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4話 仕事が思っていたのと違う

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「朝ごはんだ喰え」
 
今までコンビニで買っていたのに完璧な朝食が
お米と味噌汁に魚である
タチが朝ごはんを狙ったりしないかと思ったが
 
「タチは人間の食べ物を食べないんだよね」
「そういう妖怪けっこういるぞ」
「お魚は美味しいですよ」
 
元々は作家だか天国に来たばかりで作家は金にならないらしく
他の仕事をまずはしたほうがいいと言われた
天使でもすればいいのかと聞く
 
「あれ見た感じ給与は良いが面倒だぞ結構」
「何がそんなに大変なのでしょうか?」
「僕ら死神は殺すんだけど天使っていつ死ぬか『分からない』人を待つし」
「延命処置とかされてる人の現場にいくのスゲェ辛いらしい」
「他の仕事を教えて頂きたいですね!!」
 
精神的に辛そうである
確かに人間だと死にましたって現場は医者でもないかぎりはそう多く無い
遺産の話とか病室でしているのを聞くこともありそうでとても嫌なのが想像出来た
 
「ハロワみたいな施設があるから行くか?」
「あるんですね」
「誰でも出来るような仕事でも欲しがってる所はあるからさ」
 
こうして3人で『天国就職所』へやってきた
見た目はただのビルで入れば受付が3人いて
自分が来たのを分かると呼び寄せた
 
『こちら死にたて用のお仕事を紹介する窓口でーす』
 
そこで窓口で相談した所
ダンボールを畳む仕事を紹介された
最初にも聞いたがあの世ではメジャー職業らしい
 
『天国では引っ越しが多い為に段ボールが山ほど出るんです』
「毎日とかする奴もいるらしい」
「僕には真似できない」
 
前の住民が転生・異世界転生をする際に段ボールを置いていく為
中身を出して畳む仕事らしい
それぐらい資源ごみに出してから転生して欲しい
 
『多いのは掃除などですね』
「天国って汚れやすいのでしょうか?」
『いえ働く人が少ないので』
「え?」
『おじいさんやおばあさんが死んだあと仕事しよう!!って滅多になりません』
「確かに」
 
こうして色々と見せて貰う
デパートなどでバイトをするか
お花を摘むだけや看板もって立つだけなど
 
『こちらは楽なんですがこちらは地獄での作業ですね』
「何をするのでしょうか?」
『無限に伸びてしまうツチノコの尻尾切りなど』
「ツチノコ」
「すねこすりも死神も見ただろ?」
 
今までは確かに見れば納得だけど
ツチノコだけジャンルが違う気がした
都市伝説とかそういうのである
 
『放っておくと伸びすぎてツチノコ本人が困るそうです』
「そんな事が」
『髪の毛みたいなもので毎日のびるからケアがいると』
「美容師のような感覚でツチノコを切る仕事なのですね」
 
ピンと来ない
今まで作家として暮らして来たからバイトと言われても
せいぜいハンバーガー店でポテト作った事しか覚えていない
 
『地獄は時給がいいのでもし欲しい物などありましたらおススメです』
「辛さは」
『神に怒られた者たちが凍えていたりするのを見なきゃいけないので』
「精神にはちょっと辛そうですね」
『すごく長い階段でお茶を配るスタッフなどもあります』
「体力がいるのでしょうか?」
『それは別に、ただ悪魔の皆さまにお配りして貰うので』
「悪魔ってどのようなな?」
『人間に化けている事が多いので普段は気にならないかと』
「時給は―――3時間で2万!?」
『今すぐ入れますし1日だけ体験も出来ますよ』
 
チラッと悪魔アレルギーだという三日筋肉をみる
 
「直接ながい期間を俺が接しなければ平気だ」
「体験お願いします」
 
 
こうして一人で受付嬢に案内されて普通に歩いて地獄へ
門をくぐって上下の先が見えない階段の途中へワープしてきた
足元は燃え続ける蝋燭で分かる
 
『ここが地獄階段といいまして』
 
下から登ってきたイケメン
背中には蝙蝠のような羽が
確かにアレルギーの者もいると納得した
 
「あれ?」
「こんにちは」
「もしかしてここに入ってくれるバイトさん!?」
『見学者の方です』
「ここの悪魔って昔は悪いことしたけど階段を登る罰で許されてる訳ヨ」
「成程」
 
天国へ登る階段って言葉があるが
元ネタはここかと納得した
寒くも無いし暑くも無く
 
「人が休憩所で配っているもんだけが楽しみでさ」
「お茶を配る仕事と聞いているのですが」
「マジデ!?」
『ここまで登った者ならいいだろうとの事でして』
 
どうやら地獄の階段でも高い場所らしく
簡単に説明された所をかいつまむと
デパートが10Fまであるとして
1Fから階段で登ったらエレベーターで降ろされてもう一度のぼる
既定の回数をこなせば2Fに上がれて繰り返す
 
の5階ぐらい
 
「おねがいよ!!ね?俺がもしイジメる奴とかいたら何とかするし」
「必死ですね」
「ぜんぜんサボっててくれてもいいからさ、ね?」
『これ天使部からの差し入れです』
 
天使がおにぎりを差し出した。
 
「やった!!」
「日本人の方ですか?」
「そうだよ日本にも俺ちゃんみたいな悪魔がいるの意外?」
「いえどちらかというと死神が全裸で寝ていた事の方が」
「何て?」
「一般的では無いのですか?」
「俺ちゃんたちは死神と仲悪い事がおおいからなぁ」
「えっ」
「火山とか噴火させようとして死神に殺された奴とかいるから」
『そういうことをするから悪魔としてここにいるのですけどね』
「悪魔なら疫病を流行らせてとか?」
『いえ公務執行妨害をした者が主に』
 
天国や地獄に公務執行妨害罪があるようだ
確かに天使や死神が神様から何かするように言われたら
彼らは公務員の扱いだと言われても納得である
 
「短期間のバイトになるかもですけど、出来れば今日から入りたいので」
「いいじゃん!!」
『こちらの門は悪魔様には通れませんが人間・天使であれば可能です』
 
沸きあがる疑問
話を聞く限り皆が翼を生やす事が可能
迎えに来たのが天使なら
 
「人間も普通に空が飛べるのに天使って何が違うのでしょうか?」
『天使って職業ですよ』
「職業」
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