宇宙人との規格外恋愛をした~愛されてるのは彼だけです~

宝者来価

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47話 悪夢

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 休日はずっと部屋にひきこもって、鼓動を聞いている。
 でも今日は少し違う。
 ヒコ先生まで部屋にいる。

「あなたもクロノちゃんの心音、聞きたい?」
「☆ここでくつろいでるよ、だから安心しておやすみカナちゃん☆」
「……先生を、殺さないで」
「可愛い可愛い地球人さん、特別にお願いきいてあげるからキスしてくれるかしら?」

 たったそれだけでいいのならとキスをした。
 でも違った、引き離された。
 指でヒコ先生を指す悪魔のテンシ。

「先生、恥ずかしいので目は閉じていてくださいね」
「☆それで、済むなら☆」

 目の前でキスしてみせた。
 どれだけ私は浮気を重ねるのだろう。
 許してくれなくていいから、少しでも穏やかに。

「とっても良い子ねぇ、スタリバー星人ちゃん、おいでなさい」

 彼が近づくとトントンとベッドを叩く悪魔。
 私のベッドにヒコ先生は寝転がる。
 そして虚ろな眼差しと目があった。瞬間、閉じた。

「いい子にするので、褒美をください」

 いつものように、子供のように抱きしめられ、鼓動を聞く。
 そして土・日が終わりヒコ先生は私の部屋へ閉じ込められた。
 部屋から出ることは許さないらしい。

「☆充分だ☆」
「さぁ学校に行きましょう?」

 
 帰って来たらヒコ先生が毎日いて、ねぎらってくれた。
 クラスメイトは気が狂ったバチスケくんが窓から飛び降りて自殺した。
 最後に謝ってた、ごめんって。

 『俺』にそれをとやかく言うことなんかできるわけがなかった。

「てめぇ!!」

 ソウジくんが悪魔を蹴飛ばした。
 そして刺身になった。
 学校の教室に刺身の盛り合わせなんていう奇抜なものができあがる。

「ほんま、ゴドにだけはてぇだしたらあかんて……」

 昼休みにまた一人で食事。
 冬の寒さで温かい学食が増えた。
 ラーメンとか、鍋とか。

「うっ……」

 吐き気がしてトイレで吐いた。
 ろくに食べてないから身体はやせ細っていく。
 クラスメイトが心配している様子があったが、日本人はこれぐらいよくあることだと言ってごまかした。

 別に一人で食べたり、痩せたり、ないことじゃないから嘘はついてない。

 放課後に家に帰って私は倒れた。

「☆カナちゃん!!☆」

 ヒコ先生の腕にだかれてベッドに運ばれる。

「もう、嫌だ、クロノくんの、ところ、に」
「☆……俺からも頼むだけ頼んで、みるか☆」
「うふふ」
「☆俺は何でも、する……から、カナちゃんを、食べてくれ☆」
「なーーーんでもする?」
「☆どんなことでも、するから☆」
「素晴らしい愛だわぁ」

 ご機嫌なゴドは大きく口を開いた。
 身体が縦に裂けて中が見えた。
 そこに地球人なら内臓があるはずだけど、どこまでも白いトンネル。

「え?」
「お二人とも、新しい世界に案内するわ……何が起きるか楽しみね?」
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