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34話 檻と友
しおりを挟む※和太鼓バチスケ視点
俺は頭のてっぺんから足の指までまっとうな地球人だ。
数年前にうっかり乗った宇宙船で宇宙にいって帰ってきた。
マスコミが押し寄せて、きて、地球人の怖さを知った。
クラスメイトの地球人が行方不明になったけど、俺は迷ってた。
「行こうぜバチスケ」
「……ソウジが、行きたいなら」
中学の時にソウジはクラスメイトから虐められていた。
上半身が魚だからと寄ってたかって暴力。
俺は見た目なんかで判断する奴らが大嫌いで喧嘩ふっかけた。
喧嘩にはボロ負けたが、俺とソウジは産まれて初めて親友を見つけた。
そしてクラスメイトの見舞いをしていたら、いつのまにか軍用船だ。
「☆巻き込んだことは悪かったと思ってるんだ……食事をもってきた☆」
んで、クラスメイトに捕まってしまった。
俺たち何もしてないのに移動するなんてあるのか。
このスタリバー星人は嘘をついてない。
「何で俺らは家に帰してもらえねーんだよ」
「地球人のバチスケにはこういう過酷な環境は無理あるだろ」
「☆大人しくしてくれれば、今は容赦してやる――騒ぐな☆」
忠告された、これ以上は危険だろうか。
用意された食事をたべるソウジ、確かに腹がへった。
俺もワケわかんねーけど飯くれるってんなら喰う。
コンビニで売ってるような弁当ではなく、カロリーバー。
それとお茶とか、雑に色々ある。
「飯これで我慢しろってか?」
「☆それに関する不満はいっていい☆」
「だって冷たいし――せめて電気ケトルと味噌汁とコップとかさ」
だだこねたら本当に用意された。
ソウジも一緒に寝ているぬいぐるみがないと寝れないと――
俺が屋台でまぐれにも取ったものをプレゼントしたテディベア。
「☆あとで渡す、だからくれぐれもここから出るな――頼む☆」
「……二人の様子、見に来た」
「☆スタシス!?☆」
クロノの奴、何で俺たちをいきなりこんな檻の中に閉じ込めてんだよ?
ただどうも聞くと機嫌が悪くなりそうだ。
ソウジまで巻き添えで罰とか勘弁してもらいたいからな、慣れてんだそういうの。
「ホテルぐらいのサービスがあるなら満足だよ」
「そう」
「……お前の目的は聞かねぇから、布団とか寄越せよ地面かたくて休まらねぇ」
今俺たちは何も無い部屋に食事だけ持ってこられた状態。
箸とかないしケトルがないのも武器を作らせないためか?
ソウジが倒れた。
「え、ソウジちゃん大丈夫?」
素で言ってる雰囲気だった。
でも何よりソウジは演技じゃない。
親友とはいえ一緒にいた時間は短いが分かる、本当に痛そうだ。
「うぅ……いてぇ」
「ってソウジお前、血が出て!?」
「怪我用の薬品、ほら」
クロノが一瞬で持って来た薬を塗って包帯まいた。
最後にスタリバー星人が用意した布団に寝かせた。
どうも殺す気はなさそうで良かったが。
「クロノ……どうしてこんな怪我させて」
「力加減をミスった――ごめんね」
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