21 / 25
21話 遊園地が思っていたのと違うA
しおりを挟む地獄の遊園地にシェアハウスの皆で来た。
「留守番いなくて本当に大丈夫かよ?」
「赤鬼にさせてるから平気」
「俺の部屋には入れるなよ?」
「大丈夫だよ完璧に掃除してくれるから」
「そういう事ではなくて、だな」
アトラクションがギシギシ言っている
「いやぁ楽しみですねぇ!!」
「遊園地だって言ったじゃん」
「言いましたね」
「何この恐ろしい雰囲気」
「地獄ランドだよ」
「ようこそ地獄ランドへ~」
悪魔がお出迎えしてくれているし
沢山の悪魔が入って行く
入り口にただいまジェットコースター不調中の文字
「乗れないんですか?」
「いえ乗り始めたら3分に一回どこかで止まります」
「ジェットコースターの恐さってそういう事じゃないだろ」
「ここで怪我してもすぐ治るから大丈夫」
「エンマって来たことあんの?」
「初めてだよ」
周りがエンマ様ファンで埋まってしまった
着ぐるみのように激写される閻魔様(ついでに自分)
地獄に肖像権なんてものは無い
「ごめんね騒がしくて」
「遊園地のマスコットが見向きもされてなくて可哀想に思えて来た」
「並んでないなら写真おねがい出来ますかね」
「ポジティブな奴」
マスコットの噛みつき悪魔くんに近づいた
本当に噛みつかれた(猫に噛まれたぐらいの傷)
そのままピースした
「血ぃ垂れてんだけど?」
「地獄の遊園地らしくていいですね!!」
「はいチーズ」
エンマ様に写真を撮って貰いマスコットを引きはがした
その瞬間から傷は速攻で治り
地獄では怪我してもすぐ元に戻るが怪我をしまくる
という説明をここにきてようやく体験出来た
「あっメリーゴーランド」
「子供っぽいから嫌だったりする?」
「この状況で子供っぽいから嫌だって呑気に言ってる奴がいたらすげぇと思う」
メリーゴーランドの馬たちからふりおとされる悪魔たち
本物の馬にしか見えないと思っていたら
『馬妖怪からいかに振り落とされないかを楽しむアトラクションです』
看板にそう書いてあった。
「面白そうですね」
「確かに振り落とされるだけなら、まぁ」
「誰が一番乗っていられるか競争ね!!」
悪魔も意外と律儀に並んでいるので
待ち時間も少なく皆で列へ
手前の悪魔が後ろを見て二度見した
『えっえんま様?え、まじ?』
「ずっと死神のアパートに引き篭もってたから出かけるの新鮮かも」
「地獄に来ると目立つなエンマ」
「私からすれば同居しているお年寄りってだけですけど」
「年は言わないでよ」
「いいじゃねぇかすげぇ年上ってだけだろ?」
自分たちの番になり馬に乗った
BGMに天国と地獄が流れ始め乗った馬は必至で振り落とそうとして来る
あっというまに天空へ放り出された
地面に激突して全身打撲したが
「すぐ治りますね」
「でも痛いわやっぱ」
エンマ様はまだ乗っていた
そして馬も暴れている様子が無い
脅えて固まっているような
「動かないんだけどこの子!!」
「とりあえずエンマ様の勝ちですね」
「納得いかねぇ」
次のアトラクションに行く前に
遊園地によくある『ポップコーン』の店
塩やキャラメルかと思いきやソーダ味だった
「一つ下さい」
「探求心すげぇ」
「もう死なないと思うとやりたい放題出来るなって」
「その発想ってまともな人間から出るもんなのか?」
「ソーダ味おいしい」
「あ、本当だ」
「ほら三日筋肉さんもあ~ん」
「んぐ!?思ったよりいける」
※翌日の新聞でエンマ様にあーんさせた男として1面を飾る
「お化け屋敷ありますよ」
「俺ら死んでるのに?」
「本物の妖怪が出るドキドキお化けやしきですって」
『出て来るオバケはみ~んな本物!!殺されずに出てこれるかな!?』
「これもオバケ屋敷の趣旨となんか違う気がする」
「いざとなったらエンマ様を盾にして逃げます」
「それはいくらなんでも酷いだろ!?」
「任せてよ」
中に入ったらこっちを見てにやりと笑う美女
色白で着物を着ていて何より寒い
もう既に春なのだが妖怪がいれば夏に冷房がいらないのかもしれないほど寒い
「怖いとかじゃなくてクッソ寒い」
「雪女さん手を振っていますよ」
「こんにちは~通りますね」
入り口の雪女が一言
『このバイトいるだけでいいから楽だわぁ』
「あの方ってバイトさんなのですね」
「ちょっとかわいかったけどな」
「タチの方が可愛いもん」
「確かにそうだけど……さっむ!!」
温度がさらに下がったので早々に先へ進む
こんどは別に寒くはないが
地蔵がならんでいる
「お地蔵様って地獄にもあるんですね」
「でも妖怪でもないしここは安全ってことか」
「地蔵なんだからそんな訳なくない?」
「え?」
地蔵に足が生えて立ち上がった
明らかに追いかけてきているし
踏みつけようとして来て
「うおおい!?」
「アレに当たったら怪我ではすまなそうですね!?」
「……」
全く狙われないエンマ様
「ずりぃ!!」
「正体を表せ」
パンッ!!
エンマ様が手を叩くと地蔵は煙と共に消え
代わりに現れたタヌキが頭に葉っぱを乗せていて
『たぬ~!?』
びっくりしてその場に落っこちた
狸は『たぬ~』と鳴くのかと驚いたが
実は化け狸という妖怪であって実際の狸とは異なるらしい
「次の部屋に本当に怖い妖怪がいますって注意がありますね」
「例の牛鬼?がいるとか」
「わらわらいたら気持ち悪いから嫌だな」
「そんなゴキみたいに存在してるもんなの……?」
扉を開けたらスーツの男がいて
『締め切り明日ですけど大丈夫ですか?』
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・
SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~
草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。
レアらしくて、成長が異常に早いよ。
せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。
出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

初めて入ったダンジョンに閉じ込められました。死にたくないので死ぬ気で修行したら常識外れの縮地とすべてを砕く正拳突きを覚えました
陽好
ファンタジー
ダンジョンの発生から50年、今ではダンジョンの難易度は9段階に設定されていて、最も難易度の低いダンジョンは「ノーマーク」と呼ばれ、簡単な試験に合格すれば誰でも入ることが出来るようになっていた。
東京に住む19才の男子学生『熾 火天(おき あぐに)』は大学の授業はそれほどなく、友人もほとんどおらず、趣味と呼べるような物もなく、自分の意思さえほとんどなかった。そんな青年は高校時代の友人からダンジョン探索に誘われ、遺跡探索許可を取得して探索に出ることになった。
青年の探索しに行ったダンジョンは「ノーマーク」の簡単なダンジョンだったが、それでもそこで採取できる鉱物や発掘物は仲介業者にそこそこの値段で買い取ってもらえた。
彼らが順調に探索を進めていると、ほとんどの生物が駆逐されたはずのその遺跡の奥から青年の2倍はあろうかという大きさの真っ白な動物が現れた。
彼を誘った高校時代の友人達は火天をおいて一目散に逃げてしまったが、彼は一足遅れてしまった。火天が扉にたどり着くと、ちょうど火天をおいていった奴らが扉を閉めるところだった。
無情にも扉は火天の目の前で閉じられてしまった。しかしこの時初めて、常に周りに流され、何も持っていなかった男が「生きたい!死にたくない!」と強く自身の意思を持ち、必死に生き延びようと戦いはじめる。白いバケモノから必死に逃げ、隠れては見つかり隠れては見つかるということをひたすら繰り返した。
火天は粘り強く隠れ続けることでなんとか白いバケモノを蒔くことに成功した。
そして火天はダンジョンの中で生き残るため、暇を潰すため、体を鍛え、精神を鍛えた。
瞬発力を鍛え、膂力を鍛え、何事にも動じないような精神力を鍛えた。気づくと火天は一歩で何メートルも進めるようになり、拳で岩を砕けるようになっていた。
力を手にした火天はそのまま外の世界へと飛び出し、いろいろと巻き込まれながら遺跡の謎を解明していく。

底辺召喚士の俺が召喚するのは何故かSSSランクばかりなんだが〜トンビが鷹を生みまくる物語〜
ああああ
ファンタジー
召喚士学校の卒業式を歴代最低点で迎えたウィルは、卒業記念召喚の際にSSSランクの魔王を召喚してしまう。
同級生との差を一気に広げたウィルは、様々なパーティーから誘われる事になった。
そこでウィルが悩みに悩んだ結果――
自分の召喚したモンスターだけでパーティーを作ることにしました。
この物語は、底辺召喚士がSSSランクの従僕と冒険したりスローライフを送ったりするものです。
【一話1000文字ほどで読めるようにしています】
召喚する話には、タイトルに☆が入っています。
不遇職とバカにされましたが、実際はそれほど悪くありません?
カタナヅキ
ファンタジー
現実世界で普通の高校生として過ごしていた「白崎レナ」は謎の空間の亀裂に飲み込まれ、狭間の世界と呼ばれる空間に移動していた。彼はそこで世界の「管理者」と名乗る女性と出会い、彼女と何時でも交信できる能力を授かり、異世界に転生される。
次に彼が意識を取り戻した時には見知らぬ女性と男性が激しく口論しており、会話の内容から自分達から誕生した赤子は呪われた子供であり、王位を継ぐ権利はないと男性が怒鳴り散らしている事を知る。そして子供というのが自分自身である事にレナは気付き、彼は母親と供に追い出された。
時は流れ、成長したレナは自分がこの世界では不遇職として扱われている「支援魔術師」と「錬金術師」の職業を習得している事が判明し、更に彼は一般的には扱われていないスキルばかり習得してしまう。多くの人間から見下され、実の姉弟からも馬鹿にされてしまうが、彼は決して挫けずに自分の能力を信じて生き抜く――
――後にレナは自分の得た職業とスキルの真の力を「世界の管理者」を名乗る女性のアイリスに伝えられ、自分を見下していた人間から逆に見上げられる立場になる事を彼は知らない。
※タイトルを変更しました。(旧題:不遇職に役立たずスキルと馬鹿にされましたが、実際はそれほど悪くはありません)。書籍化に伴い、一部の話を取り下げました。また、近い内に大幅な取り下げが行われます。
※11月22日に第一巻が発売されます!!また、書籍版では主人公の名前が「レナ」→「レイト」に変更しています。

邪神降臨~言い伝えの最凶の邪神が現れたので世界は終わり。え、その邪神俺なの…?~
きょろ
ファンタジー
村が魔物に襲われ、戦闘力“1”の主人公は最下級のゴブリンに殴られ死亡した。
しかし、地獄で最強の「氣」をマスターした彼は、地獄より現世へと復活。
地獄での十万年の修行は現世での僅か十秒程度。
晴れて伝説の“最凶の邪神”として復活した主人公は、唯一無二の「氣」の力で世界を収める――。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。
どうせ俺はNPCだから 2nd BURNING!
枕崎 純之助
ファンタジー
下級悪魔と見習い天使のコンビ再び!
天国の丘と地獄の谷という2つの国で構成されたゲーム世界『アメイジア』。
手の届かぬ強さの極みを欲する下級悪魔バレットと、天使長イザベラの正当後継者として不正プログラム撲滅の使命に邁進する見習い天使ティナ。
互いに相容れない存在であるはずのNPCである悪魔と天使が手を組み、遥かな頂を目指す物語。
堕天使グリフィンが巻き起こした地獄の谷における不正プラグラムの騒動を乗り切った2人は、新たな道を求めて天国の丘へと向かった。
天使たちの国であるその場所で2人を待ち受けているものは……?
敵対する異種族バディが繰り広げる二度目のNPC冒険活劇。
再び開幕!
*イラストACより作者「Kamesan」のイラストを使わせていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる