宇宙人との規格外恋愛をした~愛されてるのは彼だけです~

宝者来価

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31話 味方は誰

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「こんにちは」
「……え?」

 知らない男性がベッドにいた。
 誤解を生む表現だな、腰掛けていたのだ。
 動きからしてオネェさんだが彼も友だちだろうか。

「カナちゃん気分はどう?」
「あ、人違いです」
「でもどう見てもカナちゃんよね」

 なるほどこの身体で何か誤解をされていると。
 もしかして俺そのカナって人の部屋きちゃった!?
 隣だったし誰もいなかったからいいと思ってたけどクロノさん間違えてそのカナって子の部屋に案内しちゃったとか。

「お、俺は進勇気――で」
「ふぅん?」
「あの、もしかして部屋間違えて入っちゃった、のかも」
「うふふ、いいえ間違えていないわ」

 どゆことー、あ、もしかして相部屋?
 女子と? それは――あ、俺まさか自分のこと女だって偽ってる系?
 それともオネェさんが話しかけてきているし……駄目だ分からん。

「その、お名前は?」
「ミコ・テンシよ」
「えーと」
「クラスメイトのこと忘れちゃったの?」
「え、同級生……小学校?中学校?高校? 大学、はねぇよな」

 俺が通った大学にクラスなかったし。

「しいていうなら高校かしら」

 しいていうならってことはもしかして中学も一緒?
 でもオネェなんかいたら普通覚えてるもんじゃん。
 いや宇宙人とか記憶丸々ない俺だぞ、同級生ぐらい忘れててもへんじゃないかも。

「ごめん記憶喪失で――え、俺って源氏名がカナちゃんだったりする?」
「カナちゃんやっぱり面白いわね」

 嘘だろ俺そんな趣味が、でも宇宙時代だし新しい自分に目覚めましたってこと?
 備え付けのトイレで鏡を見る、美女じゃん。
 お水系やってたりする?

 さっきの二人が客とかだったら嫌だな。

「ええと、俺はその……カナで絶対にあってるのか?」
「いやだわ、お昼一緒に食べたじゃない」

 思い出したのは記憶の一部、教室でテンシさんと食事をしていたこと。
 高校のような場所だけど、なんか違う。
 授業で地球のことを習ってた――これ以上は思い出せない。

「クラスメイト?」
「そうよ、最初からそう言ってるじゃない」
「……なんで俺がまた学校に」
「今はここから連れ出せないの、ごめんなさい」

 そういって外へ出て行き、追いかけたらいなかった。
 ヒコさんとばったり出会う。
 いや本当、どうなってんだ俺は。

「☆どうかしたか?☆」
「いえ……何でもないです」

 さっきの人は味方、なんだろうか。
 分かんないって本当に怖いな。
 お腹空いたし目下の目的は地球人用の食事かな。

「★具合とかやっぱりまだ悪い?☆」
「お腹すいてて」
「☆レストラン行くか☆」

 こうしてヒコさんとクロノさんと共にレストランへとやってきた。
 従業員がいないようだけど俺たちどうやって喰うんだよ。
 メニューとかあるだろ普通。

『イラッシャイマセ』

 ロボット!? おおSFの世界、これは嫌いじゃない。

「☆スタリバー星人用☆」
「タイム星人用」
「えっと?」
「地球人用って言えば出してくれるからさ!」

 しばらくして運ばれてきたお子様ランチ。
 こういうSFってカプセルが食事だったりするから一先ず美味しそうでほっとした。
 で、二人が食べてるの何あれ、宝石?

「どうしたの?」
「えっと、それ美味しい……っていうか、何?」
「俺ちゃんの好物、ダイアモンド」
「ダイアモンド食べてるの!?」
「地球人だってダイアモンド好きっしょ?」

 好きの意味がちげぇよ。
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