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11話 家が思っていたのと違う

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「ありがとおっ部屋に飾っておこーっと」
 
家に帰って来たので確認
事故物件として有名なシェアハウスだと聞き
お化けでも出るのかと聞けば本当に何かが出るらしい
 
「盛り塩って天国で効果ありますかね」
「急にどうした?」
「お化けが出るらしくて」
「俺たち幽霊なのに」
 
アプリで不動産を確認してもらった
事故物件として有名な場所としてここが写されている
目が点になる三日筋肉
 
「どういう事なのでしょうか?」
「妖怪を飼っている訳だから何か他にいるのかも」
「タチちゃん何か感じるのかな」
 
特にそういった様子は無く
二人でそちらを見れば落ちていた猫じゃらしを咥えて
三日筋肉の足に身体をこすりつけている
 
「全くたくさん遊んだら疲れりゃうだろうが」
 
ふりふりふりふり
 
「ここまで全力で猫じゃらしをふっている人は初めて見ました」
「ジャンプ力すごいな!!」
 
思ったより広かった共同風呂にてお化けの話をする
死神さんがはそういうのが駄目らしく
無理無理と涙目だ
 
「今までお化けらしい影なんか見なかったよな?」
「こうしてお風呂にいても鏡に変なものすら映りませんね」
「目立たない妖怪の可能性があるな」
「僕のタチちゃんみたいに可愛い事を祈るばかりだよ」
 
お風呂上りに皆で夜食タイム
地獄階段で配っていた天国では有名なお菓子
綿菓子のようなチョコレートでふわふわと溶ける
 
「美味しいですね」
「初めて喰ったがコレは中々」
「そういえばお化けが出るって詳しくはどういう噂なの?」
 
スマホでこのシェアハウスに関するうわさを調べた
しばらく一人で暮らしていたら窓に影が見えたり
出かけようとしたらドアが開いていたり
 
「何かお化けというよりは不審者みたいな情報ですね」
「それはそれで怖い」
「でも僕ここに何度も来てるけどお化けは見てないよ?」
「何時頃から?」
「半年前ぐらい」
 
しかしお化けの書き込みは半年前からである
扉をあけようとしたら勝手に開いたり
突然何かがちかちかと光る
 
「今までこういうのは無かったですよね?」
「あっでもタチちゃんか風でエンマの部屋が開いてた気が」
「目を盗んで変な人がいる?」
 
皆で家の中を探索して調べる事に
まずはキッチン・リビングに目ぼしい物が無いか
ここは流石に隠れるような場所も無く
 
「もしかしたらネズミみたいな小さい妖怪の可能性もありますね」
「虫とかも一応が可能性あんのかな」
「三日筋肉さんのお部屋とか何か変わった事は?」
 
そういえば部屋に入った事が無い
特に面白いものは無いらしいので入れて貰った
ベッドと机とバナナが5個あった
 
 
「何で部屋にバナナあるんですか?」
「いいじゃないか食の好みぐらい」
「そういう意味ではなく」
「夜食とりに台所まで行くとガサガサうるさいから」
「だからって5個もいります?」
「美味しいよねバナナ」
 
次は自分の部屋にトイレと見て周ったが妙な気配は無い
空き部屋などにも誰かはいないしほこりが積もっていた
暇な時にでも掃除しようと皆で思うぐらいには汚く
 
「レディの部屋は普通だったしあとはどこだ?」
「いませんね」
「気のせいだって線もあるな」
「僕の部屋もみる?」
 
そういえば勝手にドアがあいたのは彼の部屋
扉を開けてみるが前とそこまで変わらない
仕事着とやらが脱ぎ散らかされている
 
「片づけろとは言いませんけどこれだけ言わせてください」
「何?」
「死神の鎌を地面にモロで置いたら危ないですよ」
「タチちゃんが怪我するかもしれねぇからな」
「た、確かに!!」
 
こうして死神の鎌を持ったエンマの姿が消えた
そして棚の前で現れたのだ
ワープというよりは消えたかのような動きで
 
「うおっ!?」
「棚にしまったからこれでもう大丈夫だね」
「姿が消えていませんでしたか?」
「鎌のスイッチ時々うっかり押しちゃうんだよね」
「え?」
「この鎌のステルス機能だよ死神が地上で活動する時用」
 
今までの出来事をまとめると
半年前から書き込まれ始めた幽霊騒動
勝手に開いた扉の真相は
 
『鎌の機能をうっかり発動させた死神』
 
「お前か幽霊!!」
「え?」
「お前が透明になってドア開けてたら皆そりゃ気が付かねーよ」
「……あっ確かに」
 
事件は決着した
とりあえず小さな妖怪などがいなくて良かった
猫はそういうものを遊びでじゃれて殺して食べてしまう
 
「ネズミとかならタチに狩られてたよな」
「そうですね猫ってゴキブリでもかじって食べたりしちゃうんで」
「このオチで良かった!!」
 
ピンポーン
死んでから初めて耳にするインターホンの音
3人もいて誰の客か分からないので皆で出た
 
「こんばんは」
 
布かぶったお化けが玄関にいた
オチならさっきついたばかりである
何故ここで本当にお化けが出て来るのだろうか
 
「ぎゃーお化け!!」
「俺ちゃんレディに用があって」
「平助さん!?」
「そーそー悪魔羽アレルギーある子がいるんしょ?」
 
横を見るがくしゃみしている様子は無い
三日筋肉は悪魔だと聞いて驚いている様子だ
布一枚でふせげるぐらいのアレルギーらしい
 
「えっヘイスケってあの悪魔ファイターなヘイスケさん?」
「そうだよー」
「サイン有難うございました!!」
「エンマ様のサインの方がよっぽど貴重な気がするけど」
「それで何の用事で?」
「お化けが出る物件に住んでるっていうから流石にヤバいかなと思って心配で」
「今の所いちばんお化けに見えているのは平助さんですけどね」
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