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12話 裁判が思っていたのと違う
しおりを挟む「エンマ様ようやく見つけ申したぞ!!」
どう見ても赤い鬼がシェアハウスへ訪ねた
節分に見るような全身真っ赤で頭がもじゃもじゃ
大きなツノに虎の模様パンツ
「写真とってもいいですか」
「1枚だけでござるよ」
「枚数制限あるのですね」
「なんで赤鬼がここにいるのさぁ」
「拙者はエンマ様に長年お仕えしていた赤鬼と申す」
名刺を渡され『地獄所属鬼:閻魔秘書』
何となく今まで察しがついていた
ニュースなどで閻魔様が引退したという話は山ほどあり
「もう僕は審判やってないんだから秘書はいらないよ?」
「拙者は一生お仕えすると宣言したでござる」
「玄関だとアレだしとりあえず上がって貰えよ」
「閻魔様になんとなれなれしい」
「俺からしたらシェアハウスに唐突にあがりこんできた同居人なんだが?」
リビングにとりあえず入って貰う
地獄でもないがお茶を出して話を聞くことに
エンマ様は嫌そうにしていたが
「僕はもうただの死神だよ」
「役職など何をされていようともこの赤鬼は一生ついてゆく所存」
「ほんとにこのストーカー厄介だよぉ」
そろそろ約束の時間だ
地獄の町で入りたいデパートがあり
仕事をしている時に平助へ頼めないかと聞けば快くOKして貰えた
「私は出かけてきますね」
「僕も行く」
「では拙者も」
「私は地獄の町に行くつもりなのですがエンマ様ほんとうについて来ます?」
「今までエンマさんだったじゃんかぁ!!」
「平助さんが気にされなければ別に私はいいのですが」
こうしてやってきた地獄の『金座通り』は
車やビルが多くて東京のような雰囲気
別にここが地獄!!と説明されていなければ銀座かな?と思うだろう
「なんか大所帯じゃーん?」
「こんにちはお邪魔させてもらいます」
「シェハウスの同居人ちゃん?」
「閻魔様とこちらはストーカーの赤鬼さん」
「え、エンマちゃんってやっぱりあの閻魔様だったんだ?」
「……久しぶりだね」
知り合い?
「そりゃ悪魔になるような奴って減刑裁判は必ずするしぃ?」
「あの世の裁判って本当にあるんですね」
「閻魔ちゃんなら裁判所のゲートもくぐれるでしょ」
「でもあそこ国会議事堂並みにつまらないよ?」
大人が見せたがって子供が診たがらない場所ナンバー1の場所だ
景観はスマホで調べれば雑誌なりに乗っているし
本人が嫌なら頼むのも気が引ける
「少し見てみたかったですけど他にも色々連れて行ってもらいますし」
「何だそういう事なら遠慮しなくていいよ鍵あるから」
「鍵?」
「元天使として門の場所を一時的に替える為のカギ」
こうして4人で裁判所へ
てっきり国会議事堂を外から見学すると思っていたら
今まさに裁判中の中に出てしまった
「閻魔さんこれ大丈夫な奴ですか?」
「裁判って滅多に無いから大丈夫かと思ってた」
「つまりアウトなんですね?」
「閻魔様!?赤鬼!?」
一番高い所に座っていた青い鬼が驚いていた。
観客席らしき場所には天使たち(天使の制服を着ている)がいて
宗教的な意味合いでごちゃ混ぜになってカオスだ
「青鬼ちゃーん俺ちゃんたち社会見学したいって死にたてちゃんを連れて来ただけヨ」
「階段悪魔!?まぁそれはいいが今は裁判中だ」
「俺ちゃんたち観客席にいってもいい?」
4人で観客席に座る
天使がエンマ様に敬礼している
格好に似あう感じがせずシュールだった。
「まるで軍隊ですね」
「彼らなりの敬意なのよ」
「そんなに凄い方だったのでしょうか?」
「……地獄を今の比較的平和な地区にしたのはエンマちゃんなのよ」
「えぇ?」
「そこの人間!!」
青鬼が大声を出した
「すみません五月蠅かったですよね」
「閻魔様は偉いお方なんだぞ知らないのか!?」
「いや裁判……」
「そんなものどうでもいい閻魔様の話が先だ」
「裁判どうでもいい何て事あります?」
「いいか昔々」
本当に裁判そっちのけで昔話が始まった
当時の『あの世』はまさに混沌
神様の命令で現世から来ているが皆が必死に生き返ろうとか
こんなに元気だ死んでいる訳がなどと好き勝手に暴れたり
「閻魔様が裁く方を作ったのですね」
「逆だ逆」
「え?」
「地獄の奴らが刑罰を受けずに済む方法を考えた」
「裁判で!?」
生きたいと願うものが食料を盗んだだけで地獄の最下層行き
しかしそうしていたら地獄はまさに酷い絵面になり
死ぬことも無いので最悪のホラー展開
「怖いですね」
「それを閻魔様が改善されたのだ」
「どーやって!?」
「地獄を層にして分けたり死んですぐにいく場所を固定したり」
「場所を固定?」
「まわりに『自分と同じ死んだ人間がいる』状況は仲間意識で暴走が減る!!」
天使たちもうんうんと頷いている
「誰でも思いつくよねハッキリ言って」
「思っても実行するのがすごいですよ」
「日本の代表天使として神様に申請したりする裏の事務作業が一番面倒だった」
「法律ってそういう所ありますからね」
「そもそも海外も日本も同じ場所あの世って喧嘩になるに決まってるからさ」
「だから日本支部があるんですね」
「さっきから気になってたけどこれ何の裁判?」
確かにエンマ様の言うことは最もである
被告人は悪魔の羽をつけていて
大人しく話を聞いているようだ
「バレンタインのチョコレートを階段に無許可で持ち込んだ裁判だ」
現世だったらハッキリ言って爆笑だが裁判をするような事
唇を噛んで失礼にならないようにした
笑ってはいけない場だと沸点が下がる
「おいおい食い物を悪魔が階段に無許可で持ち込むってマジかよ」
「そこまで駄目な事なのですね」
「まだ国王の部屋にしのびこんでベッドにウンコにする方がマシなレベル」
「罪の度合いがよく分かりませんね」
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