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21話 クラスメイトと年齢
しおりを挟む翌朝、不思議なことに自宅で目が覚めた。
「あんなに前世をハッキリ思い出すなんて――なかったのに」
身支度を整えて学校へ向かった。
クラスメイトが雑談している、天気とか。
昨夜は本当に長い時を過ごしたような気がして何だか懐かしい。
「レアモンスター出た」
「やったなソウジ!!」
「あとは暗黒魔人さえ出ればコンプリートだな」
宇宙でも男はああいうおまけ付きシール好きなんだなぁ。
今は女だし、そうでもない。
まぁ宇宙人の写真はコレクションしてるけどさ。
「拙者軍用船に初めて乗ったでござるよー」
「ふーん、メイドさんとかいたのかしら?」
「そういえば見なかったでござるな」
ヤキノリ星人:ヤキノリ・モチモチさんゴド星人と普通に話してる。
いや、私もそれが普通だった、なんていうか脅威って感覚がなくて。
熊よりも恐ろしい存在、もし何かしたらクロノさん地球ごとやるかも?
「おっすおはよー」
「おはよーさん、昨日はありがとやで」
「ブクブク!!」
昨日のことは全部ハッキリ覚えられていない。
ただ、前世の私が何か話していた。
クロノさんに嫌われるようなことしてなきければいいけど――。
「かーなちゃん」
「え」
「はいサイトのデータ、オカタピそんなに好きなんだねぇ」
「あ、ありがとうございます!!」
「……やっぱ他の生徒には渡せねぇや」
「え?」
「これ受け取って」
指輪、えーと、プレゼント?
もらえばいいんだよねと手を伸ばした。
クラスメイトにとめられた。
「待て待て待てッ!!」
「ゴボボボボボッ!!」
「こんなにソウジが慌てるところ初めて見たんだが……」
「受け取っちゃいけないもん宇宙ナンバーワンだぞ!!」
「なんだよ」
「地球語で翻訳すると婚約指輪、求婚してるんだよアイツ」
「……告白されてるだけじゃじゃねぇか馬鹿馬鹿しい」
昨日の私何したんだろう。
いやでも、ヒコ先生からクロノさんとくっついてほしい訳だよね。
ならこの求婚は受け入れていいよね。
「えーと、カッコいいし私はおうけしようと思って」
「自分まだ赤ちゃんなんやから相手決めたらアカンて!!」
「ブクブク!!」
「拙者たちで守るでござるよ!!」
「え、いや」
まるでクロノさんが私を誘拐でもする雰囲気に。
「――こうなるの、戻るよ」
クロノさんがパチンと指を鳴らした、私は覚えているが時が巻き戻っている。
「拙者軍用船に初めて乗ったでござるよー」
「ふーん、メイドさんとかいたのかしら?」
「そういえば見なかったでござるな」
「おっすおはよー」
「おはよーさん、昨日はありがとやで」
「ブクブク!!」
クロノさんの意図は分からないけど、婚約しようとすれば周りが反対するらしい。
それぐらい私と彼は年の差がある、ということだろうか。
宇宙規模では私の年齢は赤ちゃんで嫁にもらうなんて何考えてんだよと。
キンコンカンコン。
「1時間目の歴史ですが、皆さんにはショッキングなことです」
「なんや?」
「拙者この星にきてからショックばかりでござるよ」
「日本では16歳から結婚できます」
「……はい?」
「もし地球人が16歳で結婚して外に行く場合はそういう【文化】ですので――」
「まてや!! 16歳って赤ちゃんもいいとこやんけ!?」
「アオーーーーーン!?」
「ハンティング語は分かりませんよ」
顔が犬だからか、あわてると犬語が出るんだよねハンティング星人。
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