宇宙人との規格外恋愛をした~愛されてるのは彼だけです~

宝者来価

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30話 嘘をかさねて

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 俺は何故か起きたら女になっていて宇宙人二人に起こされた。
 で、宇宙船を取材している最中に倒れてしまいこの医務室へはこばれた。
 こんなSFを俺が記憶していないのも変だが、筋は通っている。

「竜太郎は――?」
「宇宙船のったら会えないってちゃんと説明したデショ」
「ごめん、それも覚えてなくて」
「いやーその……実は悪いの俺たちなんだわ」
「え?」
「ちょっと来て」

 廊下は本当に外が宇宙で驚いた。
 こんなSF本当にあるのか、嫌いじゃないぞ。
 惜しむなら忘れてしまったことくらいでけっこう悪くないかも。

「んでこの部屋なんだけどさ」
「酒くさ!!」
「まぁ……地球人って限界思ったより早いんだなって」

 酒に酔いすぎて記憶がぶっ飛んだのか。
 それにしたって壮大な飛ばし方したな。
 っていうか俺の『鞄』とか『ノート』とか『カメラ』もないぞ。

「んー」
「混乱してるよね、質問どうぞ」
「俺のスマホは?」
「すまほ?」
「え」
「えーと……その、どういうもんか説明してくれ」
「これぐらいの板? で連絡とかできて」
「ああ通信機か!! ごめんごめん言語を翻訳してる機械つかってるんだけど――時々こういう感じで俺ちゃんにも分からない時あってさ」

 そっかDVD時代にビデオテープのこと言っても通じないみたいな感じか。
 それにしたって持ってたんじゃないかと思うけど。
 俺って取材にきてるんだよな?

「んー持ち物がみあたらねーな」
「竜太郎? のキスシーンが送られてきたとかで海になげてたアレっしょ?」
「俺そんなことしたの!?」
「鞄ごと」
「嘘でしょ取材なのに」
「お前の宇宙メモノートならあるぞ」

 確かにノートとペンを渡された。
 宇宙人の特徴がたくさん書いてある。
 ただ破られている、どんなページだったのか。

「でも、状況が本当にそうなら――えっと同僚?」
だよ」
「え?」
「とにかくここ片付けるよりは――別の部屋使うほうが楽だな」
「部屋そんなにあるのか?」
「となりに同じような部屋があるから」

 こうして新しい部屋は普通にホテル。
 窓から見える景色が宇宙であること以外に変なところは見当たらない。
 テレビっぽいものがあったので点けていいかと。

「いいよー」

『宇宙TV!! 本日の政治状況をお伝えします』

 宇宙では番組も違うのか、違う星の政治状況なんか言われてもな。
 でも次の新しいテーマパーク特集は見たい。
 ベッドがフカフカで気持ちいい。

「お茶いれてくるよー、テレビ見てまってて」
「ありがとな」

 CMが始まった。

『☆スタリバー星人が一番使ってるシャンプー、メリッサ☆』

 いいなサラサラの髪。
 なぜか女体化していたし今の俺じつはサラサラ?
 しかし何でか口から星がでるなこの人、人?

「おつー戻ってきたよん」
「クロノ……さん」
「これお茶と気分がマシになる薬、眠くなって危ないから飲んだらすぐベッドね」
「お茶と飲んでいい薬かどうか説明書とか」
「文明進んでない星だもんな……」

 これ見に覚えある、ジーンズに穴あいてるって言った時の若い女子と同じ顔だ。
 確かに宇宙船まであるような世界だもんな、薬も進化してるだろ。
 てか、なにこの薬?

「んー?」
「そんなに疑う要素あった?」
「疑う?」

 俺はただスプレー(?)を渡されたもんだから使い方が分からなくて説明がないかみていただけなんだけど、なんか……疑うって何?
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