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32話 誰誰
しおりを挟む「宇宙旅行ってその……いつまで?」
「★数年はかかるが、今更後悔してもおそいぞ★」
「ごはん美味しくなかった?」
「混乱してて、ええと」
頭が痛くなってきた。
寝過ぎたのか、それとも船酔いでもしてる?
宇宙船って酔うか?
「☆頭がいたいの?☆」
「ちょっと……まぁ、酔ったのかなって」
「テレビとか近くで見ちゃったんじゃない?」
「☆時間はあるんだから明日まで寝てなよ☆」
「……そうだな」
色々と不気味だけど、今のところ何か悪さされてる雰囲気とかない。
聞けば教えてくれるしあんまりつめよるのも得策じゃねぇよな。
どうする――
「あっいた!!」
誰? いや普通に人間だな。
「バチ、スケ?」
クロノさんの知り合い?
「何でまた俺この船にいるわけ? つーか、あ、カナもいんじゃん!?」
クロノさんが足を延ばしてバチスケ、という人を捕らえた。
「☆落ち着けスタシス!! 怖いって!!★」
「……お前どうしてここにいる?」
「聞きてぇの俺なんだけど!?」
奥から魚も出てきた。
いや化け物だ、上半身がマグロで下半身は人の素足。
なにあれ聞いてない。
「ソウジまで……」
「お前らタイム星人が軍人なのは分かってる、でもバチスケなんも関係ないだろ?」
「☆じゃあ何故ここに?☆」
「カナが心配で家のチャイム押した瞬間ここだったんだよ、お前ら嘘見抜けるんだから分かるだろうが」
嘘を見抜ける? 私の嘘も? いや、私? 俺の、だろ。
「俺は地球人だぞバカ、痛いって!! なに、この船にジュースこぼしたことやっぱり怒ったのか!?」
「んなことで怒らねぇよ……」
「じゃあ家に帰してくれ、いいだろ?」
「こっちだ」
上半身魚の何かが、俺に近づいてきた。
「ひっ」
「逢引に巻き込むなよ心配したんだから」
「……え?」
「メールぐらい返事しろよな」
この魚みたいな生き物俺の知り合い!?
「いやその」
「☆ギョロメ星人、それいじょうは黙っててくれるか?★」
「あのぅ、彼は?」
「★見りゃわかるだろ悪い宇宙人だよ★」
「えーと」
「★家に、送ってやれよ★」
これを聞いた瞬間、ソウジという魚人間がヒゲ急にを生やしてバチスケくんを掴み、そのまま距離をとった。
「何でだよクロノ!! 俺たち、本当に何もしてねぇじゃん!!」
「……そうだな」
「それともテンシがやっぱ何かしたのか!?」
天使? いや、さっきのミコ・テンシさんかな。
とにもかくにも。
これ以上は駄目だ、俺の中の何かが言ってる。
「……それなら」
間に立った。
なんだろう、知ってる気がする。
私は聞いていた――いつ?
蘇る記憶は昼休みの会話、男子トイレのほうからだった。
―――
「俺以外にも友だちできるだろ、この学校なら」
「いやいやバチスケみたいな親友他にできねぇよ……お前もさ、友だちになれそうな奴いたら紹介してくれよな?」
「カッコイイと思うのは、クロノかな」
「軍人相手に度胸あるなぁ」
「紹介しろって言ったのお前だろ?」
「でも、友だちになれるといいな……いや、何なら俺らで任務手伝ってやろうぜ」
「任務が地球の爆破だったらどーすんの?」
「地球だとさ、そういうのとめてやるのが友だちっていうんだろ?」
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