呼べといいたくなる
もしかしたら夏用の布団かもしれない
しかし帰ってきた答えは
 
「布団系はこれしか持って無いな」
「奢ってやるから買ってくれ」
「え、悪いしいいよこれで」
「言い方を間違えた俺が買った布団を使えさもなくば許さん」
「何で?」
 
こうして羽毛布団を買って渡した
どうにも贅沢な品を嫌うらしい
スマホなども格安
 
「仕事してないのか?」
「俺ちゃん悪魔だよ、刑務所にいる受刑者に今何の仕事してます?って聞かないっショ」
「それは本当にそう」
「おかねが欲しく成ったらテレビに出演してるよん」
「そういえば見たわ」
 
 
夜に二人まとめて歓迎会をした
お遊戯会みたいなチェーンで雰囲気を出した
レディの何でも全力でやらなければ気が済まないが発揮され
 
「何故ミラーボールが回っているのでござるか?」
「パーティーって言ったらこれかなと思いまして」
「わざわざ買ってくるほど?」
「デパートにパーティーセット売ってて良かった」
「カンパーイ」
 
 

 
 
 
誰が
 
カンパイって
 
 
 
「これふわふわしますねぇ」
「レディさんの前にシャンパン置いておいたら飲んじゃった……」
「置くなよそんな所に」
「実家に帰っていいか?」
「歓迎会の最中なのに!?」
「そんなに嫌な事したっけ!?」
「レディ殿は確か酒癖が悪いのでござったな」
「無理やり飲ませた訳じゃないよ?」
 
皆でぎゃーぎゃー言うが
泣き上戸だろうが笑い上戸だろうが
最悪の場合暴力を振るわれてもすぐ治るしと思っていた
 
「ショートコント・神のモノマネ」
 
 
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感想 1

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みんなの感想(1件)

王一歩
2023.02.27 王一歩

設定が面白いと感じました。
草生えますねwww
これからも読みたいと思いますので、更新頑張ってください。

解除

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