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12話 任務
しおりを挟むクロノ・スタシス視点
ヒコ・キララと再会した日。
宇宙人専門病院の個室にて。
完全防音室があって助かった。
「お前が敵になる可能性はあるっちゃる、俺はカナちゃんと結婚したい」
「☆……任務で?☆」
「確かにそうだが、俺はある状況におかれている」
ネルビットは死亡、子供たちが人質になっていること。
そしてカナちゃんを幸せにする任務だということ。
だから本人が他に惚れているなら俺は身を引く。
ここまで隠さずに話した。
「☆……お前が結婚したら、あの子は幸せになれるのか?☆」
「幸せになるまで繰り返す」
「☆それが上層部に狙われた理由だって、分かってるんだろ☆」
タイム星人は時間を戻せるが確かに俺ほど時間を無尽蔵に戻せるのは珍しい。
だからこそ俺は成績が実技だけはトップ、射撃なんて当たった時間軸だけでいい。
だから自分で招いた結果ではある――
「こんな男にカナちゃんを渡せないってか?」
「☆いや、ゴド星人が出てきたんだ……それで収まるならまだいいだろう☆」
「……ふー」
煙草に火をつける、病院の中じゃあ地球は禁煙が多いな。
でも勘弁してくれよ、いやそれを注意してくれる友が生きてたんだ。
疲れてんなぁ俺ちゃん、子供たちとか――本当はもう殺されてる可能性だって。
「☆ネルビットは……多分、俺のこと軍から逃がすために黙っててくれたんだろうな☆」
「軍抜けは死刑、でも俺はお前を殺せない、惑星タイムの軍もだ」
スタリバー星人は自分が嘘をつけない代わりに俺が嘘をついたら速攻で分かる。
同級生だった時に教えてもらった。
相手が嘘を吐いている時には相手の頭上に黒いモヤが見えると。
「☆……あの子はちょっと変わった悪癖があったりする☆」
「地球人をバラバラにするとか」
「☆宇宙人の卵に異常な執着心がある☆」
「何でそんなことに?」
「☆オカタピ☆」
確かケイロ星人の卵でできたドリンクだ。
太いストローで飲む甘い奴。
まぁケイロ星人って喋りもしないし扱いはこの星でいうニワトリとかの家畜。
「……あれは普通だろ」
「☆キッカケだったんだ、彼女はそこから宇宙人の卵が食べたいと――☆」
「卵ねぇ、タイムの卵なら確かに地球人に毒もないだろうけど……」
まぁドン引きではあるが、任務優先かな。
「☆それと話せないことがある☆」
「……俺ちゃんでも?」
「☆約束したからには、もう破らないと……だから、俺が協力できるのはお前と結婚してくれないかと頼むところまでだ☆」
「あとは任せて」
二本目に火をつけたら、とめられた。
「☆タイム星人は煙を吸うと泣けなくなるから、だよな☆」
「……うれし泣きしそうでさ」
ネルビットの子たちが生きている保証がなんにもないなかでやってきた今まで。
でも、でもさ、親友の教え子がピンチ!ってことじゃん。
こんなに頑張れそうな任務は初めてだ。
「☆俺はお前を裏切って、軍を抜けたのに……☆」
「俺だって抜けれるもんなら抜けたかったから、そんなのもういいよ」
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