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14話 宇宙船
しおりを挟む宇宙船乗り場までタクシーで移動し、飛行機みたいな搭乗口から乗り入れる。
「……想像と違う!!」
軍用の船だというからロボットアニメで人がいっぱいいてモニター見ている部屋かと。
むしろ豪華客船のパーティーフロア。
ロボットはいるが人は見当たらないのがちょっと不気味。
「流石に軍用だけあるで」
「なぁソウジ、タイム星人って金持ちなのか?」
「これぐらい軍用船なら普通だぞ」
「マジか」
とても広い広場は二階にあがる円形の階段、白いテーブルクロスがかけられた机が百個はあるだろうか。
でも別に豪華な食事とかがあるわけではなく本当に机だけ。
「でも、変やな」
「パーティー会場なのやっぱり変なの?」
「こういう軍用船でパーティーフロアに繋がること自体は普通やな、外交問題もあるし」
どうやら軍用の宇宙船の入り口はパーティー会場であることは普通。
惑星の偉い人とか乗せるから狭かったら問題らしい。
助けてもらった船が狭いなんていう文句もどうかとは思うが……。
「なら何が変なの?」
「椅子ないやろ」
「確かに」
言われてみればどこにも椅子が見当たらない。
そういう目的なら椅子の一つぐらい無きゃおかしいのでは。
勝手に皆があちこち扉をあけたり移動しはじめたが怒る様子の無いクロノさん。
「バチスケ、やっぱここは定番のコックピット見に行こうぜ」
「いいな」
「ウチもついていくでぇ♡♡♡」
ほんとうにばらけたのでクロノさんのおすすめを見に行くことに。
「地球人じゃ迷子になるっしょ」
「……そうですね」
「とりあえず食糧庫かな」
食糧庫とやらは水族館か?と疑問に思うようなもの。
何か青い液体に沈んでいる食料らしきものがたくさんある。
ラベルらしきものに未知の言語。
「たくさんあるんですね?」
「どこの惑星の誰を緊急で乗せるか分かんないから全世界の食料つんでるの」
「なるほど!!」
「興味あるもの言ってみてよ、俺ちゃん地球人が食べたいもの興味あるし」
「オカタピとか……」
「あるよー、ちなみにガンドロ味もあるけど」
「がんどろ?」
「例えるならニワトリの卵とウズラの卵ぐらいの違い、ガンドロ星人の卵ね」
「食べたい」
思いもよらず宇宙人の卵を手に入れられたし、飲んだら美味しかった。
タピオカミルクティーなど思って飲んだらココア味で驚いたけど。
もしかして卵が好きって一般的……なわけないか。
「美味しい?」
「はい、とても」
これだけ量があれば他の惑星の卵とかあるんじゃなかろうか。
がつがつ強請るのは可愛くないかも。
様子を見て我慢しなきゃ……。
「もっと見たい?」
「えーと」
「検索機能とかあるんだよー」
操作パネルがあったが未知の言語で読めない。
ただ、みたところ使いかたは分かった。
材料から検索したりできる――。
「卵料理とか、あります?」
「ポチポチっとな」
出てきたけど、文字で分からない
「……これって」
「そうかタイム文字じゃわかんな」
「今度タイム文字について教えてもらえませんか!?」
あ、いけない、つい本音が。
「いーよー、勉強熱心でえらいじゃん」
良かった気分は悪くしてなさそう。
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