30 / 50
30話 嘘をかさねて
しおりを挟む俺は何故か起きたら女になっていて宇宙人二人に起こされた。
で、宇宙船を取材している最中に倒れてしまいこの医務室へはこばれた。
こんなSFを俺が記憶していないのも変だが、筋は通っている。
「竜太郎は――?」
「宇宙船のったら会えないってちゃんと説明したデショ」
「ごめん、それも覚えてなくて」
「いやーその……実は悪いの俺たちなんだわ」
「え?」
「ちょっと来て」
廊下は本当に外が宇宙で驚いた。
こんなSF本当にあるのか、嫌いじゃないぞ。
惜しむなら忘れてしまったことくらいでけっこう悪くないかも。
「んでこの部屋なんだけどさ」
「酒くさ!!」
「まぁ……地球人って限界思ったより早いんだなって」
酒に酔いすぎて記憶がぶっ飛んだのか。
それにしたって壮大な飛ばし方したな。
っていうか俺の『鞄』とか『ノート』とか『カメラ』もないぞ。
「んー」
「混乱してるよね、質問どうぞ」
「俺のスマホは?」
「すまほ?」
「え」
「えーと……その、どういうもんか説明してくれ」
「これぐらいの板? で連絡とかできて」
「ああ通信機か!! ごめんごめん言語を翻訳してる機械つかってるんだけど――時々こういう感じで俺ちゃんにも分からない時あってさ」
そっかDVD時代にビデオテープのこと言っても通じないみたいな感じか。
それにしたって持ってたんじゃないかと思うけど。
俺って取材にきてるんだよな?
「んー持ち物がみあたらねーな」
「竜太郎? のキスシーンが送られてきたとかで海になげてたアレっしょ?」
「俺そんなことしたの!?」
「鞄ごと」
「嘘でしょ取材なのに」
「お前の宇宙メモノートならあるぞ」
確かにノートとペンを渡された。
宇宙人の特徴がたくさん書いてある。
ただ破られている、どんなページだったのか。
「でも、状況が本当にそうなら――えっと同僚?」
「友だちだよ」
「え?」
「とにかくここ片付けるよりは――別の部屋使うほうが楽だな」
「部屋そんなにあるのか?」
「となりに同じような部屋があるから」
こうして新しい部屋は普通にホテル。
窓から見える景色が宇宙であること以外に変なところは見当たらない。
テレビっぽいものがあったので点けていいかと。
「いいよー」
『宇宙TV!! 本日の政治状況をお伝えします』
宇宙では番組も違うのか、違う星の政治状況なんか言われてもな。
でも次の新しいテーマパーク特集は見たい。
ベッドがフカフカで気持ちいい。
「お茶いれてくるよー、テレビ見てまってて」
「ありがとな」
CMが始まった。
『☆スタリバー星人が一番使ってるシャンプー、メリッサ☆』
いいなサラサラの髪。
なぜか女体化していたし今の俺じつはサラサラ?
しかし何でか口から星がでるなこの人、人?
「おつー戻ってきたよん」
「クロノ……さん」
「これお茶と気分がマシになる薬、眠くなって危ないから飲んだらすぐベッドね」
「お茶と飲んでいい薬かどうか説明書とか」
「文明進んでない星だもんな……」
これ見に覚えある、ジーンズに穴あいてるって言った時の若い女子と同じ顔だ。
確かに宇宙船まであるような世界だもんな、薬も進化してるだろ。
てか、なにこの薬?
「んー?」
「そんなに疑う要素あった?」
「疑う?」
俺はただスプレー(?)を渡されたもんだから使い方が分からなくて説明がないかみていただけなんだけど、なんか……疑うって何?
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

美醜逆転世界でお姫様は超絶美形な従者に目を付ける
朝比奈
恋愛
ある世界に『ティーラン』と言う、まだ、歴史の浅い小さな王国がありました。『ティーラン王国』には、王子様とお姫様がいました。
お姫様の名前はアリス・ラメ・ティーラン
絶世の美女を母に持つ、母親にの美しいお姫様でした。彼女は小国の姫でありながら多くの国の王子様や貴族様から求婚を受けていました。けれども、彼女は20歳になった今、婚約者もいない。浮いた話一つ無い、お姫様でした。
「ねぇ、ルイ。 私と駆け落ちしましょう?」
「えっ!? ええぇぇえええ!!!」
この話はそんなお姫様と従者である─ ルイ・ブリースの恋のお話。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる